2016-08-06

本日の天使禁猟区。

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-なかに「まるだしすたー」文苑堂 ISBN:9784861172502
話○ 抜○ 消小-極小 総合○

兄妹2人のなにげない日常は妹からの過激なアプローチで突如として変容し連作オムニバス6本+忙しさにかまけ会話も途絶えがちな妹の思わぬ痴態を目にして兄は……正続編+独立短編1本+フルカラーショート1本。ふとしたきっかけでおそろしく奇妙な形の愛情確認を行うブラザー&シスターのド派手きわまる交合を特異な演出とともにお送りする超個性派作家の記念すべきファーストコミックスだ。
ガチ成年向けの本格総合誌としてスタートを切った当版元の「コミックバベル」はプロパー作家のほか他誌移籍組や気鋭の新人たちがごった煮状態で現在なかなかおもしろい状況。そんななか他の誰にも似ていない奇抜な作品が掲載され「こんな変な漫画を描くのはどんなやつだ?」と一気にその存在が我が脳裡に刻まれたのがこの人。その後同人誌の方も入手できるものは極力購入のデフォ買い作家と化していたので、処女作発売の報に歓喜雀躍したのは言うまでもない。なお出版社公式にある単行本紹介ページから試し読みへのリンクが用意され、また作者公式tumblr内の発売告知記事より内容サンプルおよび各ショップとの連動企画が確認できるので、先にそっちをチェックしたのちおもむろに書店へ足を向けるのをオススメ。
オーソドックスな一般青年誌系の絵柄はきわ立って個性的というほどではないけれど好感度の高いもので、単行本タイトルどおりにたわわな胸部を景気よくご開帳した少女をフィーチャーのカヴァーイラストの訴求力もなかなか。中身のモノクロ漫画はカラー彩色のそれよりいささかザックリした感触だが、必要以上にトーンワークをうるさくしない端整なヴィジュアルで個人的には好み。しかしながら、なかにの本領はこの比較的シンプルな絵柄からは想像もつかないようなケレン味たっぷりの各種演出技法が横溢する光景にあるのだと気づくのは読み出してすぐ。
コミックス表題や帯コピーでそれと謳うように、今回登場の女性陣はそろって妹キャラ。作中の描写から大多数がJKと推測される彼女らはカッチリした制服が似合うキュートな出で立ち。あどけない系のルックスに大人顔負けのビッグな双丘が標準装備という現在もっとも受けのよさそうな造形でツカミはOKだ。そんな彼女らを見守る数歳年上の社会人お兄ちゃんとの濃厚ラヴ・アフェアがこの本の頭からシッポまでゲップが出るほどくり広げられるって寸法ですよ。
本作コンテンツを構成するのは実質的なタイトル・チューンに相当する冒頭連作「妹のおっぱいがまるだしだった話」が中盤まで、そこから2話構成の「そのあと見るの?」、最後に読み切り短編「ねぇ兄ちゃん」と続く。じつはそのうちバベル掲載のは後半の作品だけで、巻頭シリーズは同人誌のそれをまるまる再録だ。まあいくらなんでも数本のバベル初出物件のみで単行本刊行ができるわけがないと思っていたので残りは薄い本から引っぱってくるのだろうと想像はついていたけど、そういう理由で同人の方も買っていた人は要注意。これらはいずれもNPCすらほとんど存在しない兄妹2人だけで延々くり広げられる現代日本舞台のきわめてクローズドな物語たちとなっており、箱庭のような閉鎖空間でじっくりねっとり展開される近親エロスのあまりの高密度に読んでるこっちも窒息寸前。
かくのごとくお話の輪郭だけをなぞればたしかに帯訴求コピーにある「オールブラコン妹いちゃラブ姦」となるのだが、実際読み進むとそうした形容詞がいかにも空疎に感じるほどの驚異的なダイナミズムが単行本全体を支配していてビックリすること請け合い。序盤数ページほどはわりかしノーマルな会話が成立しているのだけど、途中から妹たちが胸部を露骨に見せつけたり全裸で横たわってリアクション待ちしたり執拗にちんこを凝視したりと強烈なアプローチで兄を幻惑しはじめてから物語の様相がおかしくなる。そのあたりからはフキダシの数も極端に減ってほぼ擬音と変顔アクションのみでストーリーが進行する、なかに特有の不思議空間へといやがうえでも引きこまれてゆくのだ。まるでストップモーションを途切れ途切れのパッチワークみたく配置しながら怒濤のごとく流れてゆくストロングセックスの応酬を前に思わず立ち尽くすこと必定。まだしも科白まわしに甘エロの雰囲気が残存する商業掲載作と比べ同人初出のものは本当に奇天烈なファックシーンだらけで、それはあたかも異次元の超能力バトルのごとし。
唯一無二の独創的な求愛行動に出るエキセントリックな妹の行状に兄たちもたちまち理性や禁忌など投げ捨ててルパンダイヴ。匂い立つ性器に鼻先まで近づけながらもう収穫寸前なヤンガーシスターの発育ぶりに感動しつつ彼女の前人未踏まんこを美味しく堪能だ。機関砲を連射するかのように激しく腰を打ちつけ内奥を亀頭の先でゴリゴリえぐるたびか細い嬌声を発し随喜の涙を流しながら未曾有の快感に打ち震える少女の痴態にいっそう興奮。全身全霊でお兄ちゃんラヴを表明するヒロインズの心底幸福そうなイキ顔を目の当たりにしながら血縁まんこの最深部めがけたっぷりと愛の白濁を注入だ。
前世紀からエロ漫画を読みつけていてたいていのことには驚かなくなっていた自分も、なかに謹製のおそろしく個性豊かなリアクション芸炸裂のダイナミックな濡れ場にはビックリ仰天。このご時世としてはかなりがんばっている部類の薄味性器修整とも併せ、脳みそにとっても股間にとっても得がたい読書体験となる1冊だ。巻末著者あとがきを読む限り商業活動を継続してくれるかどうかは微妙なニュアンスだが、薄い本では今後もアクティヴに執筆してくれそうなので楽しみ。このたび収録のお話たちのなかでは、キテレツ度では若干見劣りするものの引き換えにスウィートな兄妹ラヴっぷりが増量気配な巻末読み切り「ねぇ兄ちゃん」が雑誌掲載時から最愛。

2 件のコメント:

  1. まるまるまる2016/08/09 13:00:00

    私も「ねぇ、兄ちゃん」ではまりました。

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  2. >まるまるまる様

    いつもツイッターの方ではお世話になってますが、こちらでは初めましてです。
    いやーこういう特異な才能の出現をリアルタイムで目撃できるのがエロ漫画読みの醍醐味ですなー。
    過激すぎる作品が並ぶなかでは比較的ノーマルエロに近いノリの「ねぇ兄ちゃん」ですけど、その適度なベタさ加減もこれはこれでよいのですよね。

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