話○ 抜◎ 消極小 総合○
級友男子の体内に封じられた魔王を復活させるため色仕掛けを開始する悪魔とそれを阻止すべく暗躍する彼の姉にして女教師でもある元魔法少女との飽くことなきバトル開始表題作長編全8話&描きおろし別エピソード。圧倒的な密度とスピード感で長丁場を駆け抜けるこの作家成年向け2冊めの単行本だ。
前単行本「あらいめんとゆーゆー」の刊行はじつに4年以上も前のことで、その処女作発売のすぐあとに今回収録長編の連載がホットミルクで始まったときはまさかこんなにコミックス化が遅れるとは思わなかった。いっときはお蔵入りも覚悟していただけにようやくリリースにこぎ着けてもらえて感慨ひとしお。
ダイナミックな構図を多用しかなり太めの描線を用いる独特のタッチはエロでも一般誌でもひと目でそれとわかるキャッチーなもの。永井豪系の暑苦しさを継承しつつ萌えっぽさを上手にまぶして現代風味にメタモルフォーゼ。髪型とか服装とかに少々やぼったさは感じるものの、そんなのがどうでもよくなるくらいパワフルで躍動感にあふれた筆致は魅力いっぱいだ。
このやたらと目の詰んだ絵柄でつむがれる物語はアニメやらゲームやら漫画やらのおたく的ガジェットをこれでもかとつめこみ変奏させて自家薬籠中のものとした一大パロの集積。キャラ設定や登場アイテムなどあらゆるところに細かく本歌取りが仕込まれそれらを援用しながら元ネタ由来のお約束をいちいちおちょくっていく。ストーリーの大枠としては魔女っ娘もののヴァリアントということになるのだろうが、これさえも正々堂々戦う悪と奸計をめぐらす正義という具合にその関係性を転倒させる仕掛けがなされており秀逸。まあそのすばらしきアイディア産出能力に比べ風呂敷をたたむ方のそれが若干追っつかない気配はありますが。
そんななかくり広げられるのは、かつての美少女戦士にしてお色気ムンムン天然ドS女教師である葉月先生と、魔界四大幹部のひとりでありきまじめ振り回され系眼鏡っ娘クラスメイトの上村さんとが小動物系ショタ・ゆう君のちんこを奪い合うセックス大戦。そこへ人間界/魔界の同僚たちがからんできてフィナーレはこの作家おなじみの全員集合大乱交。キャラの大半は目を見張る巨大バストを装備のうえ、尻や太股など下半身もそうとうにヴォリューミーなムチムチ無双なので画面はほぼフルタイム肌色世界。
メイン格のヒロイン2人がゆう君相手にガツガツハードにつがいまくる濡れ場は凡百のエロ漫画家たちが裸足で逃げ出す当代一の高密度ファック。乳もニップルも陰唇もすべてが大ぶりのエロパーツを存分に駆使して派手に体液を飛ばしマシンガンのように擬音や嬌声を放つ性の絨毯爆撃に読者の勃起中枢もショート寸前だ。
濡れそぼつ蜜壷にたぎる隆起を激しく打ちつけるたびに双の乳房をブリブリ揺さぶり甲高く咆吼するエロメスどもの痴態がたまらない。粘膜どうしをハイスピードですり合わせお口もアナルもすべての感覚器官を快楽にゆだねつつシャフトの往復を加速させれば彼女ら下品なアヘ顔さらして膣内射精を懇願する。灼き切れんばかりの抽送運動の最終楽章として目の前に拡がる子宮口のさらに奥深くへ大量のザーメンの奔流をお見舞いだ。
秘伝のタレに長期間漬けこんだ脂身へさらにコッテリ油をたらし焼いたのを食らうみたいにストロングな読後感は唯一無二であり、一読すればすっかりちんことまんこで大脳皮質が占拠されること必定。あふれ出るアイディアに対し尺が不足ぎみな点もなくはないがこの強烈なドライヴ感の前にはささいな瑕疵だ。どのページを開いてもすぐさま臨戦態勢に入れる実用度の高さは特筆すべきもので、強力無比な自慰表明支援ツールとして万人にオススメ。
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