-シルエットさくら「くずさくら」メディアックス ISBN:9784862011152
話○ 抜○-△ 消小 総合○
ほんわかふにふにヒロインたちがときに明るくときにせつなくエロスの波状攻撃短編全14本。先日初の非エロ単行本が出たばかりだが成年向けでもやっとこ2冊めで、しかも前作「さくらもち」(シュベール出版1997 ISBN:4883321193)から12年の歳月を経てようやくというスローモーぶり。
幼年向け少女漫画とアニメ絵とのハイブリッドな絵柄は基調をそのままに今世紀に入って萌えとぷにを添加してしっかり時代に追随。ウェブ上ではこのかわいらしい絵柄でいながら異形とグロを容赦なく注ぎこみ奇抜な世界観を構築するのが芸風だがさすがに商業作品は素行おとなしめ。とはいえフタに肥大クリ、触手に小人姦と変化球ばかりを投じてくるので1on1のオーソドックスな恋愛系を期待する貴方には即刻避難勧告。
オハナシは赤面もののイチャラヴか重苦しい愛の隘路かの両極端だが、プレイの変態度とはまったく連関しないのがおもしろいところ。飛び道具だらけでもまっとうなコイバナになるしカタワどうしの悲しい交歓もある。
エロシーンそれ自体はキュートなおっぱい大きめティーンズがほおを染めもっちり柔らかな淫裂の奥深くへ怒張を飲みこんではアンアンあえぎたっぷり白濁液を受けとめるさまが素敵なのだが、なにせアイテムが特殊なので万人向けとは言いかねる。俺的には両性具有/女装系は全部地雷ながらそれ以外はドンと来いなのでこんな感じの抜き評価に。歳月の開きは埋めがたく未収録がいまだ多数なのが残念きわまりないが(ポプリや夢雅の掲載作はほぼ全滅だと思う)、これを契機にどんどん落ち穂拾い的にコミックス刊行が続くといいなあ。
今回分では誘拐先で性的開発される娘の映像をのんきに鑑賞する両親という構図がエグすぎる「みっちゃんのビデオレター」と全身触手BF×純真ヒロインほのぼの和姦もの「触手彼氏」がフェイヴァリット。
-大友卓二「ごっくん処女」富士美出版 ISBN:9784894218802
話△ 抜○ 消極小 総合△
妹2人に迫られ兄貴タジタジシリーズ連作5本+爆乳委員長が悪徳教師の餌食に前後編+短編4本。現在のエロ漫画シーン最前線を疾走するタッチで描かれるキュートなおっぱいっ娘がHに乱れて精液浴びまくりの作者初コミックス。
萌えとオサレをほどよくブレンドの絵柄は少々プラスティッキーなもののじつに訴求力が高く、ミドル~ハイティーンの童顔巨乳ヒロインズが無邪気に乱舞する絵ヅラはひたすら眼福。女の子は引っこみ思案から元気っ娘にツンデレやら天然さんまで多様な属性をそろえ読み手を飽きさせない。
これらキャラメイクの魅力に比べると物語面はさほど特徴的ではないが、能天気エロコメからベタな凌辱調教系までひと通りこなす器用さは強力な武器だ。なお表題が示唆するほどには乙女率は高くなく半数以下なので破瓜大好きっ漢は要注意。
それより最大の美点は大胆なアングルと効果的な乳/まんこのクローズアップとを組み合わせた躍動感あふれる濡れ場。さわやかですらある端整な蜜壷をこれでもかとおっ広げ、陰茎を半透明化処理することで洞穴の奥まで見せつける結合場面がやたらと淫靡だ。
なかでも冒頭連作においてダブルで迫る妹たちのむっちり/スレンダーな肢体の対照の美を強調した3Pプレイは圧巻で、全読者の夢であるダブルフェラからはじまり2人が互い違いに乗っかって性器どうしをこすりつけ、ちんこを抜きつ差されつしながら仲よく白濁液ぶっかけフィニッシュへと至る魅惑のマンドイッチ。
お話展開がギクシャクするのと男性キャラの描写がペラくて感情移入を阻むのが気になり点数を下げたが、作画はのっけから高水準で今後がたいへん楽しみ。
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