2016-04-18

今年度の歴史戦。

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-トキサナ「淫らな果実の黒い誘惑」キルタイムコミュニケーション ISBN:9784799208854
話△ 抜△ 消小-中 総合△

気高く美しいオンナたちが策略に陥れられ恥辱にまみれながらもいつしか快楽に屈し短編全8本。凜とした淑女たちがいつの間にか浅ましい肉欲におぼれてゆきついには恥も外聞もなく下品なアヘ顔さらして絶頂の堕ちものフルコースをダイナミックなヴィジュアルとともにお届けの作者最新刊は通算6冊めのコミックスだ。
KTC物件は自分が定期購読している「コミックアンリアル」執筆陣以外はあまりなじみがないのだけれど、この人は同社では比較的古株に属する作家であり、2007年に処女単行本「リミットブレイク」を上梓しているからもうヴェテランの部類。当ブログでは2012年発売の通算4冊め「精飲少女」を評価の俎上に載せている。一昨年刊行の前単行本「勝ち気な女が不様なアヘ顔を晒すまで」は申しわけなくもスルーしたので、こちらは2年ぶりのチャレンジ。
以前の記憶にあるとおり、今回もシャープでソリッドな古きよきアニメ絵ベースの作画がお出迎え。カラー彩色されたカヴァーイラストだといくらか柔和な印象だけど、白黒原稿の方はもっと明確にパキパキしたフィーリングだ。良くも悪くも前世紀の空気を引きずるタッチでけっして目新しくはないものの、端整かつセンシティヴな筆致はトキサナが好んで描くクールな長身美女にはたしかによくマッチしているように感じる。なおキルタイム恒例のおそろしく情報量の多い単行本紹介ページが当然この作品にも用意され大量のサンプル画像が閲覧できるので、購入するか迷っている方はまず一瞥を。
登場ヒロインの傾向も従来どおり頭身高めのグラマラスガールズが圧倒的多数。大半の女子はハイティーン~20代前半くらいの設定なのだが、ツリ目がちのキツい顔立ちや尖った顎骨など険しいイメージの造形で実年齢よりずっとアダルトな雰囲気だ。その気になればコミカル寄りのほわんとしたキャラメイクもできる人なのだけど、後述するストーリー展開の都合でこのたびは女子どもみな剣呑なアトモスフィア。
収録作すべてが当社刊行のテーマアンソロジーを初出とする関係上、題材も各アンソロの趣旨に沿った特殊系づくし。透明人間に犯され肉便器となり精飲合戦にいどみエナジードレインを食らいウネウネ異物の慰みものとなり部下から下克上され……ってな具合にヒロインがことごとく非現実的な受難に遭いまくりだ。いずれもキルタイム伝統のエロピンチ定番展開で新味はゼロだがそのぶん脳みそのリソースを無用に消費することなく全神経を息子の摩擦運動に集中できる仕掛け。これほどまでにテンプレに徹せられるとむしろすがすがしさすら感じるから不思議。
必然的にエロシーンも問答無用の凌辱堕ちものフォーマットを採用。最終盤でヒロイン逆転劇のある女番長殴りこみ短編「スケバン飲み比べ対決」のみ異色だが、ほかのお話はこの種のネタでお約束なくっころだのチンポには勝てなかったよだのおなじみのシチュがてんこ盛りでなんだかうれしくなっちゃうぞ。強気一辺倒のアマゾネスたちがあまねく男根に犯され無理やり快楽を引き出されてなすすべなく屈服し、最後にはすべての尊厳を奪われながら白目剥き絶頂の光景を大ゴマ使ってドドーンと提示だ。
余人を寄せ付けないクールビューティたちが卑劣な男どもの奸計により四肢の自由を奪われ奇抜な罠に捕らわれてなすがままに豊満ボディをまさぐられ、彼女らは死にたいほどの屈辱に歯がみし呪詛を吐く。必死の抵抗もむなしく下半身を押し広げられ強引に怒張をねじこまれて嗚咽するのだが、やがて執拗に内奥を貫かれ全身をねめ回されるうちいつしか憎悪の叫びは歓喜のそれへと変貌するのだ。いつの間にかハートマーク混じりの嬌声を発し法悦の態で昇りつめてゆく女どもの子袋いっぱいに白濁の塊を叩きつけられたその刹那、ヒロインは随喜の涙を流し敗北の絶頂を迎えメス堕ちプロセス完了。
新鮮味こそ希薄だがガチの定石ゆえに力強い人格蹂躙フルコースを心ゆくまで堪能できる堕ちもの展開の見本市。ただKTCコミックスの常で束が薄くややヴァリュー・フォー・マネーという点で見劣りするのと(以前はわずかながら他社より廉価だったのが現在だとページ数が少ないのに横並びプライスになってしまった)、この版元の単行本としては白抜き修整がわずらわしいほどに大きめで総合評価を若干ダウン。そのへんを鷹揚に受け入れられる方なら鉄板のヒロインエロピンチ物件として間違いない買いものになるかと。このたび収録のものでは、憎からず思う生徒とのプール授業中に透明人間化した同僚教師に犯され激しくイカされて「透明淫惑キューピッド」が女子の造形的にいちばんグッと来たです。

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