2011-01-06

今週のボンクラ映画魂。

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-真矢村明「あふれだす蜜の衝動」オークス ISBN:9784799000656
話○-△ 抜△ 消小 総合△

肉体関係を持った妹によそよそしくされた兄だが実は……正続編+生徒と教師のお昼休みだけの逢瀬正続編+短編8本+フルカラーショート。きらびやかで繊細なタッチでもって赤面ラヴから道ならぬ恋まできめ細やかにスケッチしてみせる作者2冊めは二次創作拾遺集の処女単行本を経て初のオリジナル。なお本来は去年12月下旬刊行のものなので遅延レヴュウとなるのだが、年始は新刊枯渇期ゆえどうかお許しを。
見るからに女子の筆とわかる表紙の印象どおりに、中身もオタ男子じゃ描けないジュエリーな瞳に華奢なボディのおにゃのこが勢ぞろい。ただカヴァーや冒頭ショートのようなCG彩色ではそうでもないのだが、モノクロ原稿のざっくりした描線はかなり時代がかっていて逆に現代少女漫画ではお目にかかれないタイプ。初期の高河ゆんや片山愁が執筆していた時代の「月刊WINGS」あたりに放りこむといちばんマッチしそう。まあSDティックに頭身を下げると多少は現代っぽく見えるのだけれど。
ミドル~ハイティーンを主体に大人若干名をプラスの女性陣はぺたっ娘からラージおっぱいまでひととおり準備されているが、貧乳さんでもかすかに起伏はあるし巨乳っ娘も非現実的な爆裂サイズではないしとじつに中庸。あとはお姉ちゃんに妹ちゃんなど近親キャラが比較的多めとは言えるものの圧倒的な数ではなく、こちらもバランス型の配置といえよう。また女性作家らしく男子キャラがこぞってイケメンなのはダメオタたる自分には感情移入を阻む要素だが、むしろそれが野郎の生々しい妄想から隔絶していてイイんだ!という白泉男子などには好適かと。
センシティヴな筆致にはお似合いのしっとり叙情派ストーリーでお送りする作劇は、平穏な日常から一転してエロシーンでは秘められた情熱や欲望をどっと解放するそのコントラストが印象的。清楚なヒロインたちがステディな彼にだけ見せる淫猥な素顔に読み手のちんこもグッと屹立させられる。女装男子ネタなど個人的忌避要素はあるが総じて達者なお話運びだ。
かくして突入のホットな濡れ場は分量的に多い方ではないものの、スレンダーな肢体を乱暴に押し開いては野郎どものえらくぶっといイチモツでキュートなまんこをハードピストンの絵面がなんとも背徳的でよろしい。荒い息を吐き小鳥のように打ち震えながらこみ上げる快感に嗚咽する彼女らの可憐なアヘ顔を堪能しつつきつく締め上げる蜜壷のなかへホワイトエキスをお見舞いしフィニッシュ。
直截的なエロスよりは物語の盛り上がりとリンクして情欲を喚起するタイプだけにページを開いて即座に摩擦運動をスタートするには不向きだが、恋愛のプロセスを大事にしたいムード派の貴方にはグッドフィーリング。肉脂に飽和した舌をさっぱりと洗う烏龍茶にも似た感覚の1冊だ。

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