2013-04-22

本日の窒息事故。

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-モチ「死なずの姫君」ワニマガジン社 ISBN:9784862692443
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

吸血少女も彼女のママもライヴァルも自分の義妹も主人公のちんこパワーでガツガツ征服ゴリゴリ種つけ表題作長編9話&描きおろし前日談/後日談。超高密度のヴィジュアルに16ビートの淫語連射が加わっての恐るべきハイパーエロス絨毯爆撃に読み手は無条件降伏の作者これが処女単行本だ。
その圧倒的にパワフルな作画とキレキレの言語芸はまたたく間に好事家の話題になっていたものの、なかなかコミックス刊行の話が具体化せず皆をやきもきさせていた人。そこにコア→ワニ移籍騒動などが加わったものだからよけいに刊行が遅れたものと見え、第1話が2008年に「コミックメガストア」へ掲載されてから今作発売に至るまでずいぶん長い月日が過ぎ去ってしまった。あまりに歳月を費やしたものだから本の中身もいろいろとたいへんなことになっているのだけれどそれは後述。
フラットな裸体を惜しみなくさらした麗しき美幼女がなにやら企むような眼でこちらを見つめる表紙のインパクトに負けず劣らず、中身の作画もたいそうビューティフルだ。どこか頽廃的でゴシカルなそのタッチは華やかさとキュートさを両立させたスグレモノ。ただし一読するとわかることだが、第1話と最終話とで同一人物のはずの女の子の姿がまるで別人に見えるほど執筆時期の新旧で極端に絵柄が変化している。どうやらターニングポイントと思われる中盤以降、ことに8話からあとは顔立ちのみならずヒロインの体型までメタモルフォーゼしてしまったかのようだ。カヴァーイラストと同じ感覚で読めるのはうしろの方だけなので可能ならば店頭見本かウェブ上のサンプルを吟味したのち購入可否を判断するのが望ましい。
そんなわけで当初比較的グラマラス系の肢体描写でスタートした女子連中は終わってみたらみんなロリっ娘に化けていたというだまし絵のような展開が待っている。年齢的にはハイティーン+ロリババァだけどほぼ人外さんばかりだし前述のとおり融通無碍に体型が変化するのでお歳にこだわるのは無意味。まああまり深く考えずに1冊で巨乳も貧乳も楽しめるのだとあるがままを受けとめるのがよろしいのではと。
物語は最近あまり見なくなったファンタシィ風味ハーレムラヴコメで、本命ヒロインのほか次々と別の女子が参戦して主人公ウハウハのオーソドックスな構図だ。基本的に女の子を逐次投入してはその娘とファックというイヴェント串団子なのでお話的コクは正直あまりなく、ラノベ等で同様の設定をテクストに起こしたなら無味無臭の凡庸なデキになりそうではある。しかしながらここにモチ特有の美麗きわまりない筆致となかば気違いじみた科白まわしがプラスされることによって、それを相殺しなおあまりある魅力がかもし出されるのだから不思議。
大量に飛び交うオノマトペやごっちゃり猥雑な流線の数々、そしてなによりも行為にいそしむ間の珍妙な発話たちに満たされた濡れ場がモチ漫画の最大の特色にして真骨頂だ。巻末著者あとがきによるとオナホとのセックス中に思いついた淫語をダイレクトにぶちこんでいるようだが(ほんまかーリアル彼女じゃねーのかー)、むやみやたらと豊富な語彙といいグルメ漫画の味覚解説めいた口調といい読者の脳髄をいちいちえぐってくる。「粘っこ生ザーメン」だの「よりどりみどりの生膣食べ放題」だの、文字だけ取り出すとギャグにしか見えないそれも熱気うずまくファックのさなかに発せられると一躍真摯な愛のメッセージへと転化するのだ。
ぷにぷにまんこを激しくまさぐりながらすべすべボディに舌を這わせるとたちまち彼女らトロ顔さらして呼吸を荒くする。すぐさま暴れん棒を秘密の花園へこんにちはさせてハードに腰を打ちつけつつ2人してエロワード言論大会開催だ。ほとばしる淫語と擬音とをBGMにしながらいろんな汁分泌させてよがり狂うヒロインの痴態が猥褻きわまりない。しきりに孕ませ志願してくる彼女のコンパクトな子宮へ2度3度4度と白くねばつく液体をぶちまけて種つけミッションコンプリート。
極度に不安定な作画に勢い重視/整合性軽視の作劇とウィークポイントは山積しているものの、物語最終盤に来て絵のグレードがさらにワンランク上がり壮絶な色気がキャラに加わってとその急成長ぶりを目の当たりにしたので、今後へ向けていっそう期待も高まろうというもの。願わくば角を矯めて牛を殺す愚を犯さぬよう、みずからの長所は大事に持ち続けてもらいたい。あと個人的にはこの色っぽくなった直近の絵柄でまた巨乳キャラも描いてくれればと思ったりもします。

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