2013-06-18

今夜のなめだるま親方。

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-四葉チェルシー「放課後NTR」リイド社 ISBN:9784845844937
話△ 抜△ 消小 総合△

彼氏の欲求をかたくなに拒む奥手女子と毎日のように性的暴力を受け続けるいじめられっ娘、2人の少女の運命はやがて変転し……表題作長編8話&ダブルヒロイン描きおろし後日談×2。清楚な顔立ちのJKたちがドロドロの情欲曼荼羅へと堕ちてゆく一部始終をヴィヴィッドに描き出す作者初のコミックスだ。
収録作すべての初出であるweb配信誌「comicクリベロン」(なんちゅうえげつないタイトルやw)は購読しておらず作者に関する予備知識もなかったのだけれど、今春から当レーベルの単行本刊行がはじまっていていずれラインナップからどれか試し買いしようと考えていたのでこのたび初挑戦。これに限らず最近はコミックス化するまでいっさい紙媒体としては出てこない作品が本当に増えて、エロ漫画フリークをやり続けるにはつらい時代になってきたのう。
表紙/裏表紙だけ見たときはオーソドックスな当世風のアニメ絵っぽい第一印象だったのだが、中身の白黒原稿はハッキリと少女漫画由来とわかるタッチ。ググっても作者に関する情報がぜんぜん出てこないので断言はできないのだけれど、本来はBL/TL畑で活躍している女性作家が男性向けに移行もしくは兼業の形を取っているのではなかろうか。ちなみに他のクリベロン執筆陣もエロ漫画家について多少は知ってるつもりの自分がまったくなじみのない名前がズラリと並んでおり、こちらの編集担当も元来は女性向け漫画をメインフィールドにしていたのではと邪推。
この世知辛いご時世に堂々とセーラー服少女を前面に押し出すカヴァーイラストが示唆するとおり、登場する女の子はピチピチのJKオンリー。といっても抜きキャラとして君臨するのはわずか2名で、黒髪カチューシャ清楚系メインヒロイン・二宮マリおよび茶髪二つ結び陰気系サブヒロイン・成瀬美冬の両者が君たちのちんこの慰安に貢献する。
物語はそんな彼女たちがイケメン生徒会長・日泉先輩をめぐってくり広げる愛憎大盤振る舞いバーゲンセール。初登場シーンからさっそく輪姦されてる成瀬さんはともかく、当初は夢見る乙女ティックなノリの二宮さんまでがゆがんだ欲望のとりことなりおぼれてゆくさまはまるでベタな官能小説のごとし。絵柄はわりとさわやかなのにキャラたちはどんどん狂気を増してゆくこのギャップがある意味ステキだ。
帯のコピーで大々的に訴求するとおり、エロシーンは凌辱系プレイの在庫一掃大安売りの趣。輪姦強姦近親アナル放尿調教とありとあらゆる行為を堪能できる。むろん単行本タイトルにはいつわりなくNTR描写もてんこ盛りで、メインヒロインが彼氏以外の男にガッツリ犯され望まぬまま絶頂を迎えるに至る一連のシークエンスを大量投下だ。ただ最後のオチはひとひねりしてちょっとモヤモヤした着地の仕方をするので、寝取られ男の呆然としたツラを目にして溜飲を下げたい向きにはよろしくないかもしれない。
抜きシチュの豊富さやメインキャラ3人の狂気のドライヴぶりはなかなかではあるのだけれど、いまどきのエロ漫画としては女体のトーンワークが淡泊でやや艶っぽさに欠けるのは減点要素。あと野郎キャラはヒーローたる日泉先輩を除きみなキモオタor汚っさんで性交場面での感情移入がいささか削がれがち。女性向け→男性向け転向に関するメソッドの好例は同業他社にあふれているので、こちらの編集/作家陣にはそうした先達の試みのよい部分を今後積極的に摂取咀嚼していただきたいところだ。

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