-逢坂ミナミ「生イキ契約」メディアックス ISBN:9784862018168
話○ 抜○ 消小 総合○
コンドームの減り具合を見て彼氏の貞操に疑念を抱いたヒロインは嫉妬に燃え本編&描きおろし後日談+独立短編8本。変態性癖を格好のスパイスにいっそう激しく発情しストロングファックに没頭してはド派手にイキまくりのドスケベ女子連中をメガ盛り状態でお送りする作者最新刊は通算3冊めのコミックスだ。
業界でのキャリアはまだそれほど長くないものの、オーソドックスな健全安全イチャラヴから特殊な趣向が満載のアブノーマルエロスまでなんでも描きこなしてみせる匠の技が光る人。そういいつつ2015年10月リリースの前作「発情の原理」は店頭見本閲覧の段階でヒロインの年齢層がかなり高めなのとフェチ色が強すぎに感じ回避したので(作者さますいません)、こちらで記事にするのは2013年に刊行の作者デビュー作である「とろカノ」(一水社刊)以来。なお出版社公式サイト内の単行本情報ページで内容サンプルが確認できるほか、著者ブログの発売告知記事でより浩瀚な制作エピソードの開示や原画プレゼント企画のお知らせがなされているので、店舗へ直行する前にぜひお立ち寄りを。
おそらくはBL/TL系を出自とする端整かつフェミニンな絵柄がデビュー当初からの武器。コミックス刊行はメディアックスからになったが執筆媒体は現在に至るまで一水社/光彩書房発行の紙/web版成年誌で、今回はそれらへ直近3年以内に掲載のものを収録する。クレジットの古いものは最新のそれに比べいくらか仕上がりが淡泊に感じるものの、適宜加筆修正をほどこしているとのことでトータルの品質は安定。
このマーヴェラスな筆致でもって下はJKから上は子持ちママンまで非常にワイドな世代のヒロインを投下し多彩な需要にお応え。前作をスルーしたのはやたらと大人キャラが多く10代女子スキーの自分的にはつらかったからだけど、今回はティーン含有率がかなり回復しそれが購入に踏み切った理由のひとつ。表紙では引き続きアダルトさんを全面フィーチャーしているので本屋では一瞬手出しを躊躇したけど買ってよかった。お歳を問わず肢体描写はボンキュッボンの巨乳巨尻系一本やりで、頭身高めのトルソにマッチした豊かな肉づきの彼女らに思わずルパンダイヴしたくなること必定。
お話は普遍的なタイマンラヴを基本にコミカルだったりシリアスだったりの多彩な味つけを附加したウェルメイドなもの。後述するように濡れ場での印象はやや変化するのだが、ほのかに意識し合う関係からバカップル状態までそれぞれの段階で恋する男子女子が互いのリアクションに一喜一憂したり徐々に感情が変化していったりの微妙な心象を描くのが抜群に上手い。それらを踏まえたうえでさらにもう一段特殊な設定をひねり出し物語にいっそう奥行きが加わったのが巻末読み切り「熟女子校生」で、早婚早産が奨励され子育て終了後にわずかな数の女性だけが高校進学するようになった近未来を舞台に、周囲の無理解と闘いつつ学業をまっとうしようとする熟女ヒロインとそれを支える少年との恋愛模様を巧みにつむぎ出すさまはあたかも上質の短編小説のごとしだ。
しっとりとラヴ・アフェアを描いたのちは狂騒のエロシーンへと突入。1本あたり20-22ページのさほど潤沢な容量でないなかでもすみやかに本番モードへ切り替わったのちは性器どうしのハードな真剣勝負をみっちりと展開だ。また大半のヒロインがオナニー狂だの露出嗜好だの弱点アナルだのアブノーマルな性癖を隠し持ち、それらをステディな男子の前でだけ全開させ恥も外聞もなくよがり狂うハジけっぷりがきわめて印象的。日常パートではわりかし落ちついた言動の女子が多いだけにいったんスウィッチが入ってからの極端な落差が読み手のさらなる興奮を励起せしめる仕掛け。
たわわな肢体を最愛の彼の前でさらけ出しもちもちの肌を密着させながら女子ども即座に発情モード。執拗に乳首をいじくられ蜜壷をまさぐられて下腹部は早くも洪水だ。呼吸を荒げつつ自分から屹立した怒張へまたがり粘膜どうし激しく干戈を交えはじめる。ゴリゴリ内奥を突き上げられるたびビッグバストを景気よく揺らし瞳にハートマークを浮かべながら淑女の仮面を脱ぎ捨ててエロワードを四方八方へまき散らす光景が淫猥でたまらない。いよいよ感極まりはしたないアヘ顔をあらわに誌ながら昇りつめてゆくヒロインズのドスケベまんこの最深部めがけ熱い飛沫をドプドプぶちまけて女体征服ミッションコンプリート。
ひさしぶりに目にしたこの作家のプロダクトは従来以上に自慰表明支援ツールとしての演出が巧みになると同時にひと幕の恋愛譚としても完成度の高い造りになっていてその成長を実感。なお抜き評価については飛び抜けて使いまくれるいくつかのお話と、それに対しストーリー重視で実用性がいささか後景に退いたり個人的にちんこシオシオになるゴムつきフィニッシュの作品とで大幅に差異が生じ、その凸凹を均してこの評定。まあ真摯にリアリティを追求すればコンドーム着用Hは当然だしそこに作者の誠意を感じるわけですが、中田氏大好きっ漢たる俺としてはうそんこでもいいから全編ガッツリ生で膣内射精にしてほしかったところ。そんなわけで物語的には独創のシチュを十全に生かし切りさわやかなラストまでみごとに走破した前述の「熟女子校生」が、マイサンの慰安的には幼なじみ男子の朝勃ちコックにまたがってオナ狂ヒロインが法悦の態でガッツリ本番たっぷり精液搾取「睡眠姦理」が今作中のベスト物件。
処女作に続きお手に取って頂きありがとうございます。そしていつも熱いレビューを楽しく拝見しております。
返信削除熟女子校生は収録を迷った作品だったのでお気に召していただけてとても嬉しいです!
>逢坂ミナミ様
返信削除かなり失礼なことも書いてしまったのに直々にコメントいただきまことに恐縮やら申しわけないやらですが、ありがとうございます。
「熟女子校生」は基本設定もエロシチュとして反則級にすばらしいのですが、女性に対するネガティヴな視線や迫害といった、エロ漫画ではあまり触れられない部分までダイレクトに描かれているのがさらにストーリーに深みを加えていてよいですよね。収録に踏み切っていただき本当に感謝ですよ。
次回作も手ぐすね引いて待ってますのでw お身体には気をつけて、ますますのご活躍を楽しみにしております。