2015-12-13

本日の建築限界。

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-鬼ノ仁「僕の麻利恵さん」ティーアイネット ISBN:9784887745889
話◎-○ 抜○ 消小 総合○

若く美しい同級生の母に懸想する少年はやがて彼女と結ばれるが2人の前に世間の壁が立ちふさがり……表題作長編4話+独立短編5本。血管ピキピキ肉襞ウネウネの性器どうしがハードに激突する特濃ファックでエロ漫画界の頂点を獲ったヴェテランが舞台も新たに愛と情欲の隘路をヴィヴィッドに描き出す最新コミックスは成年向け新作単行本としての10冊めにして(他に新装再録本2冊)当レーベルからの初お目見えだ。
さまざまな雑誌を渡り歩き飛び抜けて密度の高いガチンコエロスをモリモリ生み出しときには一般誌まで股にかけて活躍を続けてきたこの人、さすがに2010年代に入ってからは以前ほどの仕事量ではないもののあいかわらずエロ漫画シーンの最前線に君臨している。ただコミックス刊行ペースはいつもゆっくりで、前回の新作単行本である「発情装置」(ワニマガジン社刊)からおよそ2年あまりの歳月が流れ去ってしまった。ちなみに今回もまた同じ版元より完全新作&過去傑作集の2冊同時リリースを実現。このたびの片割れである再録本「無限姦通」の方は当ブログの評価対象外であるため取り上げないが、コアマガの過去作3冊からのベストセレクションであるそちらも高コストパフォーマンスのガチ抜きツール。TIおなじみの浩瀚な著者情報ページで内容紹介&サンプル閲覧が可能なので(前述の「無限姦通」再録元の記載などもある)、作者に関する予備知識をあまり有しない方は購入前にそっちを見ておくのを推奨。
ひと目見ただけで鬼ノ仁謹製とわかる、切れ味シャープで繊細なタッチは早いうちに完成形となりずっと高値安定。おおむね直近2年以内の執筆となる今回の収録物件もむろん表紙互換のハイクオリティだ。しかしながら扉の初出一覧を見ると、本作刊行元のTIで描かれた作品は表題作の「僕の麻利恵さん」のみで、他の短編群はワニマガジン社「COMIC失楽天」に掲載されたもの。カヴァー下に隠れているコミックエッセイ風の描きおろし漫画でその理由は詳細に述べられているので(少々不穏な事情込みでもあり)ここでは説明を省くが、これほどの大御所でもあっけなく廃業しようと思い立つことがあるのだなあとビックリ。なんにせよすぐさま復帰してくれて本当によかった!
以前はもっぱらセーラー服女子ばかりを描いていたこの作家も徐々に趣味嗜好が変わってきたのか近年はおねーさま/人妻系の登場率が俄然増してきて、今作などはもはやティーンズの方が少数派に追いこまれる始末。JKそっちのけで教師だのOLだの専業主婦だのが大活躍だ。年長キャラでも妖艶さよりはキュートネスの先立つ造形であり今回最年長の子持ちママンでもおばさん臭は皆無なので熟女苦手の自分でも受容に問題はないのだけれど。お歳の上下を問わずボディデザインはボンキュッボンの2次元でしかあり得ない理想体型で、デビュー当初から定評のあるリアルな女性器描写もさることながら昨今はおっぱい方面もたいそう魅力的に表現されておりチンピク度がいっそうアップ。
かくもドエロい彼女らが乗っかる物語たちは総体として合意エロの体裁を採るものの、堂々とお天道様の下を歩けるのではないどこか隠微な男女のありようばかりを展開しなんとも複雑なテイスト。先輩の彼女である同級生女子を横合いからご賞味、中途半端に火照る身体を彼氏の弟に支配されて、あこがれの人だったバツイチ従姉に突進、年上幼なじみの結婚を知り想いが暴走、実の娘と見まがう少女と年の差ラヴ……タブー含みの関係が彼ら彼女らの背徳心をあおり許されぬ恋心に火をつけて2人の交合はさらに熱量を増すのだ。
そんなひと筋縄でいかない恋愛模様をさらに突き詰め息苦しいほどにつむぎ出すのがタイトル・チューンたる「僕の麻利恵さん」。さして親しくもない同級生宅へ足しげく通う主人公・祐介(ゆうすけ)、彼のお目当ては友人の母にして妖艶な専業主婦・麻利恵(まりえ)さんだ。叶わぬ恋に身を焦がしていた祐介はとある偶然から麻利恵さんに筆おろしをしてもらい、お互いの身体の感触を忘れられない2人はやがて道ならぬ恋へ落ちてゆく。そこからは親子ほどの年齢差の2人が急速に絆を深めあらゆる性戯を尽くして肉欲曼荼羅をくり広げるのだが、中盤以降で双方とも家族バレしてからの壮絶にヘヴィな展開が本作の読みどころ。口をきわめて非難され暴力を振るわれて深く傷を負う2人のありさまは世間によくある甘やかなママショタ作品などでは絶対に描写されないシビアな現実を読み手にも突きつける。出会うことすら禁じられつつもわずかなスキに逢瀬を果たした彼らはやがて駆け落ちを敢行するのだが、それらの一切合切を描く最終話は一転夢とも現実ともつかぬ幻想的なストーリー。降りしきる雪のなか刹那的なセックスにいそしみ狂おしく求めあう2人の前に訪れる絶対的な静寂、そして彼らが選び取った未来は……。鬼ノ仁はここでブッツリと筆を止めており、物語の結末は読者の想像にゆだねられる。
お話のトーンを問わずちんこまんこが激しく干戈を交え粘膜どうしが怒濤のごとく摩擦し合うド迫力のエロシーンはまいど健在。大量の擬音とところ構わず噴き出す各種の分泌物をBGMに従えながらいきり立つ怒張が熱い蜜壷の粘膜も破れようかという勢いでそのなかを貫き子宮の先まで執拗に責め立てる。完璧ボディをしきりによじらせこみ上げる快感に身もだえしながら間歇泉のごとく嬌声を発しイキ狂うヒロインズの痴態にぼくらの精嚢も発射寸前だ。全身汗みずくになりビラビラのその奥までおっ広げこちらへ見せつけながらはしたなくイクイク連呼の淫乱ガールズ&レディースのお望みどおり、子袋の許容量いっぱいに白くねばつく液体を2度3度4度と叩きつけ受胎確定。
鬼ノ仁特有の異様に目の詰んだ作画/作劇が生み出す緊迫感にあふれた超高密度エロスを余すところなく見せつけられて脳みそも股間も無条件降伏の逸品。自分はどちらかというと若い娘でちんこしごきたい派なので10代女子含有率の下がったこちらは既刊よりわずかに実用度が落ちたものの、大人女性大好きっ漢ならむしろ抜き評価5割増しで。今作刊行に至るまで作者的にはいろいろ紆余曲折あったようだけれど、こののちも疾風怒濤の鬼ノ仁ワールドを存分に堪能させてもらいたいものだ。オハナシの完成度/濡れ場の緊迫感ともに表題作「僕の麻利恵さん」はやはり圧倒的に秀逸で大いに驚嘆しつつ、同時に縁戚のキュートな制服女子とベタ甘ラヴというオサーンの夢実現な巻末短編「ムスメとオンナ」でも愚息をゴリゴリ使役しましたですよ。

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