-白羽まと「Two Loveるう」キルタイムコミュニケーション ISBN:9784799202739
話○ 抜△-× 消小 総合△
もちもちボディをハードに駆使しながら少女も両性具有っ娘も仲よくつがいまくり短編9本+巻末イラストギャラリー8P。ヒロインたちがジェンダーの垣根などあっけなく飛び越えてひたすら快楽享受にいそしむ光景がいっそあっぱれな作者初単行本だ。
ところでふだんは今作のようなふたなりものなどは真っ先に回避しレヴュウの俎上に載せることは基本的にないのだが、この作家については現在の本拠地であるアンリアルに来る前にコミメガでごくオーソドックスな男女和姦ネタの漫画を執筆しておりそれが個人的にドストライクだったのだ。ゆえにコミックス刊行の話を聞き真っ先にウィッシュリストに入れた次第。結局すぐにコアからはいなくなりしばらくのちKTCに安住の地を得ることになったのだけれど、まさかこんな形で芸風が超進化するとは……。
顔よりもデカいおっぱいをドーンと誇示した美女2名が絡みあいながらお出迎えの表紙は店頭でのインパクト抜群。柔和なタッチのアニメ絵は非常に親しみやすいもので執筆時期による絵のブレもなく初単行本らしからぬ安定度を誇る。人外さんが多いので年齢は不詳だが人類だとハイティーン相当くらいの感じで、ボディデザインはほぼ頭身高め乳大きめお尻デカめの過剰なラインで統一。しかしながら後述するように半数以上の女子にはその股間に本来あり得べからざるものが付属しているのが白羽まと漫画最大の特色だ。
なんら隠し立てなどせず帯や裏表紙のコピーで大々的に謳うとおり、物語はほぼ全編オンナノコ×ふたなりオンナノコのレズネタに終始する。女装男子とはいえ唯一真っ当なオスの登場する短編「おねねのTSローション」ですら途中でいつの間にか性転換してしまうくらい徹底して男キャラを忌避しているのを見ると、作者はなにやら難儀なコンプレックスでも抱えているのではとつい邪推。逆にこんなに性癖のあからさまな人がカムフラージュにせよよくふつうの男女エロを描いてたもんだなあと感心しきり。
そうした基本設定以上に圧倒的なのが各話さまざまに施された趣向の多彩さ。和姦/強姦とかいう単純なくくりではとらえきれない不思議なテイストのラヴ模様をくり広げるその際の多種多様なガジェット乱れ撃ちの密度のまー高いこと。魔法少女やらスペオペやら学園ものやらゲームネタやら古今東西のアニメ/オタアイテムを縦横無尽に引用しては脈絡なくそれらのミックスをくり返してストーリーをすっかりカオスに彩る独特の進行は読みづらさもあるもののクセになる濃ゆさだ。
そうした混沌具合はエロシーンに突入するといっそうドライヴがかかる。ただでさえ大ぶりの肢体が枠線からホイホイはみ出して画面いっぱいに拡がる光景はひたすらゴージャスで、そのうえアヘ顔やら擬音乱射やら性器断面やら液汁過剰分泌やらのエロ記号がみっちり詰めこまれるのだからせわしないことこのうえない。
女の子どうしふたりして巨大なバストをすりつけあいながら1人が股間から暴れん棒をまろび出してさっそく充血したビラビラをかき分けフェードイン。激しく粘膜どうしを打ちつけあい両者涙とヨダレにまみれてよがりまくりだ。ダイナミックな抽送がどこまでも続きリズミカルなアヘ声のツインヴォーカルはさらに甲高く。2人して絶頂に達したその刹那ふたなりちんこから白くねばつく液体を大量に種つけして彼女らは永遠の愛を誓うのだ。
濃いめのグレイスケールを用いる画風でないぶんまだ救われているがこの情報量の多すぎる作画は脳みそがキャパオーヴァーで破裂しかねないシロモノで万人向けとはとうてい言えないものの、それだけにいったんハマると離れられない発酵食品のような味わい。筋金入りのヘテロセクシュアルでふた×ふたとかだとまったく使用不能になる俺ゆえ抜き評価は下げてしまったが(作者さますいません)、そんなものは障壁どころかご褒美である多くの方は採点250%増しで。当初は他社執筆のノーマルエロも収録してあればなどとわずかながら期待して本書をオープンセサミしたのだけど、ここまでさわやかにブルータルな両性具有の王国を展開されるともうなにも言えないです。こうなればアンリアル内ですら突出したこの変態ぶりを前人未到の領域まで極めつくしていただきたいものだ。
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