2012-09-24

今月のアコースティック・ライヴ。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-茶琉「露出少女遊戯(上)(下)」オークス ISBN:9784799003282 ISBN:9784799003510
話○ 抜○-△ 消極小-無 総合○

品行方正な仮面の下に露出癖を隠し持つヒロインはあらゆる場所で幼い裸体を人目にさらし行為の変態度もますますエスカレート表題作長編11話&番外編2本(前日談/後日談)。あどけない少女が奇抜な全裸プレイの数々にチャレンジしては羞恥と興奮で未成熟な肢体を火照らすさまがたまらなくインモラルな作者商業初単行本は堂々の2冊組だ。なお正確には1か月前に上巻が発売となり今月に下巻刊行とリリースはズレているのだけれど、内容的には不可分で片方だけ購入してもほぼ無意味ゆえセットでの評価を実施する。
もともとこの作家は今作タイトル・チューンの同人誌シリーズで知った人で数冊購入経験もあるものの、商業誌で描いているのを拝見したことはまったくなし。よって今回のコミックスの話を耳にしたときは「どこで連載持ってたんだ?」と内心驚いていたら、要は同人再録でござったか!
ともあれこちらは作者のライフワーク的存在である表題作の薄い本たちを上下2分冊にしてほぼまるごと収録(総集編描きおろしなどを除く)。またこのコミックス用の独自描きおろしパートも用意して同人誌版所有者にもコンプリート欲を喚起せしめる心憎い構成だ。そのほかにも商業単行本化によって修整が大幅にゆるくなっているのもオススメポイントで、申しわけ程度の極細白線消し(それも消し忘れ多数)でティーンエイジまんこを思う存分堪能できる。
古すぎず新しすぎずのオーソドックスなアニメ絵で描かれる女の子はなかなかにキュートで、思春期入りたてロウティーンのほっそりした手足や胴体が育ちかけ感をより強調しておりグッド。頭身そのものは高めながら10代女子のあどけなさ/初々しさをよく出せていると思う。キャラの描き分けにはやや難があり、またトーンワークが淡泊でお肌の質感がいまいちだったりという具合に超絶画力タイプではないものの、この適度な稚拙さがマニアックな題材との相乗効果を生んでむしろ扇情的かと。
物語は表紙にも登場の中学1年生ヒロイン・ひかるがみずからの裸を見せたい/見られたいという気持ちを抑えきれずさまざまなシチュで露出プレイにいそしむというイヴェント数珠つなぎ方式を採用。もとより短編連作形式で発表されたものだけに各回多彩な趣向を仕込んでおり読者を飽きさせない。無数の名もなき目撃者におのが肉体をさらすそのさなか、ヒロインの理解者たる同級生男子やその幼なじみなど彼女のその後の人生に大きな影響を及ぼす人たちとの交流をバックグラウンドでコツコツ積み重ねてゆく構成の妙が光る。
本作のメインディッシュである全裸露出シーンは当然抜き用として設計されているのだが、特徴的なのは通常のエロ漫画ならば欠くことのできない性器挿入パートがほとんどないこと。下巻の最後あたりに申しわけ程度のセックスシーンは存在するものの、ちんこまんこの往復運動に割く情熱はヒロインが全裸で街を疾走するそれへの1/100もない義務的なものだ。男根原理主義者の自分はここが引っかかってこの作家の同人を途中でギヴアップしたのだけれど、今回まとめて読むと挿入シーンなど蛇足でむしろ完璧に除去されていた方が物語の純度は上がるのではないかと思い直したり。
てなわけで読者の陰茎をダイレクトドライヴさせるのはもっぱら衆人環視のなかハダカを見せつけたりおずおず身体を触らせたりしながら恥ずかしさを脳内で快感へと転換し激しくイキまくるヒロインの痴態。夜の街角で、学校で、海で、お風呂で、麻雀で、公園で……どんな場所でもおかまいなしにほんのりふくらみはじめた乳房を寒空にまろび出し、すべすべのスリットを自分から開きピンク色に光る淫肉をご開帳し、ねめつくような視線を受けとめながら彼女はしびれるような背徳感と解放感にまみれつつ幾度も絶頂に達する。
過去にも露出ネタを好んで描く漫画家は少数派ながらもそれなりに輩出されていて、たとえばパッと思いついたところではきあい猫やむらさき朱などがいる。しかしながらその多くは性交こそがゴールであり露出はそのプロセスであったのに対し、これほどまで本番を軽んじた、逆に言えば露出そのものに特化した作家は特異な存在。訴求対象は思いっきり狭くとうてい万人向きではないが、多種多様なストリーキング満漢全席にはひたすら圧倒される。巻末著者あとがきによるとすでに続編も同人で発表されているとのことで、願わくばそちらもぜひ商業作品としてコミックス化してもらいたいもの。

0 件のコメント:

コメントを投稿