-英田舞「姦詰」エンジェル出版 ISBN:9784873063560
話△ 抜△ 消小 総合△
完熟ボディのメスどもがフェロモンダダ漏れさせて濃厚ファック短編全8本。繊細かつ華やかなタッチとそれとは裏腹にベッタベタな官能小説的エロスとの奇妙なミスマッチを武器にグイグイ内角を攻めてくる作者初コミックスだ。はしたなく巨乳をまろび出した妖艶美女が鎖でつながれお口から白濁液をトローリたれ流しというやたら扇情的な表紙につられ予備知識ゼロの俺も衝動買い。
中身をめくるとエンジェル出版らしからぬ少女漫画/BL系の絵柄にもういちど驚いてしまったのだが、そういえばここ1、2年このレーベルでは従来の劇画由来とは違うラインの作家をポツポツ投入しているので、この人も編集サイドがそうした思惑のもと連れてきたのだろうと推測。掲載時期による多少の筆致のブレはあるがおおむねカヴァーの印象どおり正統派のレディース漫画絵にわずかばかりの萌え色を投入といった趣。
そんな絵柄に乗っかってくり広げられるストーリーはしかし古色蒼然とした凌辱劇または泥くさい艶笑譚で、まるでいにしえのビニ本かキオスクで手慰みに購入するフランス書院文庫のような、前世紀から連綿と続く官能小説をそのまま漫画媒体に置き換えたかのごとき感触。帯でも謳うように人妻/OL/保険医など取りすましたヒロインたちのおカタい仮面をはぎ取り肉欲の罠へといざなう系統の話を無限コンティニューだ。それなりに近代的な画風からして作者はおそらく20代からせいぜい30代前半くらいだと思うが、外部の原作や編集のネタ出しなしでこんな古典芸能のようなテンプレ展開を難なく描きこなしているのだとすれば逆にすげえな。
かように物語が進行すれば当然エロも旧来のピンクメディア的お約束がてんこ盛りで、いやよいやよも好きのうち的に当初受容を拒みつつもすぐさま快楽におぼれていくよろめきさん、もしくはのっけから肉置きのよい身体を誇示してはオスを誘惑し精力を搾取しまくる毒婦の2パターンをオートリバース。男好きのする肢体をネチネチまさぐられしとどに濡れた牝犬まんこを泡立つほど混ぜ返されて即座に彼女ら発情だ。生い茂るジャングルをかき分け如意棒を自由自在にピストンすれば涙も汗も愛液も分別なくまき散らしては忘我の表情で下品なアヘ顔さらすさまがなんとも扇情的。大量に分泌されたザーメンを子宮の奥へ打ちつけられ絶頂の痴態を断面図入りで詳細描写する。
決まりごととはいえインスタントにすぎる物語展開、あと野郎キャラがかなりぞんざいな描き方なのとで総合的には厳しめの採点になったものの、作家の独自色を今後徐々に出してきてもらうのを期待するとしよう。
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