2015-08-13

本日のニューレフト。

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-小川ひだり「ちちんくりくり」ワニマガジン社 ISBN:9784862693839
話○ 抜○ 消小 総合○

後輩の彼氏に迫られたヒロインは断りきれず身体を許して……連作2本&描きおろし百合プレイ+突如ちんこが生えた女性たちのお悩み解決連作2本+独立短編8本。ほのぼのキュートな絵柄でもって奇想うず巻くストレンジエロスを展開の独特すぎる作風で華麗に業界へ殴りこみの作者これが記念すべき初コミックスだ。
エロ漫画といえばもっぱら商業誌のそれがメインであり薄い本はあくまで副食の自分だけど、この作家はめずらしく同人誌がその存在を知ったきっかけ。たしか10年ほど前の作品だと思ったが、植物擬人化のオリジナル創作エロをなにかのついでに購入してそのさわやかな筆致とは裏腹のへんてこりんなノリにすっかり心奪われたのを記憶している。それから数年して雑誌に描いてたのを発見し狂喜したものの執筆ペースはずいぶんゆるやかで、まさか単行本化にこぎ着けるとは思わず実際に本作を書店で見かけるまではずっと疑心暗鬼だった。でもこうして現物を手にしているということは夢じゃない……。
かくして長年の願いがかなえられその時点ですでに満足しちゃったのだけれど、気を取りなおして内容を確認する。まずは初出をチェックすると収録作のほとんどは当版元の「COMIC快楽天」に掲載されたもの。時期的には大半が2010年に集中していて、おそらくこの年だけ商業誌中心に活動をシフトしていたのだろう。それ以後はスポット参戦となり雑誌で見かけることは少なくなったのだが、同人原稿もプラスしてどうにか1冊分をかき集め無事単行本化。
表紙/裏表紙の華やかなイラストが物語るとおり、オーソドックスなエロ漫画絵とは一線を画す愛らしいタッチが小川ひだり最大の特徴。若干古典的な印象ではあるけれどいわゆる少女漫画テイスト――しかも年少向けのそれ――が色濃く出た素朴な筆致だ。さすがに同人ではじめて見たときの絵柄よりは野郎向けエロにふさわしく線の雰囲気やトーンワークなどずいぶん濃口になったが、ややもすると売れ線ど真ん中な絵柄の漫画家ばかりを取りそろえがちな快楽天系列にあって明確に独自路線を貫いており存在感がきわ立つ。
かくも滑らかな描線でものされる女性陣は育ち盛りの制服女子から熟れ熟れの主婦までじつにワイドレンジだ。ただハッキリと童顔寄りのキャラメイクなので年長さんでもアダルト感はさほどなく、黒目がちの大きな瞳にあどけない丸顔のカワイイ系女子がズラリ。一方でボディラインはおっぱい大好きな快楽天編集の要請を受けてか基本は巨乳グラマラス系。サブの幾人かは並サイズだし他社原稿ではガチのつるぺたっ娘も描くのだけれど、そっちを楽しみにしていた人は今回ご愁傷さまということで。
そうしたヒロイン造形以上に小川ひだりの個性がクッキリ出るのがストーリー面。コンビニ誌物件なのでベースとしては合意エロの体裁を採るのだが、そのありようがじつにヴァリエイション豊富なのだ。普遍的なラヴコメにおねショタ系、赤ちゃんプレイに年の差シリアス恋愛、はたまたお嬢さま凌辱にすこしふしぎエロスといろんなタイプの物語をサラリとこなしてみせる。とりわけ奇抜なのが唯一の同人誌再録シリーズ「メルヘンぼっき!!」連作で、背中からちんこ生えたり双頭ちんこを孕んだりの少女が運びこまれたクリニックで輪を掛けた変態行為の数々に遭遇し最後は素っ頓狂なオチで読者はすっかり混乱。こういうアシッドリーで尖ったテイストをこの人のラヴリィな絵柄でやられるとよけいにコントラストが鮮明ですばらしいですね!
そんななかでも抜きツールとしてのお仕事はぬかりなく遂行され、女子連中のむっちりボディが躍動し性器どうしの真剣勝負がゴリゴリとくり広げられる。物語面のギャップ強調に比例するかのごとく愛らしいフェイスと対照的な妙にリアル寄りのまんこ描写が性行為のリアリティを引き出すのに貢献。アンダーヘアが密生し粘膜が艶めく蜜壷はまるで誌面から体臭が匂い立つかのようでなんともエロティックだ。
ギンギンに屹立した男性器を目の前にしてヒロインたちまちほおを紅潮させ下腹部を濡らして発情。乱暴に胸をつかまれ柔肉を押し広げられてねっとり愛撫を受けつつも同時進行で怒張を口に含み谷間にはさみこみして第1ちんこ汁を搾取だ。すっかり準備万端の秘密の花園にシャフトを迎え入れ粘膜もめくれ上がるほどにハードな摩擦運動をくり広げながらビッグバストを振りまわし全身を打ち震わせてよがり狂う。淫語マシンガン連射し必死にしがみついてきてはなん度も気をやる彼女の内へ外へとまたしても白濁液の奔流をお見舞いし女体征服ミッションコンプリート。
壮絶に息子を活用したりちんこを握るのを忘れて笑っちゃったりとお話によりいろいろ変転激しくて抜き評価は一定しないがトータルでこんな感じ。膣内射精原理主義者の俺としては外出しフィニッシュのいくつかが若干もの足りなく感じるものの不満とまではいかず総体としては大いに楽しませてもらった。なんといってもテンプレ的陳腐さとは無縁のオリジナリティあふれるお話運びが白眉であり、今後ともぜひ独自の戦いを貫き通していただきたいもの。キテレツ度では前述の「メルヘンぼっき!!」がまあ圧倒するとして、実用性で言うならば熟達テクのキュートおばさんに少年2人が前後の穴フル活用で精液搾取されまくり「子作りレッスン!」と、寝床に侵入してきた彼氏の弟くんにヒロインがやさしく激しく性の手ほどき「ふとんの誘惑」がマイベスト物件。

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