-カタセミナミ「Loveぱにっく」コアマガジン ISBN:9784864360661
話○ 抜○-△ 消小 総合○
年上おねーさんのカワイイ部分を目いっぱい堪能短編9本+描きおろし漫画。端整かつ繊細なタッチで描かれるグラマラスなレディたちのスウィートなラヴ・アフェアを安定供給のこの作家が送り出す初単行本だ。
収録作すべての初出である「漫画ばんがいち」をまともに読んでいない俺はこの作家に関する予備知識をきれいサッパリ欠いていた。それが遠隔地在住のハンディをものともせず早期確保に動いたのはすばらしく扇情的な表紙イラストを発売予告の宣伝ページで目にしたから。ほのかに恥じらう表情といいエロ下着からはみ出すおっぱいの色艶といい2011年度第2四半期屈指のできばえ。すでに刊行前から広告の1枚絵でまず抜いてしまったのは内緒だぞみんな!
帯の謳い文句や巻末の著者あとがきで示唆されるように、作品のトーンは年下男子×年上女子のタイマンラヴでほぼ統一。女性作家ならではのオサレな筆致でものされるキャラたちは見目麗しいハンサム彼氏彼女の大バーゲンだ。このあたりは野郎的ノリをむしろ積極的に排除する方向にある「ばんがいち」ならではの芸風で、同じようにTL/BL方面の人材をどしどし起用する「ポプリクラブ」/「Pフラート」のマックスが作家に萌えシフトを指示するのとは対照的。
年齢の明記はないもののおそらく20代前半~中盤あたりと思われる女性陣はみなさんモデル顔負けの長身にボンキュッボンの日本人離れした肢体をこれでもかと誇示する。ほどよく筋肉のついたトルソから彫像のように美しく力強く張り出したバストやヒップの隆起がなんともフォトジェニックだ。
そうした完璧なヴィジュアルとは裏腹に、性格面では1本タガが外れていたり年甲斐もなく取り乱したりとほんの少しウィークポイントを持たせることでヒロインをキュートに見せてしまう配慮がなされているのがなによりすばらしいところ。作者本人の弁を借りると「ちょっとダメな年上彼女」という表現になるのだが、これにより我々オタ男子にもヒロインたちを手の届かない鑑賞品ではなく人間的な暖かみのある存在として認識せしめるのだ。ふだんはオトナな彼女らが恋に直面し不器用に一喜一憂する光景を目にして思わずほっこり股間はもっこり。
多くのお話ではそんなちょいダメレディースが年少男子の稚拙ながらもストレートな愛情剛速球にクルクル振り回されつつメイク・ラヴという具合にシークエンスはほぼ同一なのだけれど、職業や関係性のシチュを上手に違えてマンネリ感なく1冊読み通させてしまうのはさすが。酸いも甘いもかみ分け恋愛には百戦錬磨だったはずの彼女たちが駆け引きなしのド直球アプローチに心きゅんきゅんさせるさまがなんともかわいらしい。
とくだん奇抜なプレイなどない濡れ場だが、フィジカルなボディを惜しみなくおっ広げては大胆に乱れまくる痴態はなかなかにチンピク度高し。濡れそぼつ蜜壷めがけハードに怒張を打ちつけられるたびに表情をとろけさせ甘いあえぎ声を立てるのを目の当たりにして読み手の勃起中枢もクリティカルヒット。シメはご立派なお尻を抱えこみながらアダルトまんこの奥深くへたっぷり白濁液を種つけだ。
恋愛のリアリティ重視ゆえゴムつきフィニッシュが多くなり中田氏大好きっ漢の自分は一部抜き評価をマイナスしたが、たしかな画力のもとくり広げられる甘口イチャラヴの絨毯爆撃にすっかり脳髄までシロップ漬けだ。とりわけ年長女子のおちゃめな部分をじっくりねっとり味わいたい向きにはこのうえない贈りものとなろう。もうちょっと男子の感性に歩み寄ってほしい気分もなくはないものの、すでに作画/作劇とも最初から完成形のウェルメイドな逸品。
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