2010-11-12

今夜のインシデント制。

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-堀川悟郎「TOILET GIRL」ティーアイネット ISBN:9784887743724
話△ 抜○ 消小 総合△

幼なじみ女子との騒々しくも平穏な日常がある日突然壊され彼女は他の男のメス奴隷と化して凌辱長編「鬼畜の蠢き」10話&描きおろし後日談。汚れを知らぬ清楚な少女がむくつけき男どもの手で無惨に純潔を踏みにじられ肉体を思うがままに蹂躙される一幅のトリロジーを太古の昔より飽くことなく描き続けるこの作家7thコミックスにして当出版社からの5冊め。初期数冊を購入後長らくこの人をパスし続けていた俺にとっては10年ぶりくらいのごぶさただ。
この人の漫画をはじめて読んだのはたしか初単行本刊行直後だからもう15年以上前のことだが、当時からすでに古典芸能の域に達していた80年代ロリコン漫画の香りを残す絵柄は2010年のいまも変わらぬテイスト。白目部分のほとんどない瞳の処理といい昭和アイドル風味の髪型といい、エロ漫画の進化の袋小路でたたずむ堀川悟郎ヒロインのお姿はまるでシーラカンスのよう。とはいえ数少ないギャグパートではSDキャラ化したりタドン目をさせたりとわずかながら時流への追随が見えてほほえましく思ったり。
表紙にも登場の幼なじみ女子高生・美羽をはじめ女性陣はみな頭身高めロングヘア巨乳で統一され、性格面はともかく外見ではほとんど間違い探しレヴェルに微細な髪型の違いでしか区別ができない。ティーンだろうと人妻だろうと本当におんなじなので、今回存在はしていないがきっと幼女を出してもやっぱり長髪ボイーンキャラになるのだろうと推測される。もっと強烈なのが野郎サイドで、こちらは主人公こそ人間らしい造形だがほかはみな巨躯魁偉の醜男勢ぞろい。彼らが仮面劇の道化よろしくひょうきんな面構えでもって冷酷無惨な輪姦調教を遂行する光景が読者にさらなる嫌悪感とそれとは裏腹の性的興奮とを励起せしめるのだ。ただいずれにせよ昨今の流行りとは真逆のコッテリ泥くさいタッチではあるので、ここが受容の最大のハードル。
ストーリー展開もまたクラシカルな絵柄にふさわしい典型的なヒロイン受難転落劇。権力を一手に握るブサイク男の理不尽な要求に屈し身体を許して以降どんどん行為は過激化し、緊縛で自由を奪われたボディをいいようにまさぐられながらありとあらゆる穴を怒張でほじられ射精されて快楽の淵へと沈んでいく一連のシークエンスをたっぷり尺を使い詳細に描き出す。1人餌食になれば次は彼女の肉親や友人と犠牲者はどんどん増えてゆき、救済の企てもすべて潰滅させられて最後は全員仲よくスレイヴという徹底した勧悪懲善ぶりが頼もしい。キャラの数だけ同様のプレイが反復されるので長丁場だとさすがに食傷するものの、一瞬たりとも女の子に救いを許さず彼女らがもだえ苦しみ絶望するさまを目に焼きつけてはじめて心安らぐピュア凌辱スキーにとってはかけがえのないエルドラドとなろう。
いい意味でも悪い意味でも誰も続くもののない独自の戦いを続けるこの作家、作画もお話造りも極度に人を選んでしまうのは否定できないがこの畸形的な進化の姿はいちど目にしておいて損はない。ふだんは敬遠ぎみだけどたまにその刺激を堪能したくなる鮒寿司のごとき味わいだ。

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