-マイノリティ「はちみつドロップ」コアマガジン ISBN:9784864360692
話○ 抜○ 消極小 総合○
大企業社長令嬢のワガママヒロインはお付きの冴えない運転手を下僕のように扱うがじつは知らぬ間に彼の施す催眠術により身も心もコントロールされていて表題作長編8話&描きおろしエピローグ。緊縛調教寝取られの凌辱3連コンボを容赦なく展開しつつ物語のベースは純愛風味という摩訶不思議なテイストがぼくらを魅了する作者第6単行本にしてコア移籍後の4th。
前作「ラブ・ハン」の刊行からじつに3年あまりの歳月を経てのニューリリースとなるが、ひとえにそれはこの大作をかなりゆっくりしたペースで連載していたから。そのぶん作画/作劇ともこれ以上ないほどに密度は高く、またお値段据え置きなのに束も目いっぱい厚くしてあって新刊を待ちこがれていたファンも大喜び。
いわゆるアニメ絵の範疇ながら太くみっちりと描きこまれた線がのたうつクセの強いタッチが印象的だ。とりわけ今回は1冊まるまるの長尺ものゆえ後半に行くに従い作者の筆もノってきていっそう脂っこいヴィジュアルに。なお著者みずからの手になる作品解説によれば終盤からディジタル作画に切り替えたとのことだがとくに違和感もなくスムーズに移行できていると思う。
前作やその前はこの作家には珍しく巨乳フィーチャーだったが、今回はJCキャラということもありキャリア初期のようなちっぱいへと回帰。最初から最後まで単独ヒロイン制を敷くのでマイノリティの描く巨乳女子を愛好する向きは回れ右推奨。まあお話が強烈すぎて読み進めていくうちに乳サイズとかは正直どうでもよくなるのだけれど。
お話のベースラインは高飛車お嬢さまが身の毛もよだつほどに嫌い抜いていたはずの男をいつしか愛してゆき最後には子まで成してしまうという大恋愛譚。奇をてらわず王道展開させれば甘々のピュアラヴにもなりそうなものを、この作家は催眠/マインド・コントロール/SM/服従強要ととことん邪道な手段のみを用いたマニエリスティックな愛へと変容させてしまう。結果的にはこのうえないほど強固な絆で2人は結ばれるのだからやはりそれは純愛のヴァリアントなのだが、ビシバシ縄と器具が飛び交い恥辱に満ちたプレイを次々とくり出す光景を抵抗なく受容するにはかなりの覚悟が必要。
のっけからボンレスハムのように肢体を縄でくくられたヒロイン・璃子(りす)の幼い膣内をゴリゴリ貫いては立て続けにザーメン注入のハードファックで物語スタート。イケメンの実兄に抱かれているものと錯覚させられていた彼女と実際につがっているのはバカにしきっていたヘタレ運転手だと知らされショックを受けながらも催眠中にちんこの味を覚えさせられ絶頂の際は「好き」と叫ぶよう仕込まれた彼女の屈辱的なイキっぷりを、読者には第三者視点からじっくり堪能できる仕組みになっている。
オハナシの進行とともに呪文のごとく彼女の脳裡に刻まれたラヴ強要がいつしか本物の愛情へと変貌していく過程を奇天烈なギミックやお邪魔キャラの逐次投入をアクセントとして沿えつつじっくり描写。各話ごとにヒロイン/相手役/実兄と視点を交替しながらポリフォニックにストーリーを盛り上げていく技巧の冴えも光る。中盤以降はたび重なる種つけによりいよいよ孕んだ璃子たんのマタニティまんこをフル活用した妊婦ファック百珍でボテ腹スキー歓喜。最終話およびシームレスにつながる描きおろしパートではいよいよ華燭の典を挙げる2人が兄や父を見物人にチャペルのまん前で交尾&出産の不謹慎プレイで豪華にシメ。
かくもダイナミックな調教堕ちもの満漢全席を一読後残るのは激しい行為のもたらしたいくばくかの疲労感と、それにもかかわらず無事愛が成就し幸福な一歩が踏み出されたことによる深い安堵。連載中はあまりもえげつない絵ヅラの連発に離脱してしまった人も1冊通しで読み切ってみればきっと新たな感慨を覚えることだろう。現代日本エロ漫画シーンにおける作劇の先鋭化したその1つの頂点とも呼ぶべき怪作だ。レヴュワ要らずとすら言える詳細きわまりない自著解説とともにぜひ一読を推奨する。
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