-Dr.P「ももいろデイドリーム」竹書房 ISBN:9784812483237
話◎ 抜△ 消大 総合○
ふとしたことでお近づきになれた女性に対し次の一歩がなかなか踏み出せなくて……連作2本+短編7本+巻末描きおろし後日談漫画。マークなし。ヴァラエティ豊かなもっちりっ娘どもと甘く熱くはじめての夜を過ごすドキドキラヴてんこ盛りでお送りする作者第5単行本は初のnot成年仕様にして当版元からの初見参だ。
これまでは故「COMIC桃姫」-「COMICペンギンクラブ」系列でずっと執筆していた人で、前作「僕んちのミカゲさん」をはじめ過去4冊のコミックスもすべてそれらの書籍刊行元である富士美出版からのリリース。それがいつの間にかそのあたりの雑誌から足跡を消し、いまでは竹書房の「ナマイキッ!」にすっかり籍を移した形だ。自分の観測範囲だと同誌はなかなか入手機会に恵まれないので、今回の収録作は初見のものばかり。
ムダに描線を増やさずスッキリと健康的にまとめた少年漫画系のタッチにほどよく艶っぽさを附加した絵柄は非常に好感度が高く、この作家の得意とする明朗快活エロスにはまさしくジャストフィット。若干太めの描線に丸っこい筆致でもって表現されるほどよくお肉の乗ったキャラたちが原稿用紙の上でヴィヴィッドに躍動する。
必然的におにゃのこ連中はいかにもお肌のやわこそうな健康優良児タイプばかりがそろい、巨乳さんはむろんのこと若干バストが見劣りする娘でさえ貧相さとは無縁のメリハリの効いたプロポーション。とりわけムッチリと肉置きのよい腰まわり~お尻~太もも近辺に至るマッスの存在感は圧倒的だ。コンビニ誌のレギュレイションに合わせてハイティーン中心の既刊よりヒロインの年齢層がいくらか上昇しJD~社会人となっているのが10代大好きっ漢の自分的には若干残念ではあるけれど、いずれも劣らぬ魅惑のたゆたゆボディを前にしてひとしきり顔をうずめたくなる衝動に駆られるのは男子ならばやむを得ないところ。
Dr.P作品最大の魅力である女の子のチャーミングな造形にはますます磨きがかかり、今回出演する8人もそれぞれおっとり残念系/極悪目つき人見知り女子/「っス」口調元気っ娘/豪快姉御タイプ/猪突猛進ショートへアっ娘/銀髪褐色異人さん/スレンダー男装麗人/黒髪ロング知性派ってな具合に、ルックス/性格描写とも十人十色。このあたりせいぜい髪型くらいしか差別化要素のないハンコ絵漫画家にはぜひ見習っていただきたい部分だ。
そんな彼女らとときにおちゃらけときに真摯なタイマンラヴをくり広げるのが物語のベースライン。全体的にはコミカル基調で通しつつも、ここぞというときには野郎サイドがビシッと漢らしさを見せつけてさわやかにラヴストーリーを締めくくる。男女とも根っからの悪人は1人もおらず(まあちょっと意地悪だったりS気質だったりの方はおりますが)、あくまで心地よく恋愛模様が展開されるさまに君のささくれ立ったハートもすっかり浄化されることだろう。
この作家の創り出すオハナシでもうひとつ特徴的なのが、各作品間で登場人物たちが密接にリンクしていること。各回でメインを張るカップルはむろん1組のみなのだが、サブキャラや背景として出てきた人物が次の話では主役となったり、あるいはいちどピンでエピソードが語られた連中が他人の物語にヒョイと顔を出したりするのだ。すべてのストーリーを読み通したあとでも見返すたびにカメオ出演をあれこれ発見できる素敵な仕掛けの数々には感服するばかりで、このへんを押しつけがましくなく巧みに織りこむ構成の妙ではエロ漫画界で右に出るものがない。
黄色い楕円が未添付となったことでエロシーンにはハッキリと制限がかかり、ちんこまんこ附近には真っ白な修整がほどこされた。以前から濡れ場密度はそう高い方ではなかったとはいえ、これまではなかなかに扇情的な性器描写を極小薄消しでサーヴィスしてくれていただけに実用性低下は避けられない。Dr.P得意の破瓜シーンもホワイトだらけで不明瞭になってしまっているので処女スキーの方々にはご愁傷さま。とはいえ愛し合うふたりがタイトに抱きあいこっぱずかしげな科白を口にしながらメイク・ラヴにいそしむ熱っぽい雰囲気はそのままなので、ムード重視派ならばそれほど痛手にはならないかと。たっぷりむちむちのお尻をむんずとつかみハードに腰を打ちつけるたび痛みと快感の入り交じった表情で身もだえしギュッとしがみついてくる彼女の体温を感じながらヴァージンまんこの奥底めがけてたっぷり中田氏だ。
エロ漫画というより上質のラヴコメを摂取したかのごとき充実したアトモスフィアに包まれながら今回も頭からシッポの先まで物語を堪能。欲を言えばまたJKメインでまんこバッチリ見せてくれる媒体で活躍を拝見したくはあるものの、ガチファックを前提としないこの人の作劇にはむしろ慎太郎シール誌の方が相性よろしいのかなとも思ったり。収録作のなかでは作者2冊め「侵略的恋愛主義」に出てきたちびっ娘がこんなに成長して……とお父さん的感慨にふけった「カタブツなハニー」が童顔ショート巨乳なヒロイン造形もことのほか好みでありマイフェイヴァリット。
0 件のコメント:
コメントを投稿