- 荻上ちひろ「濡れた果肉」久保書店 ISBN:9784765909760
話△ 抜○-△ 消小 総合△
オール短編全6本+描き下ろしおまけ。あとがきに「現在は別ペンネームで活動」云々と
あるが最近作と思われる巻頭からの2本を見る限り明らかに東雲龍だろう。一見やりすぎ
とも思える性器のどアップや不自然に張り出した乳の造形などでそれとわかる。もっとも
絵柄はトップと巻末とではほとんど別人のようで1人アンソロ状態。またTL雑誌掲載作が
メインと作者みずから記しているように初期作と思われるものはまるっきり漫画文法が
レディース風味で、よくもまあここから現在の抜きオリエンテッドな芸風に化けたものだと
感嘆。てな感じのごった煮感は作家の成長を見てとるうえでは興味深いものの抜き物件と
しての完成度はどうしても下がり、ことに心象描写とエロシーンの比率がいちじるしく前者
寄りになる昔の作品は不完全燃焼。ファミ通風に言うと「固定ファンなら買い」だが一見
さんは店頭やネット上のサンプルを吟味のうえご検討を。それにしても昨今の東雲龍名義の
単行本で顕著な濡れ場大幅増量や露骨なほどのちちしりまんこ描写畸形化が進行して
しまうともうTL市場には戻れないのだろうな。個人的には大歓迎な変化だとはいえどっちが
作家にとって幸福なのやら。
0 件のコメント:
コメントを投稿