2013-04-03

今季のトゥエルビ野球中継。

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-しのぎ鋭介「揺れる濡れる」ワニマガジン社 ISBN:9784862692405
話○ 抜○-△ 消小 総合△

鼻つまみ者の父の手で酒代がわりに身体を売らされる少女はあきらめにも似た気持ちで刹那的な快楽におぼれ連作4本+♂2人×♀1人の奇妙な肉体関係はいつまでも続き本編&描きおろし後日談+幼なじみ男子が故郷を離れると知ったヒロインはとある行動に出て本編&描きおろし後日談+独立短編5本+フルカラーショート1本。端整な筆致でものされる清楚な大和撫子'sが艶めくイキ顔さらして乱れまくるさまがなんとも淫靡な作者3冊めの単行本は当レーベルでの初お目見えだ。
前作「委員長の恋人」がティーアイネットより上梓されたのが4年前とえらくインターヴァルが空き、なかばその存在を忘れかけていたころに新刊予定リストで本作の発売告知を見つけ思わずなつかしさで胸がいっぱいに。ちょっとググってみると成年誌のほか非エロのお仕事もしているようで、そのせいで執筆ペースに若干ブレーキがかかったのかも。
巻末の短編1本を除き「COMIC快楽天」掲載のものを集めた収録作品は2007-13年と初出年代はえらく幅広いが、オーソドックスな一般青年誌調の絵柄はわりと早い時期で固まっており新旧の差異はあまり気にならない。リアル寄りではないがディフォルメ少なめのプレーンなタッチはいい意味でケレン味のない地に足のついたもの。最初から完成形の作家を好むワニ編集が比較的勢い重視の執筆陣の多いTIから引っぱるとしたらたしかにこの人だろうなーというセレクトではある。
ハイティーン~20代中盤あたりの黄金世代ばかりの女性陣は頭身高めのスリムなボディに漫画的誇張ではないほどほどの巨乳がプラスされた万人受けのヴィジュアル。端整なその絵柄にはとりわけ黒髪ロングのピュア日本人的なキャラデザインが似つかわしく、その手の女子をお好みの方には大いにオススメ。
このクリーンな作画にふさわしい甘口寄りの純愛ものをこれまでは多く描いてきたのだけれど、今回はめずらしくかなりダーク志向の売春少女ものがコンテンツのメイン。著者による作品解説では「拒否反応があって」と述懐しているが、個人的にはこういう影のあるお話も充分にマッチする絵柄だと思ってたのでこの路線を展開するのはまったく文句ない。因習に凝り固まった息の詰まる人間関係が昭和テイストのどこかなつかしい情景をバックにつむがれるさまがどうしようもなくドメスティックジャパン。とはいえ従来型のオーソドックスなラヴコメも用意して既存読者を必要以上にとまどわせない配慮はさすがだ。1on1のイチャラヴから3Pに乱交と性愛のヴァリエーションも多彩で読者を飽きさせない。
物語主導型でエロシーンは決してド派手ではないが、うっすら汗を浮かべながら身体を重ねあいしたたかに性器どうしを打ちつけあう淫靡なセックスがじわじわと勃起中枢に染みわたる。奇抜なギミックなしにひたすら肉体の交わりにフォーカシングしつつ熱に浮かされたように紅潮するヒロインのアクメ顔を随所に挿入し巧みに興奮を励起せしめるのだ。グチャグチャに表情を崩すわけでもないのにほんのひとすじお口からよだれが垂れる繊細なイキっぷりがなんともエロティックなのですよ。
ちっちゃなお口に男のモノをおずおずと含みじっくりねっとりご奉仕ののち腔内でたっぷり精を受けとめる。おっきも収まらぬうちに彼女は濡れそぼつ蜜壷にみずから指を添えくぱぁとご開帳して万全の受け入れ体勢だ。ひとしきり怒張をインサートしうねる膣内を貫けばたちまちほおを朱に染め小刻みに嬌声を発してヒロインは快楽享受に専念。いっそう激しい抽送を懇願しながら表情をとろけさせる彼女の膣内へ白くねばつく液体をビュルビュル放出だ。
個人的には10代女子に比べ大人ヒロインもので若干使い心地が後退して評価をいくぶんマイナスしたが、しっとり叙情派ストーリー&しっぽり燃える濡れ場はどこか和風テイストで他にない味わい。今後もラヴラヴにとどまらない懐の深さをことあるごとに見せてもらえれば重畳きわまりないところだ。収録作のなかではどこか投げやりとも取れるヒロインの言動のその裏の切なさまでをセンシティヴに描写の「虜囚」/「旅愁」/「狂宴」/「終宴」4部作がやはり白眉。

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