2011-12-06

本年度のガリオア資金。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-柚木N'「姉・コントロール」ティーアイネット ISBN:9784887744141
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

幼いころからあこがれの姉に想い人がいると知り逆上した弟は彼女に催眠術を施しその身体を蹂躙して表題作長編6話&描きおろし番外編+独立短編2本。凛々しいお姉ちゃんをちんこのことしか考えられないエロメスへと変貌させる光景が勃起中枢をハードヒットしまくりのこの作家最新刊は記念すべき通算10冊めのコミックスだ。
女性作家らしい美麗なタッチとまるでフォード・システムのごとく旺盛な良作量産能力とであっという間にメインストリームにのし上がった人。それなのに自分は初期の数作をレヴュったあとずっと遠ざかっていて、今回これがおそらく3、4年ぶりの購入。たまたまこの人のキャリア中盤あたりの数冊が私的嗜好と合致しないネタでスルーしているうちにどんどん縁遠くなってしまっていたのだけれど、今日書店でサンプルを見たところマイちんこにグッと響いたのでそのままレジへ。
以前この人の漫画を読んだときは端整な筆致ながらちょっと線が雑然としているかなという印象だったが、そのへんはかなり改善されてしっとりした情感が備わった感じ。またこれは以前からの美点だけれど、男子サイドの過度な美形化や筋肉のつき方がおかしいボディといった女流漫画家特有の悪癖がほとんどなく誰にでも受容しやすいのは大いなる加点ポイント。一般青年誌風の取っつきやすい絵柄とあわせてエロ漫画オタにとどまらない幅広い層へアピールできる人だ。
この訴求力の高いタッチでものされる女性陣は姉/年上系で売っている作家だけありふだんはもう少し年齢層が高いのだが、今回はメインを張る表題作ヒロインが高校生ということでアダルト色は若干薄め。また2つある短編の片方はめずらしく同級生ものだったりしてさほど姉スキーでもない自分もすんなり入れた。一方ボディデザインの方は頭身高めの巨乳寄りという万人受けのラインで最大公約数的なポジションに上手くミート。
お話の方はオーソドックスな和姦ラヴコメの読み切り2本をまず措くとして、なんといっても単行本のトーンを支配するのは冒頭からの長尺マインドコントロールネタ。催眠術を施す弟がそれを喜び勇んで実行するのではなく、後ろめたさを感じるまま運用しつつ想い人を思いどおりにする後ろ暗い快感にひたるというアンビヴァレントな感情をていねいに描き出すことで背徳感にあふれた雰囲気を醸成できているのだ。知らないうちに肉体の快感におぼれるようになった姉サイドもそれは同様で、深層意識のなかで生じた変化を上手く表層で認識できないことで彼女の心が徐々にむしばまれてゆく一連のシークエンスのヒリヒリした感触がたまらない。
さまざまな思惑が交錯する心理描写がもとより扇情的なエロシーンにさらなるスパイスとして働いてくれる。弟のセックスの道具としてフェラチオによるご奉仕にはじまり自分から秘所を拡げ怒張を飲みこんでは小刻みに嬌声をあげ快楽におぼれてゆく姉の痴態が読み手の興奮を効果的に励起。内奥を激しくこすられるたび全身をのけぞらせ端整な表情をすっかり淫蕩にとろけさす彼女はもはや一匹のメスだ。執拗に膣内射精を懇願されたっぷりと姉まんこにザーメンをぶちこんだその刹那ファイナルアクメを迎え、さらに事後荒い吐息をもらしながら法悦の態で横たわり余韻にひたるヒロインの艶姿がどこまでも淫猥だ。
かくも素晴らしき性の饗宴に愚息もご満悦だが、それにとどまらず柚木N'はさらに幾重にも物語にフックを仕掛け読者の視線をとらえて放さない。施術する側もされる側もこの強烈な体験ですっかり心に変調をきたした結果巻き起こる因果応報へもこの作者は容赦なく筆を走らせる。詳細についてはやはりみなさま自身で本編をあたっていただきたいが、彼ら彼女らにとってあの結末は果たして不幸なのか幸福なのかふと考えてしまう。
表題作はストーリー構成として完全無欠というわけではないが(姉弟以外を介在させたのはいささか蛇足では?)、MCという題材に真っ向から立ち向かった渾身のストレートであることは疑いなく、それに附随して抜きツールとしての完成度までもがさらに高まった力作。これと比較してしまうと短編パートはどうしても軽さを感じてしまうもののこちらもエロ漫画としての要求水準は充分にクリアしており、ちんこのお供としてはほぼ文句のつけようのない凄玉だ。ずいぶん長いことこの作家からは距離を置いていた自分だけど、これを契機にまた継続的に作品をチェックしていきたい所存。

0 件のコメント:

コメントを投稿