話○-△ 抜○ 消中 総合○
極上ビューティフルガールズ&レディースの滑らかな女体に溺れ激しく劣情をぶちまけて短編全13本。繊細かつ美麗なタッチで純愛一直線のから肉欲オリエンテッドなのまで多種多様なエロスを提供の作者これが初の商業エロ単行本だ。
近年になってからの読者にはやや想像しづらいことかも知れないが、前世紀末～ゼロ年代初頭あたりの「COMIC快楽天」――超絶美少女絵師・村田蓮爾が表紙を担当してたころの話だ――は、ひたすらオサレでアーバンな絵柄の漫画家ばかりを取りそろえ実用性は二の次、ちんこしごきたきゃ他誌行きな! とばかりの高踏的な雰囲気を誌面いっぱいにたたえ、エロ漫画界では完全に異端に属する路線を邁進していたのである。今回この作家の新刊を手に取り都会的なアトモスフィアの横溢するその表紙を目にしたとき、まず脳裡をよぎったのはそんな感慨。
余談はさて措き、昨今の快楽天執筆陣にあってもひときわセンシティヴなその絵柄はアニメ/ゲーム系のエッセンスを適宜咀嚼しつつスタイリッシュにまとめたもの。細めに線を引きボディにはあまり極端に陰影をつけないプレーンな絵ヅラは、同誌の先輩作家になぞらえると三巷文やなぱたあたりが比較的近いイメージ。さすがにカヴァーイラストはオサレ寄りすぎでモノクロ原稿はもう少し庶民的であり、購入の際には表紙絵より帯裏に散りばめられた作中シーン抜粋の数コマを参照するのがよろしいかと。
繊細きわまりない筆致でものされるヒロインたちの年齢レンジは制服世代のハイティーンが中心。一部存在する年長キャラもどちらかというとキュート寄りの造形なので熟女感はかなり希薄だ。あとこの1億総巨乳時代にあってバストサイズはそれほど大ぶりではなく、2次元特有の顔や胴回りすら凌駕するレヴェルのデカチチ描写が苦手な方でも大丈夫(まあ自分はそういうのも大好きですけどね)。乳量のみならず髪型や目つきなどの外見面、そしておっとりにツンツン、素朴なのから素直じゃない系まで各種取りそろえの性格描写と、女の子たちの細やかな描き分けが非常にナイス。
展開されるお話たちは透明感あふれる絵柄によくマッチした穏健ラヴコメ志向……と言いたいところだが、和姦シバリを課しつつも内実はなかなかに多彩。ことに初出が直近のものより初期作品の方がコミカルなヤリマンネタやら乱交パーティやら趣向が凝っていておもしろく感じた。まあ近年執筆の美男美女タイマンラヴもむろんニヤニヤできてよろしいのだが、あまりセルフイメージを固定してしまわずいろいろ冒険してくれた方が読んでて楽しいので。一方で作品によっては少々コマ割りが煩雑に感じお話運びが錯綜しているようにも思えたのだけれど、このへんはキャリアの蓄積が解決してくれることだろう。
エロシーン総量はけっして多い方ではないとはいえ、そこは大昔の快楽天と違いちゃんと股間を活用させるに充分なヴォリュームを確保。すらりと伸びたおみ足のつけ根から覗くから秘密の花園はぷっくりといやらしく、美尻を抱えこみハードに腰を突き上げるたびヒロイン連中が優美な乳房を揺らし甘い吐息をまき散らしながらよがり狂うさまがじつに扇情的だ。ほおを赤らめうっすら涙を浮かべながらステディな男子にギュッと抱きつきハートマーク連射する彼女らのトロトロフェイスを目の前にして精液大量放出不可避。
恥じらいつつも着衣をずらしそのスレンダーな肢体をあらわにして彼女らは相対する男の愛撫にその身をまかせる。柔肉の感触を楽しみつつじっくりねっとり秘部を攻めたてればいつの間にかそこは濡れそぼち準備完了だ。ちんことまんこのハードな摩擦運動に没頭し呼吸を荒くしながら上気しきったイキ顔を見せつけるその痴態に勃起中枢も刺戟されっぱなし。小刻みに発せられる嬌声のヴォリュームが最大限に達したら彼女の絶頂も間近。汗と涙と愛液にまみれ自分からしきりに腰を使いつつ膣内射精を待ちこがれるヒロインたちの子袋の奥へ熱い飛沫をぶちまけフィニッシュだ。
作画/作劇ともきわめて端整にまとまった、いかにも快楽天系列ならではのコンテンポラリーなラヴ・アフェアが詰まった会心のデビュー単行本。あまりにもヴィジュアルの完成度が高すぎ明日にでも一般誌やらアニメ業界やらの異分野へスカウティングされるのではと危惧しているが(ゆえに成年単行本でおがむことができるのはもしかして最初で最後かも、と思っている)、せめてこの瞬間だけは艶めく女体と隠微なエロスとの妙なるマリアージュを堪能したいもの。この人の描くショートヘアっ娘がことのほかお気に入りの自分的には、パン屋の看板娘を新作レシピといっしょに美味しく頂戴「小麦パンが焼けるまで」と、凛としたギタープレイで周囲を魅了の先輩女子が後輩男子の前でだけカワイくエロエロに……の「目隠し☆ロック」で大いに自慰表明しまくった次第。
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