-ほんだある「君のはちみつぱい」久保書店 ISBN:9784765935739
話○ 抜△ 消小 総合△
ネオンに誘われフラフラ入った風俗店でサルのごとくエンドレスファック本編&描きおろし続編+独立短編8本(うち巻頭/巻末漫画描きおろし)。ほわほわキュートなスレンダーガールズとときに甘くときにビターに愛を交わし身体を重ねる叙情派エロス盛りだくさんでお送りする作者最新刊は成年向けとしての通算6冊めにしてペンネーム改名後の3rdコミックスだ。
先日惜しくも休刊となってしまった当版元発行のロリ専科アンソロ「ぺたふぇち。」の執筆陣はよそで描いてない漫画家の宝庫でいろいろ得るところも多かった本。そちらでずっと活躍していたこの人はちんこの活用という観点では正直心もとないのだけれど(勝手に断言して申しわけない)、たいへんリリカルな作画/作劇が印象的で新刊がリリースされるたび欠かさず購入する作家のひとり。だもんで前単行本「ぴーちしろっぷ」の刊行からおよそ1年半あまりを経て発売のこちらもむろん即座に入手したですよ。
以前の漢字名義「翻田亜流」を途中からひらがなに変更したほかは1冊めのころからずっと独特のほんわかテイストを継承。今作も表紙こそむやみにえっちくさいものの、中身はいつもどおりに牧歌的なアトモスフィアが支配。比較的シンプルな線でざっくり描かれるぷに系の愛らしいタッチでものされる思春期入りたてガールズがとびきりの笑顔で君をお出迎えだ。おおむねJC近辺をメインとする彼女らはみなさんようやく隆起を見せはじめたばかりのささやかな双丘をお持ちなのでビッグバスト大好きっ漢は回れ右すべし。
この健全そのものの筆致で基本はコミカルな微エロを展開するのだけど、ときには人間心理の暗部をグリグリえぐるような問題作も上梓してのけるのだからまったく一筋縄ではいかない。といっても凌辱とか調教とか暗黒方面へ行くのではなく、ままならぬ恋模様のダークサイドをうっすらシニカルにすくい上げる感じなので和姦スキーが忌避するほどのものではないはずだ。またビターな味わいを見せつつもシメはカラッと後腐れなく処理するので読後感を悪くしないのもいいところ。いずれにせよオトナになりかけ少女のアモルフな感情を密につむいでゆく繊細なお話運びこそがほんだあるの真骨頂であり俺がずっと単行本を買い続けている理由。
あいかわらず濡れ場占有率は高いとは言えないが、そのへんは織りこみ済みでありちちしりまんこよりはむしろ素朴な愛の交歓のなかでふと見せるヒロインのかわいやらしいイキ顔百面相を堪能するのが正しい楽しみ方。ガチファック一辺倒ではなくしばしば素股フィニッシュだの百合えろーすだのソフトなプレイが投入されるので、問答無用の特濃ハードコアHにふと疲れたときには一服の清涼剤として効果的に作用することだろう。
寸胴ぎみの滑らかな肢体をあらわにして少女たちは未曾有の体験に羞恥と恐怖を覚えながらも一歩先へと踏み出す。全身を硬くしながらも愛撫を受け入れ全身をなで回されて徐々にトロけ顔。フラットなお胸からニップルだけをピンと屹立させて初めての快感に身をよじらせ小刻みに嬌声をもらすさまがなんともエロっちい。前人未踏のスリットにシャフトを突き立てられいちばん敏感な部分をこすられながら少女らファーストアクメ。
膣内射精ファンダメンタリストの自分としてはやはり大半の作品はもの足りなく感じ、また一部ヒロインの造形がチャレンジャブルすぎて実用度はひかえめの評価(さすがにヒゲ少女ではちんこ勃たんですよ……)。それでも極上のヴィジュアルと趣深い作劇のコンビネイションはいつもながらにグッと心に突き刺さり心地よい気分で最終ページまでを読み通す。本拠地のひとつが消滅したのちも成年向けで執筆を続けてくれるのかはわからないけれど、以後も黄色い楕円マークの新作を変わらず世に送り出していただきたいものだ。今作コンテンツのなかでは短髪元気っ娘が隣宅の異人男子に大切なはじめてを捧げる「スターフルーツ」と、表紙の女の子がせつない恋心を胸に秘め代用品としての愛を受け入れる描きおろしタイトル・チューン「君のはちみつぱい」がfeel so good。
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