2015-10-01

本年度のホーム最終戦。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-千要よゆち「頭の中はいつも卑猥妄想中」ティーアイネット ISBN:9784887745797
話○ 抜○ 消小 総合○

脳みその中身は常時エロまみれのヒロインがふとしたことから実体験に及び妄想と現実の相乗効果ではしたなくイキまくり表題作長編4話&サブキャラ主演番外編。ポップでキュートでドスケベでちょっとアホな性春炸裂の新境地開拓な作者最新刊は別名義含めての通算5冊めにして当レーベルからの3rdコミックスだ。
かつては「ジャンキー」のペンネームで活躍していたこの人が心機一転看板を掛け替えTIに移籍したのが数年前のこと。いまや現本拠地の「COMIC夢幻転生」にもすっかり定着し順調な作家活動を続けている。そんなわけで前単行本「輪姦学園」発売から1年少々とさしたるインターヴァルもなく新作のお目見え。
ロットリングで引いたみたくシャープな描線でつむがれるオーソドックスな一般青年誌系のタッチがデビュー当初からの特徴で、それは相応にキャリアの蓄積を経た本作でも基本的には変わらない。昨今よく見られるような、萌えっぽい線画にコッテリトーンが乗っかった流行りの絵柄とは少々異なるラインながら破綻なく安定感のあるヴィジュアルだ。この作家に関する予備知識のない方は内容サンプルつきの著者別単行本紹介が版元から用意されているので購入前に参照するとよい。
この滑らかな筆致で丸っこいフェイスにほどよくお肉が載っかった健康優良体型の女子どもをモリモリ量産するのがこれまでの慣例。今回もその路線をキャリーオーヴァーするのだが、抜きキャラを極度に絞りこんだ舞台設定ゆえ我々読者の股間にご奉仕してくれるのはJK2名と女性教諭1名の少数精鋭となる。おっぱいサイズは大中小取りそろえでおのおの個性豊かなキャラメイクがなされており寂寥感はさほどないものの、短編主体だった既刊2冊のようなヒロインよりどりみどり状態とはいかないので彼女らの造形が受け入れられるかどうかでチンピク度が乱高下。
1冊まるまる占拠のタイトル・チューン「頭の中はいつも卑猥妄想中」はまさにその表題どおり、どこかボーッとしていてクラスでも浮きがちなアホの子ヒロイン・中江口伊奈(なかえぐちいな)が日々エロ妄想を炸裂させつつ級友男子や自分とはタイプの違う女王様系女子を巻きこんで本番突入の情景をヴィヴィッドに描き出す性春コメディ。凌辱一辺倒でダーク色の濃かった前作とは対照的な雰囲気に一瞬とまどうかも知れないが、もとより和姦系の話も達者にこなす作家だけに物語にドライヴがかかりはじめればそのまま千要よゆちワールドへ没頭だ。今作ではなんといっても中江口の1本スコーンと抜けた性格設定が絶妙で、実体験を経たからといって安直にビッチ化するのでなくずっと彼女の思い抱く妄想メインで物語が進む妙なトゥイスト感が心地よい。だもんでセックスの相方となるクラスメイト・唯野(ただの)や、中江口に嫉妬心を燃やし唯野と寝るライヴァル女子・市条紗苅(いちじょうさかり)は恋愛三角関係の当事者でなく彼女の妄想のダシとしてのみ使われる奇妙な構図ができあがるのだ。このオフビートなノリはエロ漫画としてはきわめて特殊で、それゆえ単行本タイトルから受ける印象と実際に読んでからの感想にいささかギャップが生じるかも知れない。
むろんTI物件であるからには濃口のエロシーンがふんだんに投入され濡れ場支配率はかなり高め。中江口/市条のJK2人衆大活躍に加え巻末番外編では生徒たちの行為にアテられ発情した女教師・外田先生が唯野にのしかかり精液搾取の盛りだくさんな構成だ。ただ前述のようにストーリー展開上の軸となるのは中江口の妄想でありリアル本番はそれの補完みたいな位置づけになるのでそのへんの混沌とした雰囲気が受容できるか否かが本作を楽しむうえでの分水嶺となろう。
たったいままで脳裡に描かれていたレイプ願望そのままに少女は自分から身体を開き下腹部をおっ広げて早くも受け入れ準備万端。ゴリゴリ侵入してくる暴れん棒の衝撃に目を白黒させながら早くも脳天まで突き抜ける想像以上の快感に身をゆだね全身を打ち震わせてアヘ顔ご披露。みずからハードに腰を使いはしたなく淫語まき散らしながらコンパクトな子宮の奥底でたっぷり白濁液を飲みこみ妄想と現実の狭間をたゆたいながらいつまでも絶頂するのだ。
ガチ凌辱の前作から入った新規ファンは今回かなり毛色が違うので当初とまどうかも知れないが、昔から千要よゆち/ジャンキーを読みつけている人ならこの手のエロコメもおなじみであることだし楽しく読み通せるはず。本作はなんと言っても主演女優であるところの妄想娘・中江口の飄々としたキャラクターが絶品で、彼女の妙ちくりんな言動もさることながら、恋愛感情やら嫉妬心やらとナチュラルに無縁であるがゆえに周囲を困惑におとしいれる光景がじつに味わい深い。希代の天然ボケヒロインたる彼女を生み出せた時点でこの作品の成功は約束されたようなもので、まったく反則的にアホの子可愛いです。

0 件のコメント:

コメントを投稿