-向正義「銀竜の黎明 Vol.4」フランス書院 ISBN:9784829679128
話△ 抜○ 消小 総合○
栄光を誇った女性だけの武装師団も潰滅寸前に追いこまれ、隊長救出に向かった最後の隊員たちもついに敵の手に落ち恥辱の限りを尽くされて……表題作長編12話(第28-最終話、完結)。長らく刊行が中断していたファンタシー凌辱調教の第一人者の代表作をようやく完全形態でお届けのこちらは通算としての第10単行本となる。なおいちど絶版となったシリーズ既刊3冊も今回のリリースに合わせ1巻/2巻/3巻まとめて復刻されているので、この本を読んでグッときた方はさかのぼってイッキ買いするもよし。
1990年代なかばのデビューからいくつかの例外を除きほぼ中世風世界舞台に気高き淑女がほしいままに肉体を蹂躙されいつしか情欲の虜となってゆく問答無用の堕ちものエロばかりを世に送り出してきたこの人が、その総決算的なロングラン凌辱ストーリーたる本作をいまは亡き「COMICパピポ」で連載しはじめたのがおよそ10年ほど前。2004年初頭の単行本1冊め発売時はそもそも当ブログ開設前だったが、その後2冊めおよび3冊めのときはこちらでレヴュらせてもらった。3巻のラストではドーンと次巻予告も出ておりこのまま順調に完結するものとばかり思っていたけれど、まさかそこから5年以上も待たされるとは……。
端整なタッチと緻密な描きこみでつむがれる頭身高めボディに伶俐なルックスのヒロインたちは美麗のひとこと。ただ登場したときからけっして新しいとは言えなかった絵柄が2012年のいまとなっては輪をかけてオールドファッションに見えてしまうのはいたしかたない部分。劇画的泥くささがないのが救いだとはいえ、萌えとかそういうのをお望みの御仁には速攻回れ右推奨。
前巻からあまりにも間隔が空きすぎたため既刊を手放してしまった読者も多かろうと冒頭からズラズラと文字を連ねた詳細登場人物紹介と既刊あらすじが提示されるので、ストーリー理解のハードルは思ったほど高くない。もっとも隊長やら幹部やらの大物クラスはすでに2巻終了時点でさえほぼ陥落しており、さらに3巻で中間管理職級も総ざらいしちゃったので今回はいってみれば敗戦処理に登板したピッチャーまでメッタ打ちに遭っているようなもの。よってお話的にはどうしても薄味にならざるを得ないし、それをおぎなうはずのラスボス開示&真相暴露も思ったよりインパクトがなくていささか消化不良感が残る。あいかわらずの勧悪懲善エンドにはニヤリとさせられたけれど、物語の緊迫感を維持するには歳月が経ちすぎたとの思いを強く。
一方で向正義のもうひとつの柱であるヒロイン強姦メス奴隷化プロセスについてはあいかわらずの冴えを見せる。人間としての尊厳を容赦なく奪ってゆく一連の行為をねっとり執拗に描写し、それによりビフォー/アフターの残酷なまでの対比をイヤというほど見せつけるさまがたまらなくスリリング。前述のとおりお姉さま方はすでにちんこのことしか考えられない淫蕩なメスとなり果てているので、今回おもに餌食となるのは終盤まで惨劇をまぬがれていた若年組の隊員2人。ツリ目ショート強気女子・リタの凌辱パートはまるまる描きおろされ、最年少の見習いロリっ娘・シアについては処女喪失以後の場面が加筆されている。俺的には前半部の重鎮たちよりそれこそが読みたかったので我が股間のジョイスティックがフル勃起ですよ!! その他隊長や王妃さんの淫売プレイやらショタっ子に服従を誓わせられる屈辱など人権蹂躙のオンパレードに君のほの暗い情欲もすっかり昇華されること必至。
精神と肉体を意のままに操るアイテムを体内に埋めこまれ行動を完全に制御されたヒロインたちは、いちど凌辱されたのちは下々の者にまでおのが身体を開き肉便器となることを強要される。みずからたぎる怒張へ腰を沈めてゆき乱暴に胸を揉みしだかれながらこみ上げる快楽に身もだえしだらしないアヘ顔さらすさまはとても気高き騎士のそれとは思われない。胎内へなん度も白濁液を放たれながらなおも膣内射精を求め股間をおっ広げたまま淫語をたれ流し続けるメスどもには総仕上げとして不特定多数のちんこから分泌物の奔流をお見舞いだ。
可能ならば連載終了直後の熱さが失われぬうちにこの巻を読めていればとの思いは残るものの、お蔵入り濃厚だったこちらを正統な形で手にすることができた僥倖にまずは最大限の感謝を。巻末著者あとがきによるとどうやら作家活動を継続してくれるとのことなので、今後の新作発表にも激しく期待したい。自分としては前世紀末~今世紀初頭あたりのこの人やたいらはじめの精力的な活動があったからこそ以後のファンタシー凌辱漫画の隆盛があったと思っているので、当ジャンルのオーソリティからこうしたポジティヴな発言を聞けたのが今回最大の収穫。
はじめて書きこませていただきます。向正義先生、なつかしいです。わたしはどちらかというとファンタジーものよりモダンものが好きでしたが・・・・やはりファンでした。ああ向先生。またお見かけするとは・・・・・うれしいです。実に。
返信削除うれしいのですがちょっと不安でもあります。最近、古い作品が数多く復刻されていますので。銀竜も、続刊というより復刻版に近いのでは。古い作品を蘇らせるということは、エロマンガの世界でも有望な新作が少なくなってしまったということなのでは。
>匿名様
返信削除はじめまして。コメントいただきありがとうございます。本作の連載自体はとうに完結していたのに単行本化が中断したままだっただけに、ようやく手にすることができて自分も感慨ひとしおです。あとがきでは現役続行宣言もあったので今回だけでなくきっと今後も期待できるはず!
復刻などについてですが、仰るとおり(とくに電子書籍では)そうしたケースが増えてますね。ただ新刊刊行数も毎月数十冊が確実にリリースされるいまの状況であれば、有望作も続々出てくるはずだ……と自分はいくらか楽観的に構えています。今月もヴェテランの貫禄の師走の翁先生、期待の新星らんち先生と大作が目白押しでしたし、そうした盛況に少しでも加勢すべく日々レヴュウに励みたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
お返事ありがとうございます。先日、ある物書きさんが
削除「電子書籍はお金にならないんですよ。儲かるのは女の人向けエロ漫画くらいで」
と、ぼやいてるの見かけまして。胸を痛めていたのですが・・・・・たしかに、近所の信長書店を覗くとまだまだたくさん刊行されていますね。微力ながら、紙のエロ漫画を支えるべく力を尽くすつもりです。
管理人さんもamazon派でしょうか?わたしは(旧式の人間ですので)普通の本屋で買うほうが好きなのですが。
amazonもたまに使うのですけど勝手知ったる作家のデフォ買いの場合のみですね。性的嗜好がわがままなもので見本チェックできないと新規開拓もままならず、そうなると自分もやはり本屋さんメインになります。
返信削除向先生現在は電子書籍で「レティエスの導き」という漫画を書いてますね
返信削除ジャンルは今までありそうでなかった悪堕ち
銀竜小説版も挿絵付きの美少女文庫で再販&完結編も出ないかなあ