2008-07-03

今宵のファンカ・ラティーナ。

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話◎ 抜◎-△ 消小 総合○

因習から逃れられずに巻きこまれる愛憎劇前後編+同級生カップル2組の一方の

女の子の抱く感情は複雑で……な正続編+短編7本+おまけショートカラー。まず

最初にお断りしておくと俺がこの作家を知ったのは恥ずかしながら2、3年くらい前

からでこの単行本収録作のほとんどは初見という浅いファンにつき信頼性の低い

レヴュウになるかと思われるのでご勘弁。一般作のコミックスは既出なのに肝腎の

エロ単行本が出ずやきもきしていたところに投じられたリーサルウェポン。高めの

価格設定だがそれに見合うだけの上等な紙質のカヴァーとていねいな装幀とが

所有欲を充足させてくれる。超絶画力とか正確な構図とかではたぶんもっと上の

作家がいるのだろうが、上品かつ清潔感あふれるキャラたちが見せるそれとは

裏腹の淫靡な雰囲気との無理のない同居がこの人の最大の魅力。しっとり落ち

着いた背景のなかにたたずむ乳房や局部の鈍色に光る質感が非常にエロっちい

カラー原稿と、ザックリしたタッチで手描きの斜線を多用しスクリーントーンを抑制

した冬目景や鶴田謙二っぽい系統の白黒のそれとで印象が違うのもおもしろい。

ただ一読して驚いたのが鬱漫画率の高さ。最近よく描くカラーショートでは和姦

多めだったので昔はここまで凌辱/寝取られネタだらけだったのかと感慨しきり。

とはいえモノクロ原稿の寂寥感ただよう空気とダーク話の相性はむしろバッチリ

だったりで複雑。あと濡れ場も初出が前のものはおとなしめで(初期作でも凌辱

乱交もの「蔵」は抜き重視だが)、現在のように単品カラーイラストでも即おかずに

なるほどの実用性を期待すると失望する。そのぶん唯一2008年に入ってからの

雑誌掲載作である「明日の私にヨロシク」において見受けられるしっとりしたお話と

ガチなエロシーンとの自然な融合がこの作家の努力の成果ということなのだろう。

とまあちんこの活用だけを考えるともっと近作を重点的に収録すべきとは思うが

まさかこの1作でコミックスが打ち止めになるとは考えられず、出版社サイドでは

きっと直近の作品はフルカラーの大型豪華判で出すなどもっと読者から搾取する

手だてを思案中に違いない。いずれにせよ当初からすでにまとっている大物感は

隠せるものではなく、国産車のなかに8000ccのアメ車が混ざっているかのような

趣(by権藤博)。ここのレヴュウにおいては抜けるか否かにプライオリティを置く

のでこんな総合評価にしてしまうものの、おそらく後世エロ漫画史を回顧する際に

2008年のエポック・メイキングとしてこの作品が挙げられるのは確実だろう。

話△ 抜○ 消大 総合△

押しかけ家政婦さんとのセックス三昧のただれた日常に巨乳幼なじみも闖入して

きて擬似ハーレム表題作長編10話(第11~最終話、完結)。マークなし。女性作家

らしさと萌え風味との適度なブレンドの絵柄で男子の身勝手な欲望に忠実なご都合

主義全開ガチエロを慎太郎シールつき雑誌の枠内ギリギリまでくり広げるいつも

どおりの手練れの技。初の黄色い楕円仕様だったひとつ前の単行本では若干実験

的な作品も混入していたが今作はこの人得意の能天気ラヴコメで幸せエンドと従来

型読者の期待を裏切らないデキ。美味そうなおっぱいを存分に味わいながら切なげに

おねだりするヒロインのご要望どおりガッツリちんこを挿入し、トロンとした瞳と紅潮

した表情であえぎまくるさまを堪能しつつキュンキュン締めつける膣内に気持ちよく

中田氏フィニッシュの黄金パターン。とまあ抜き的にはU-18世代OKの単行本と

しては依然横綱級ではあるものの、これまでの作品と比べると些末ながら不満も。

好感度MAXのヒロインとのっけからエロエロで横車入りつつ最後ハッピーというほぼ

同様の展開の「ラブごめ!」では1冊で収まっていたストーリーをそのまま2巻分に

広げただけの印象で少々中だるみ感が。それと昨今の双葉社の例にもれず局部の

ホワイトが常軌を逸してきて、修整を逆用して抜かせる手腕では第一人者のポン

貴花田をもってしてもフォローしきれないほどに悪化。お話の問題はともかく消しの

方は1巻ではうっすらアンダーヘアくらいは確認できたのに今回は股間まっ白だから

なあ。そんなわけで期待料込みの前巻レヴュウ時より評価を落としたが、下手な

マークつきよりはるかに使えることは疑いなし。

話△ 抜△ 消大 総合△

Hのことしか頭にないボンクラ浪人生のところに突然悪魔が降臨してきて3つの

お願いを……なドタバタラヴコメ表題作長編9話(以下続刊)。マークなし。エロ

シーンでは乱れまくりだけど基本クールな貧乳悪魔っ娘と最低主人公を憎からず

思うツンデレ巨乳幼なじみとに挟まれ序盤から両手に花状態で、途中から妄想

好き女子だの思わせぶりに登場の天使など抜きキャラを逐次投入。わかりやすく

いうと諸星あたるが本番可能な「うる星やつら」を想像してもらえれば(我ながら

古いなあ)。もっとも悪魔っ娘ヒロインマリアがしごく冷静で主人公にいまのところ

完墜ちしてないのが相違点。ただこの作家は今世紀に入ってからキャラ粗製濫造

長編だらけで収拾つかずに投げっぱなし終了がデフォなのでいっしょにすると高橋

留美子ファンに怒られるか。だもんで物語面では適当に流してまいどおなじみ絶品

アヘ顔を堪能するというのがこの作品の鑑賞法としては正解で、執拗に指や舌で

こねくり回され準備万端のまんこにグイッとイチモツを受け入れると言葉にならない

呻き声をあげながら歯を食いしばりあらぬ方向を見つめよがりまくる女の子たちの

表情がたまらなくエロっちい。合体シーンはおろかフェラ中のちんこや飛び散る精液

まで執拗に痕跡を抹消しまくる残酷な修整のせいで抜き評価が大暴落するのが

もったいなくはあるものの、いかにもコンビニ売り誌らしいお手軽エロコメとしては

及第点。



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