今晩の卯の花炒め。

-おから「限定彼女」ワニマガジン社 ISBN:9784862693099
話○ 抜○-△ 消小 総合○

あこがれの先輩女子に恋愛相談を持ちかけられた主人公は本心を押し殺しつつセックス指導本編&バカップル成立後続編+独立短編10本。純真無垢なのからひとクセあるのまで多種多様な女の子がキュートに身もだえしほおを紅潮させてイキまくるワンダフルな光景を全編にわたり堪能できる作者これが初の商業単行本だ。
最近ほぼ定期購読している「COMIC快楽天」誌上では毎月のように新人作家が投入されてはいつの間にか消えてゆくのだけれど、そんななか掲載ペースこそスローモーながら比較的長くラインナップに残り続けていて気になっていた人。描線ごっちゃりトーンコッテリの脂っこいヴィジュアルの漫画家が主流のなか、この作家のスッキリとまとまったタッチは快楽天誌上で独特の存在感をかもし出すのに成功していたと思う。
帯の訴求コピーで「4年間の集大成」と謳われているとおり、収録作の執筆時期は2010-14年とかなりワイドレンジ。それというのも年換算で2、3本と掲載間隔がやたらと空いているせいで、おそらく商業漫画オンリーで食っているのではなくカタギの仕事と兼業しているか同人誌がメインの収入源なのかいずれかなのだろう。とはいえそれだけ時期がバラついているわりにタッチの変遷はさほどでなく、表紙/裏表紙と中身の差異が少ないのはよいところ。ワニマガ編集の完成品志向な作家スカウティングが功を奏した形で、キャリア初期からウェルメイドな作品を堪能できる仕掛けだ。
プレーンで愛らしいアニメ系の絵柄でものされる女性陣は年のころハイティーン～20代初頭のゴールデンエイジで占められる。カヴァーに抜擢の金髪ぱっつん女子に象徴されるとおり、猫も杓子もビッグバストなこのご時世ではめずらしく貧～並乳っ娘を複数投入しているのが最大の特色だ。表紙には爆乳さんを出さなきゃいかんみたいな風潮が支配的な昨今の情勢でこのチャレンジは賞賛に値する。まあ多数派はやはりおっぱい大きめヒロインになるとはいえ、非ロリ微乳女性をお探しの方にはぜひ本作の購読を推奨したい。
くり広げられる物語の方はうれし恥ずかし和姦コメディで全体を統一。エロ漫画というよりは一般誌のオーソドックスな恋愛ものを読んでいるみたいな甘酸っぱい読後感が魅力だ。筋立ては王道のボーイ・ミーツ・ガール専科でありきわ立って特徴的ではないものの、ヒロインの多彩な造形と彼女らの喜怒哀楽豊かな表情変化がストーリーをグッと引き立ててくれる。快楽天スタッフは執筆陣に対し総数16ページのミニマムな分量で描かせることが多く作劇面で辛い評価になりがちなのだが、この人はタイトな制約のなかでエロとお話のバランス取りを上手にこなせている部類だ。
濡れ場はけっして大ヴォリュームではないけれど、キュッと腰が締まりプリッとまんこを露出させた女の子たちのビューティフルな部分を効率よく見せつけてくれる。セックスのなんたるかも知らないような娘も当初ツンツン取りつくしまもない女の子も、いったん本番突入すれば極上のイキ顔さらしてよがりまくりだ。ハリのあるボディを躍動させゴリゴリ秘部を貫かれては内へ外へと白濁液をデリバリーされ絶頂。
つれない態度の彼女もいったんお互いの真意を確かめあえばすっかりデレモード。甘やかな口づけを交わし着衣をはだけて褥に横たわるその艶姿に興奮しきりだ。形のよい2つの双丘を両手で舌先でもてあそびつつ秘密の花園へ果敢にアタックし性器どうし激しく干戈を交える。瞳をうるませ必至に嬌声を抑えながらもしっかり腰の動きに反応し快楽を享受するさまがたまらなくエロっちい。小刻みに吐息をもらし昇りつめてゆくおにゃのこたちのクライマックス到達と同時に暑く白濁する孕み汁を蜜壷のその奥へビュルビュルお見舞いだ。
女子主導色が強すぎたり外出しフィニッシュだったりの作品では私的実用性が若干低下したものの、作画/作劇とも初単行本とは思えない均質度と高水準ぶりであり感嘆するほかない。こうなると是が非でも執筆頻度を上げてもらいいち早く次回作をリリースしていただきたいもの。面積こそ大きめだが心もち薄くなったトーン修整もプラス材料で、とりわけイチャラヴ好きの貴方には自信を持ってオススメの1冊だ。このたび収録のものでは、作者自身お気に入りという奥ゆかしくもえっちぃ先輩さんのキャラメイクがたまらんですたいな冒頭連作「Hard Practice」/「Wild Practice」と、ちょい不機嫌系ツリ目ショートヘア制服ヒロイン・さやか嬢がマイ経絡秘孔直撃すぎの短編「ゆびきり」がフェイヴァリット作品。