2014-08-02

今月のメキシコシティ・ブルーズ。

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-煌野一人「ドロップアウト」キルタイムコミュニケーション ISBN:9784799206096
話○ 抜○-△ 消小 総合○

手の届かぬ存在だった文武両道才色兼備の先輩女子を性欲処理の道具として犯し貶め表題作前後編&後日談+独立短編6本。美しく気高いヒロインを徹底的に蹂躙し立派な肉便器へと転落させてゆく一部始終のプロセスを奇抜なシチュとハードな性交描写とで詳細中継する作者これが初のコミックスだ。なおペンネームはこの綴りで「ふぁんのひとり」と発音するのだが、今年に入って唯一まったく読みが想像できず帯のフリガナを見てビックリ。
エロピンチやらヒロイン転落物語やらのファンタシー凌辱盛りだくさんでスタートしたこの版元の漫画部門も、昨今はノーマルな現代日本舞台の作品が登場するようになり描写もマイルド寄りになって一般人にもずいぶん親しみやすく変化。しかしながら現在でも古きよきド直球の凌辱調教ストーリーは根強く需要があって、この作家もそんなニーズに応えしょっぱなからダーク色全開の作品をモリモリ送り出している。
一部のアンソロ本掲載のものを除きおおむね同社の「コミックアンリアル」を初出とする収録作たちは、ずいぶん和姦ものがのしてきた現在の同誌にあって従前からのハードファンタシー路線を貫徹し続ける貴重な存在。若干の前後はありつつも時系列と逆順で収められていると推測されるそれらはさすがに最初期の作品こそつたなさはあるけれど極端なクオリティの格差もなくジャケ買いしても安心だ。エロ漫画というよりはマニア系の一般青年誌連載作みたいな趣のタッチはいささか地味めな印象ではあるものの、過不足ない描線の書きこみと緻密なトーンワークが展開されており先輩作家のそれと比較してもなんら遜色ない。
一部の人外さんを含め登場するヒロインはハイティーン~20代中盤あたりと思われるが、瞳をあまり大きく描かず大人びた顔立ちに頭身高めのボディデザインともあいまってずいぶん落ちついた雰囲気だ。おっぱいサイズは基本巨乳ながらエロ漫画的誇張の少ないリアル系の描き方がされていてむやみにエロっちい。萌えっぽさこそ希薄だが端整で凛とした出で立ちのクールビューティがズラリと並ぶ光景に息を呑む。そんな彼女らが悪辣な罠に堕ちすっかり調教され尽くしてはメスの顔さらして乱れまくるのだからたまりませんな!
このたびくり広げられる物語はみなほの暗く淫靡なアトモスフィアをかもし出すダーク系。タイトル・チューン連作のようにヒロインが自由意志で転落の道を歩むタイプのお話もあるが、捜査官やら賞金稼ぎやら生徒会長やら真っ当な道を歩むキャリアウーマンたちが卑劣なトラップにかかり人格を剥奪されて畜生道へ堕ちてゆく系統の作品が圧倒的多数となる。侵しがたく高貴な存在を下賤な男どもが引きずり下ろし徹底的にその人権を蹂躙する、というKTC凌辱漫画の黄金パターンを一直線に邁進しつつ、まるでハリウッド映画のごとくハッタリの効いた設定や科白まわしを随所にねじこむあたりタダモノではない。
当然のごとくエロシーンではひたすら女子の人格が否定され豊満ボディを容赦なく蹂躙されていろんな分泌物を浴びまくる。彼女らの誇らしく崇高な心もゲスい男どもに好き勝手に汚されてすっかり台なしだ。人権剥奪プロセスもまた多彩で、帯で解説するように「人間牧場、寄生悪堕ち、孕ませ性奴隷化、壁に埋めこみ強制搾乳、触手凌辱」とアンリアルな趣向のオンパレード。プレイ内容が非常にワイドレンジなので人によっては一部苦手とする行為にも遭遇するかも知れないが、ともあれこれだけ幅広いシチュを投下しておいていずれも破綻なくまとめているのだからたいしたものだ。
ツヤツヤボディを乱暴にこじ開け委細かまわずぷっくりまんこを押し広げてたぎる怒張をインサート。子宮口の奥をゴリゴリ突かれ粘膜ごと引きずり出されるみたいなボルチオファックの応酬にだらしなく顔面を変形させヨダレダラダラたれ流してアヘりまくるさまは日常の優美で典雅な表情とはまったく正反対のそれだ。口をきわめて罵倒されケツを叩かれる屈辱的な状況を甘受しつつ目の前の快楽だけに浅ましく没頭するまでに堕ちきった彼女らの痴態に興奮しきり。恥も外聞もなくイキ顔さらし絶頂するエロメスどもの子宮のいちばん奥へ最後大量の白濁液を叩きつけ種つけ調教完了。
正統派ダークファンタシーにあふれる奇想をミックスした会心のデビュー作だ。フタナリなど私的忌避事項があったので作品によりいくらか実用性は上下したものの、のっけから勧悪懲善まっしぐらのシビレる展開が頼もしい。欲を言えばヴィジュアルにもう少し華が加われば鬼に金棒だろう。収録作のなかではやはり冒頭連作が白眉で、みずから優等生の看板を下ろしセックス奴隷として全部の穴でご奉仕しては白目剥き絶頂のただれた日常を送るに至るヒロイン・七条鈴香先輩の転落ぶりがすさまじく扇情的でたまりません。

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