今月の天候見通し。

-起死快晴「フシダラ」ワニマガジン社 ISBN:9784862693792
話○ 抜○-△ 消小 総合○

相思相愛甘ラヴから支配/服従の屈辱エロスまでさまざまな愛のカタチを実践短編12本+フルカラーショート1本。きわ立って端整かつ華やかな筆致でつむがれるキュートガールズ&レディースが煽情的なイキ顔さらしいろんな汁にまみれながら絶頂のうるわしき光景をエンドレス生中継する作者これが記念すべき成年向け単行本だ。なおペンネームはそのままヒネリなく「きしかいせい」と読ませます。
のっけから高水準の完成品作家ばかりをどんどん持ってくるという印象の「COMIC快楽天」グループがまたしても送り出すハイパーヴィジュアル&ストロングエロスの新星。例によって事前のプロモーションもぬかりなく、インターネット上や書店店頭での大々的な宣伝活動で仕込みは万全だ。なおこれから買い出しへおもむくという方は版元提供のコミックス情報ページで各ショップの購入特典が見られるので、おうちを出る前にワニマガwebへgo!
のっけからキャッチーすぎる妖艶おっぱいっ娘さんフィーチャーの表紙をめくると、出てくるのはわずかばかりのザックリ感を残しつつもセンスよくまとまったおそろしくキャッチーなヴィジュアル。大まかには普遍的なアニメ/ゲーム系の絵柄の範疇なのだろうが、他の執筆陣に比べさらにオサレ平均値が高い感じだ。エロそっちのけでどこまでスタイリッシュになれるか挑戦していた、村田蓮爾表紙時代の快楽天に載っていてもおかしくない雰囲気。なお収録作の初出はおおむね直近2年ほどの快楽天/快楽天BEAST掲載分なのだが、巻末に2本だけゼロ年代後半の作品が入っておりそこだけ明確にタッチが異なっている。そのころから画力それ自体はたいそう高く見劣り感はまったくないものの、そんなに昔から描いていたことを知った俺は数年の完全ブランクの間になにがあったのかモンモン気になって仕方がない。もしかして別名で一般誌連載とかやっておられたのかしら。
ともあれこの華麗な筆致に載っかって活躍の女性陣は推定10代後半～20代なかばの食べごろヒロイン専科。表紙/裏表紙では昨今のワニマガではデフォの巨乳女子が大々フィーチャーだし実際中身もビッグバスト優勢なのだけれど、ノーマルサイズのお胸もそれなりに多く配置されており「近ごろの快楽天はおっぱいオバケばかりでどうも……」とお嘆きの方でもわりかし受容しやすいかと。加えて秀逸なのが彼女らの多彩なキャラメイクで、ことに人外さんやら不思議ちゃんやら少々エキセントリックな色合いのヒロインを描かせると絵柄との相性も抜群でたいそうハマる。
物語傾向としてはどのお話も明確な合意エロでありつつも、そのありようはじつにヴァラエティ豊か。甘やかな1on1のボーイ・ミーツ・ガールから両手に花のタナボタ3Pまで、はたまたバカギャグありしっとり切ない恋物語ありとさまざまな恋愛模様を読者にお届けする。あとワニマガ物件において自分はよく総ページ数が少ないがゆえにつきまとうストーリーの窮屈感を糾弾するのだが、起死快晴に関してはそれをあまりハンディとせず上手にまとめている感じ。テンポよくお話を進行させながらも最後キレよく落としたり逆にほのかな余韻を残したりと単なるセックス以外のサムシングを読み手の脳裡に刻む技倆に長けている印象だ。
このごろは快楽天とて他社並みにガチファック重視なので当然この人の手がける濡れ場もたっぷり性器どうしの真剣勝負に注力する。とりわけ女性器周辺のこんもり盛り上がった感触やら柔らかそうな女体にダラーリ垂れる各種液体やらえっち心を励起せしめるディテイルの処理がすばらしい。むやみにアクロバティックなポーズで男子の劣情をあおりながらハードに内奥を突き上げられ手書き文字でアクメ声連射の彼女たちの内へ外へと白濁をぶちまけ続ける。
とびきりの美少女たちがピタッと密着してきては着衣をずらし諸肌脱いでの大胆アピールに男子諸君辛抱たまらず彼女の肢体へルパンダイヴだ。生チチを必死に揉みしだきせわしなく蜜壷へ特攻の電光石火の早業を笑わば笑え。粘膜のいちばん深い部分をシャフトで貫かれて身もだえし甘い吐息をもらしながらラヴワードをまき散らすヒロインの痴態に興奮しきり。ぐぽぐぽ下品な音を立てながら摩擦運動のピッチを上げる都度とびきりのアヘ顔さらけ出すエロメスどもの全身をおのれのザーメンでたっぷり染め上げて女体征服任務完了。
いくらか執筆時期による新旧差はあれど非常にハイクオリティのオサレ感覚炸裂な作画はまずもって文句なし。ただ個人的には一部のドS色強いヒロインに若干息子が萎えたのとせっかく中田氏フィニッシュなのに多くの場面でわざわざ引っこ抜きぶっかけへと移行する射精シーンの処理がちょっと納得いかなかった。せっかく膣内に出すんだからむしろ抜かずに子宮の奥までドプドプ注入にいそしんでもらいたい派のワタシなのです。まあそうした身勝手なクレームはさておきワニマガ編集におかれましてはこれだけ高水準のプロダクトをこなせる逸材を一般へ持ってかれる前にできるだけ多くの遺産を残してもらえるよう鋭意努力をお願いしたいもの。今回収録のものたちでは、5年ぶりの田舎で再会したかつての少女はすっかりオトナになって→夜明けまで熱烈ファック「追」と、路地裏の占い館へ吸いこまれ人外美女に種つけ三昧の「ハーミット」でもって大いに我が砲身を使役。