-ありまなつぼん「いんらん少女辞典」久保書店 ISBN:9784765935098
話○ 抜△ 消小 総合△
スチャラカ淫魔とアホっ子猫娘に囲まれ能天気えっちライフ連作(既刊より継続シリーズ)2本+クラスで浮いている無口地味っ娘の見せる意外な一面連作2本+フラれた女子に復讐を誓う主人公の声を聞き登場したのは……連作2本+教え子に媚薬を仕込んでゴチになり教師ご満悦正続編+独立短編4本(うち1本描きおろし)。キュート&ラヴリィな絵柄でもって脱力ギャグを連発する奇妙なミスマッチがまいどすばらしい作者3冊めのコミックス。
前単行本「快楽少女」の刊行からはじつに4年以上ものインターヴァルが空いてしまったが、ド直球の売れ線に徹すれば萌えエロ界で天下を獲れそうなタイプにもかかわらずあえてヘロヘロの変化球ばかりを投じる独特の作風はあいかわらず。今回も気合い入りまくりのかわいやらしい表紙で無垢な読者を釣る気満々だ。
商業ではいわゆるテーマアンソロジー本を中心に執筆しており、今作もこの版元より定期刊行の「ぺたふぇち。」掲載のものをおもに収録。ただ著者あとがきで「古い原稿が混在して」とあるのだけれど、初出一覧がないせいでその変遷を時系列でたどれないのは難点。そりゃ「ぺたふぇち。」を全部読んでいれば問題なく理解できるのかも知れないが、そうでないユーザーのためにできれば編集サイドの配慮がほしかったところ。
ともあれ一部人外さんを含めヒロインはみな華奢な手足と比較的ささやかなお胸、そしてなにひとつ視界をさえぎるもののない平滑仕上げのスリットをお持ちのアリスたちで造形を統一。少女漫画テイストあふれるファンシィな筆致でものされるつぶらな瞳とフワフワのおぐしがたいそうコケティッシュだ。そんなお人形さんのごときヒロインが濡れ場では一転アンアンあえぎまくるのだからたまりまへんな! と他の漫画家のレヴュウならば書くところなのだけれど、この人の場合は……w
シリアスに終始したりエロ漫画的セオリーを遵守した作品も少数派とはいえいくらかあるのだが、ありまなつぼん作品の主流であり真価を発揮するのはそうした定石をひっくり返しおちょくり倒すギャグ展開。といってむやみにテンション高く笑わせに走るのではなく、シニカルに嘲笑したりギャフンオチに持ちこんだりのオフビートなノリにニヤリとする感じだ。さすがに本番まっただなかでは自粛しているものの、導入部や事後はみなこのアホアホ時空が支配するのでどうしても興奮が阻害されがち。ちんこを活用するうえでは非エロパートの印象をきっぱり断ち切るべく心理的操作が要求される。
首尾よく脳内モードの切り替えに成功しさえすればエロシーンの実用性はなかなか高く、ちびっ娘まんこをたぎる怒張でハードに貫き倒す絵ヅラがたいそう扇情的だ。日常のあどけない表情がみるみるメスのそれへと変化しトロトロのイキ顔さらしながらアヘりまくる光景がアモラルでよろしい。激しく腰を使わ続けて歓喜の極みに達し涙ながらに膣内射精を懇願する彼女の幼い子宮の奥底へ最後は大量のザーメンを叩きつけて征服完了だ。
毒入りの黒い笑いが随所に仕込まれているぶん抜きツールとしては夾雑物が増えて心もち採点をマイナスしてしまったのだが、他に並ぶもののない独特のセンスが炸裂するさまは単純に読んでておもしろい。あたかもらぶらぶえっちの最中に屁をこくのにも似た台なし感をぜひ今後も貫いてもらいたいものだ(ホメてます)。今回収録のものではギャグがカオスすぎて不条理の領域に達している「傷ついた分だけ優しくできるよとか真に受けない方がいいんだぜ」/「ピリオドのこっち側。」連作がまずお話的に、それから抜き的にはロリ猫耳っ娘をじっくりねっとり逝かせまくりの「narrow cube」がベストチョイス。
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