今晩のあばれ太鼓。

-うめ丸(原作:山咲まさと)「哀ドル伝説きらり☆」エンジェル出版 ISBN:9784873066950
話△ 抜○ 消小 総合○

駆け出しのアイドルグループに所属し地道な活動を続けるヒロインは明日の大スターを目指して仕事もえっちも体当たり表題作長編全10話(STAGE01-FINAL STAGE、完結)。地方出身の山出しっ娘が辛い枕営業やさまざまな試練を経ながらもポジティヴにそれらを乗り切り成長してゆくかたわらで展開されるハードファックをじっくりねっとり追跡の作者最新刊は通算3冊めのコミックスだ。
冒頭データ欄で記したように、本作はエロ漫画ではめずらしく原作担当のクレジットがついている。もっとも表沙汰にされていないだけで実際にはお話を考えるブレーンがついていたり編集サイドが作劇をサポートしていたりというのはけっこうあるのだけれど、ともあれ今回物語面を担当する山咲まさとはエロ漫画原作者としては先駆者的存在であり長きにわたって精力的に活動を続ける大ヴェテラン。この原作者のプロダクトは以前に詩乃譜作画による「あま～い乳淫生活」(2011年刊)をレヴュらせてもらったくらいであまり縁がなかったのだけれど、こちらはたいそうキュートな表紙絵に惹かれて衝動買い。
作画を担当するうめ丸の方は過去に単独名義および山咲まさと原作とでそれぞれコミックスを上梓しているのだが自分はどちらも未購入(作者さますいません)。よってこの作品が初挑戦となるけれども、愛らしいアニメ絵ベースの絵柄でものされるとびきりラヴリィな女の子の造形がマーヴェラス。そのかたわら野郎キャラはわりかしゴツくてむさ苦しかったりもするのだけれど、女の子がこれだけ魅力的に描かれていればなんら文句などございません。どちらかというとエロ漫画誌よりはヤンマガだのヤンジャンだの一般青年誌によくいそうな、そこはかとないメジャー感がただよう。
この滑らかな筆致でものされる女性陣はむろん単行本タイトルどおりのアイドルてんこ盛り。年齢的には推定10代ラスト～20代入りたて付近のグループ総員5名はおおむね童顔巨乳系の誰にでも受容しやすいデザイン。ただしこの物語中ではもっぱら焦点はメインヒロインに当てられそれ以外のメンバーはろくに活躍の場がないので(しかもエロにすら絡まないのが5人中2人もいる)、女体てんこ盛りハーレム系などを想像した方ご愁傷さま。
現在売り出し中のアイドルグループ「リトルスターエンジェル(LSA)」のメンバーとして日々活動にいそしむ北九州市出身の少女・希星(きらり)。グループ内でもまだ微妙な立ち位置で握手の列もチョボチョボだけど元気だけは人一倍、そんな彼女が明日の大スターを目指し地道な営業活動をくり広げるところから物語がスタート。とまあまるでどっかのアイドルアニメみたいにさわやかなビルドゥングス・ロマンが途中まではくり広げられるのだけれど、中盤以降はどうも空気が不穏に。定番の枕営業のみならずなけなしの費用捻出にAV出演だのスキャンダルもみ消しでナマ中田氏強要だのオハナシがどんどん陰惨になっていき、ついには生理が来なくなるわ黙って失踪するわの修羅場大バーゲン状態だ。紆余曲折ありつつも最終的にはポジティヴに物語が締めくくられて安堵したものの、この萌え萌えした絵柄で官能小説さながらのベッタベタなダークエロスをやってのけるギャップが楽しくもあり逆に人を選ぶ要素でもある。
アイドルもののエロ漫画でみなさまが期待するとおり、メインヒロインのきらりちゃんは熱心なファンや旧知の恩師など一般人からアダルトグッズ作成業者にAV男優、脂ギッシュな芸能関係者などありとあらゆる男性相手にその身を捧げてイキまくり。途中で他のメンバーのファックもわずかに挿入されるものの、基本的にはきらりちゃん単独でハードにまんこを使役するハメに。加えて中盤以降はおおむねナマ本番を強いられ枕営業の悲惨さもグッとアップ。華やかなステージ衣装を脱ぎ捨て生まれたままの姿で好き放題に精液を注ぎこまれるきらりちゃんの受難劇をひたすら詳細実況中継だ。
スポットライトを浴びる舞台を降りればそこに待っているのは知名度アップとよりよいステージをつかむための身体を張った営業活動。媚びを売り煽情的なポーズでクライアントを誘惑し下腹部の秘密の花園をオープンセサミ。いきり立つ怒張を乱暴にねじこまれつつもこみ上げる快感にたちまち股間はビショビショ瞳はハート目。自分から男の背中に手を回しギュッと抱きつきながらふだんの営業スマイルを淫蕩なメスの貌へと変貌させよがり狂うさまが勃起中枢をハードヒット。日本語にならない咆吼を発し絶頂を迎えんとする彼女のアイドルまんこの最深部めがけザーメンの奔流をたっぷりと叩きつける。
明暗の振幅が激しくてどうにも落ち着けない展開や、5人組グループにした意味があまりない設定の瑕疵はいささか気になる部分。しかしながら個人的には多人数ハーレムよりタイマンエロスの方がグッとくるし、なんと言っても九州弁まる出しなきらりちゃんの親しみやすい造形と、それでいて濡れ場では異様にエロっちく変貌する光景がワンダフルですよ。エロ漫画的ディフォルメをほどよく効かせダイナミックに描き出す膣内射精断面図も出色で、ストーリー上の要請とはいえ序盤がゴムつきファックでなかったらもっと採点をアップさせていたところ。どうにも不遇な残り4人はともかく、きらりちゃんのドスケベな痴態で存分に抜かせてもらい愚息もご満悦でした。