今年度の730年マフィア。

-春風大樹「制服エロチカ」サン出版 ISBN:9784904598894
話○ 抜△ 消小 総合○

仲よし女子高生3人組のポップでキュートでえっちな学園生活オムニバス表題作全11話。どこにでもいるような制服女子が生き生き躍動するさまがグッドな作者初コミックス。いわゆる黄色い楕円つき単行本としてはめずらしく、純粋エロ漫画誌ではなくグラヴィア/漫画が混在の「マガジン・ウォー」を初出とする連載作品だ。
一般青年誌調の軽快なタッチをベースに21世紀エロ漫画絵のエッセンスをほどよくまぶした好感度の高い絵柄はなかなかキャッチーで、個々の性格がよく出た表情のメイン格3人娘がそろってお出迎えの表紙が店頭でよく映える。中身のモノクロ原稿もけっして画力炸裂タイプではないもののギャグ/シリアスのメリハリのきいた勢いのある描線で、これはなるほど3次元から入ったオタ嗜好希薄な人たちにも受けがよさそう。
ショートボブ元気っ娘/ツインテツンロリ/ポニテお嬢さまの主役級3人を軸にその彼氏たちや家族に同級生など関係者一同を巻きこみ進行する青春群像劇はさほど特徴的とはいえないが、女子高生たちのていねいなキャラ造形がこの作品に適度なリアリティを与えている。全員アニ研/漫研所属かと見まがうヲタ濃度高すぎな連中でも、真っ黒顔に派手なメイクで夜の街をさまよう援交少女でもない、等身大のニッポンのハイティーンがそこには息づいているのだ(そしてそれは男子サイドも)。なにげないおしゃべりや授業風景といった平凡そのものの日常のなかで、世界の運命とか人生の意味とかそんな大仰なものとは無縁の、しかしそれなりに大切な彼氏彼女の喜怒哀楽がくり広げられる。
さて肝腎の濡れ場はみなさんわりと簡単に発情してくれるものの奇抜なプレイとは無縁で、日常の情景をじっくり描くぶんファック総量もひかえめ。とはいえ性器断面図やら白目剥きアヘ顔といった昨今のエロ漫画的トレンドはぬかりなく取り入れており、これまた流行りの女装男子ネタなども導入して趣向は幅広い。ピキピキちんこをJKまんこにガツガツ出し入れしながら子宮口をハードに突きまくり、きゅんきゅん締めつけを受けながら子袋いっぱいに白濁液をチャージし両者TKO。
本来ならもう少し抜きオリエンテッドな方が好みだが、高校男子女子のたわいない惚れたハレたのラヴ・アフェアがすっかりやさぐれｵｻｰﾝな俺にもふとかつてのアドレッセンスな時間を想起させてくれた佳品。あとふだんはおしとやかなのに年上の婚約者には思いきり甘えて乱れまくるおっぱいっ娘・さゆりさんの痴態でたいそう抜かせてもらいました。