-川邑司「きのうのわたし、あしたのわたし」双葉社 ISBN:9784575838244
話○ 抜△ 消大 総合△
初心な2人のピュアラヴからちょっとアブノな大人のエロスまで盛りだくさんに短編10本+ショート2本。マークなし。清潔感あふれるさわやかな絵柄を武器に彼氏彼女のさまざまな愛の形をヴィヴィッドに描き出す作者初単行本だ。
基調はアニメ絵ながら繊細な描線でほのかにオサレ感すらかもし出す魅力的なタッチを用いて描かれる頭身高めヒロインズはレイティングの都合もありすべて18歳以上だが、キュートなキャラ造形を見ていると中高生などティーンでもぜんぜんいけそう。もっともそれゆえ人妻など妙齢の女性を描いてもさほどアダルト風味にはならないので熟女スキー向きではないかもしれない。
お話のベースラインはいかにもコンビニ売り誌掲載作らしいライト和姦主体でさほど特徴的ではないが、そのぶんキャラクターメイクには気を遣ってあっておのおの性格にひとつまみのアクセントを投入。極端なあがり症だったりおねしょ属性だったりの思わぬウィークポイント持ちの娘がいれば、はたまたエロ妄想バリバリだのネットに自分の痴態を流しちゃうなど秘めた性癖を開陳したりもする。こうした女の子の二面性を上手にストーリーにからめることで平板なラヴコメに飽き飽きした読者をグッと引きつけるのだ。
すらりとスタイル抜群のみずみずしい肢体を鄭重に押しいただく濡れ場はnot黄色い楕円ということもあり比較的おとなしめ。とはいえ女の子から大胆に仕掛けてくるシチュがずいぶん多く、それが通常モードのおしとやかな印象とのギャップを鮮明にさせてなかなかエロっちい。男子の股間にターゲットロックオンしすかさずご奉仕を開始する彼女らの意外な姿にちんこもさらにエレクチオン。着衣を徐々にたくし上げステディな彼のボディにきつく手足をからめながら激しく声を上げる情熱的なファックのすえビューティフルまんこの奥底めがけドプドプ白濁液を放ち両者TKO。
性器オリエンテッドなエロシーン構成ではなく消しもきついので勃起喚起力では一歩譲るものの、たいそう上品な筆致で描かれる甘辛ほどよく効かせたラヴ・アフェアの応酬はコンビニエロの優等生。今後についてはヒロイン造形やプレイ内容の制約から解き放たれた成年誌で活躍を見たい気持ちもあるし、一方でこのまま一般誌で質のよいアトモスフィア産出力を活かす路もありだろうということでその進路に注目。
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