-いトう「狂淫免許」一水社 ISBN:9784864160155
話○ 抜○-△ 消小 総合○
惨劇の恐怖におびえ震える少女の身に阿鼻叫喚の生き地獄がもたらされ絶望のなか悶絶短編全6本。あたり一面どんよりグレイに翳る世界で強姦輪姦フルコースのハードボイルドエロスを展開のこの人(おそらく)10冊め。
全体的に暗い画面のせいで一見そうは見えないもののじつはわりとカワイイ系のアニメ絵で描かれる制服世代固定のヒロインズはティーンらしいぷにぷにしたほおのハリやおおむね巨乳寄りのみずみずしい乳房が印象的。しかしながらそんな彼女らが年相応のコケティッシュな笑顔を振りまくことはほぼ皆無で、冒頭から顔面蒼白にして全身をビクビクさせるさまはまるで屠場に引っ立てられる犠牲の子羊の趣。なんとなれば、そこに待ち受けているのは平穏な人生を一瞬にして奪われるか元来の悲運に加えさらなる惨禍を味わわせられるかの無慈悲なオルタナティヴだからだ。
女性陣のキュートさに比べいかにも不審をかき立てられるグロテスクな造形の野郎キャラから理不尽きわまりない暴力と性的凌辱を雨あられのごとく加えられ少女の持つヒューマニティの最後のひとかけらまでをも破壊されるのがいトうワールドのデフォであり、このたたみかけるような不幸の連鎖がわれわれ読者のけっして口に出せぬほの暗い欲望をこれでもかと励起しまくる。すべてのポジティヴな希望がついえやがて嫉妬と憎悪のアマルガムがあまねく君臨するこの世界で弱肉強食ピラミッドの最下層たるヒロインたちは膜を怒張でぶち抜かれ菊門を異物でほじられては苦痛に泣き叫ぶのみ。かくして手加減いっさいなしのレイプ満漢全席がスタート。
地べたに蹴倒され乱暴に着衣を破かれて凌辱の限りを尽くされた彼女らはひと通り果てたのちも休息なしで性具やら浣腸やらで再度責められ激しく絶叫。2度3度4度とザーメンを子宮に放たれグッタリしていると怠慢の咎でなんども蹴られ殴られてまたちんこを突き立てられ、そのたびに意志に反し強引に快楽を引き出されて苦痛とも喚起ともつかぬ雄叫びを上げる光景を紙面の許す限りエンドレス再生。ラストは遠からぬ未来に待ち受ける精神/肉体の破滅を予期しながらあきらめに満ちたモノローグを吐く彼女らの白目剥きアヘ顔のクローズアップでシメ。
とまあこの作家の既定路線どおりどこをとっても非道一直線でファンも安心の1冊。むろん初見の方にとっては手にした瞬間トラウマとなりかねないシロモノには違いないので見本閲覧後の購入を強く推奨するが、ひとたび受容できればどんな麻薬よりも甘美に作用し君の無聊を慰めてくれることだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿