2015-01-24

今週のマルチプレイ。

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-へっぽこくん「とろけるおしりにく」久保書店 ISBN:9784765935814
話○ 抜△ 消小 総合△

登山中に迷いこんだ小屋で出会ったキツネ耳少女の温もりにおぼれやがて2人は深く愛し合い……中編3話+独立短編6本。ほわほわスレンダーガールズとときにほのぼのときに真摯にイチャラヴ三昧の甘美な世界にダイヴインし耽溺しまくりの作者最新単行本は黄色い楕円仕様としての7thコミックスだ。
ぷに系の独特すぎる肢体描写とセンス炸裂の言語芸が唯一無二の個性をかもし出し続けるこの作家の新刊を継続的に読むことができることそれ自体が日本エロ漫画界の豊穣さを物語っていると思う。いっとき単行本のリリースが途絶えた時期もあったけど久保書店に腰を落ちつけてからは刊行状況も順調で、前単行本「やわらかももぷりん」発売からおよそ1年数ヵ月と、前々作→前作のインターヴァルとほぼ同じくらいの規則正しいペースで恒例のへっぽこくんワールドと再会。
今世紀初頭にはおおむね完成形となっていた、この人特有の誰にも似ていない繊細なタッチは書店店頭でも抜群の存在感。いつもの非常に上質なブックデザインの力によるものも大きいけれども、やはり昨今流行りの描線みっちりトーンコッテリのいかにも王道なエロ漫画絵とはまったく隔絶したスタイルがその要因だろう。この業界よりは一般の方にまだしも近いタイプの漫画家はいそうだけれど、ガチエロを描く人でこのノリを継承する後続作家がいたりしたらちょっとすごいかも。
収録コンテンツの詳細データがまったくなかった前作とは異なり、今回は目次で全作品にキッチリと初出媒体/掲載時期を明記(年月日までフル装備だ!)。それによるとつい先日惜しまれつつも休刊したロリ専科アンソロジー「ぺたふぇち。」初出のものを中心に他のアンソロや同人原稿などをプラスの構成となっている。大多数は直近数年以内の執筆のうえ一部の旧作にも大幅な加筆修正をほどこしており、まいどながらにキュート&キャッチーな作画のクオリティは一貫して高値安定だ。
この滑らかな筆致で描かれる女の子連中はいつもながらにロウ~ミドルティーン近辺の思春期迎えたて少女たち。エルフっ娘やケモミミさんなど人外キャラでもルックス的にはそのあたりに調整されており違和感はないかと。頭身高めなのに起伏が少なくつるんとしたロリロリボディは既刊同様に健在で、加えて当然のごとく乳サイズはそろってフラット志向……と思いきや、本作だと意外にもハッキリ起伏がありちっちゃめの茶碗くらいの双丘をお持ちのヒロインもいたりする。まあそれとてもさすがに巨乳の範疇とは間違っても言えないが、つるぺたじゃないと死んじゃう病の方にはいちおう注意報発令。
どこまでも牧歌的な雰囲気のなかくり広げられる物語たちはありふれた現代日本の光景ありすこしふしぎテイストあり、はたまた剣と魔法の世界ありとヴァラエティ豊か。あくまでコミカルに押し通すものからしっとり叙情派エロス、感動の純愛ストーリーまでワイドに展開の恋愛模様アラベスクに心はほっこり股間はモッコリ。カップルの関係性としては普遍的な男女の1on1をベースに3Pやレズものを若干プラスの構成だが、とくに前半部へ集中的に少年少女のタイマンラヴ――いわゆるインピオ――が配されているのが目につく。巻末著者あとがきによると近ごろはショタチンのよさに目覚めたとのことなので大いに納得しつつも、大昔はかたくなに百合ばかり描いて徹底的にちんこを忌避していたこの人が……と感慨深い。
どちらかというと劣情を喚起するというよりはまったり気分にひたらせるタイプの絵柄ではあるけれど、そこは成年マークつきなので濡れ場もぬかりなく(1本のみHなし作品あり)。とはいえこれだけ抽象度の高いヴィジュアルだと詳細性器描写だとかリアル志向の結合断面図などは望むべくもないので息子をハードに使役するのには向かない。彼ら彼女らが2人してきつく抱き合い臆面もなくラヴワードを乱射しながら両者シンクロして絶頂の甘やかな空気を楽しみつつニヤニヤすることこそがへっぽこくん作品の醍醐味といえよう。
パブリックな場から誰にもジャマされない空間へ移行すれば2人たちまちイチャイチャ全開で滑らかな肢体をあらわにし生まれたままの姿でギュッとハグしまくり。発展途上ボディに舌を這わせながら汚れなきたてすじをじっくり責めたてるたび小刻みに嬌声を発する彼女らの痴態にいっそう股間もいきり立つ。おもむろに暴れん棒をインサートして稚拙な腰使いで内奥を貫くたびちっちゃな胸を上下に揺らしながらお口をヘロヘロにしてあえぎまくる光景がじつにやらしくてグッド。あえぎ声のオクターヴを上げ全身を打ち震わせて未曾有の快楽に熱中する彼女のちびっ娘まんこめがけて最後に白くねばつく液体をたっぷりお見舞いだ。
ガチンコファック原理主義の当ブログではいつもこの作家の単行本に対しひかえめの評価を下してしまうのだが、それは本作もまた同じ(作者さまほんとうに申しわけございません)。それでも毎回購入し続けるのは完成度の高い宝石のような作画や変幻自在のストーリーテリングに魅せられるがゆえであり、今後もそれは変わらないだろう。現在は「ぺたふぇち。」休刊で一時的にホームグラウンド喪失状態だけれど諸事情を勘案すればいずれどこかで描くことになるのだろうし、また作者サイトを見ると薄い本ではガッツリ爆乳キャラも手がけているのだからこの際ロリ以外に挑戦するのもアリではなかろうか。このたび収録のお話のなかでは、学校では関係を秘匿している正副クラス委員長カップルが帰宅後は誰はばかることなくラヴ全開の「全裸おままごと」と、のじゃロリ狐神様×人間男子の甘美でちょっとせつなくも最後堂々ハッピーエンドの恋物語「ヨメイリギツネ」連作がお気に入り。

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