2008-07-15

今宵のどくさいスイッチ。

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話○ 抜△-× 消小 総合×

短編9本+フルカラーショート。まず現物を手に取ると淡く落ちついた色遣いや

シンプルなのに効果的なレイアウトで装幀に気合いが入っているのがわかる。

表紙の印象そのままに繊細な少女漫画系の描線で学生カップル主体。登場

人物が同一世界上でクロスオーヴァーし、しかもサザエさん時空ではなくところ

どころ歳月が経過していたりと凝った構成。女の子サイドのモノローグや仕草

から受け手にキャラの心中を読み取らせるという男性向けエロではあまり用い

られない文法に乗っかってストーリーが展開されているので、少年誌/青年誌

のみを糧に育った人間にはやや難解。これだけならマークつきである必然性は

ないのだがそこは曲がりなりにもパピポ掲載作、ちんこもまんこもそれなりの

リアリティを持ったものが装備されコンバインOK。くぱぁと拡げられた陰裂に

男根をいやらしく飲みこみ上下させながらガッツリ膣内射精フィニッシュ……てな

具合に行為を解説はできるのだが、必要かつ不可分ではあるものの濡れ場は

あくまで作者が本当に語りたいことを表現するための触媒。少しだけ逸脱して

いたり痛みを抱えている彼氏彼女たちが癒しを求めて睦みあったり、あるいは

逆に妬みや憎悪といった負の感情を相手へダイレクトにぶつけて傷を拡げたりの

リリカルな群像劇こそが物語の真髄。水島空彦をもっとオサレ寄りにした感じと

いうか玄鉄絢から男子的妄想を排除しつつヘテロセックスしているというか、

正直自分のいちばん苦手なタイプのエロ漫画で大後悔。逆に初期のコミハイや

現在のエールとかが好きな人にはストライクゾーンど真ん中かと思われるので

俺のふだんの評価を容認しがたいと感じている御仁には自信を持ってオススメ。



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