-ぞんだ「人妻×寝取られ」ティーアイネット ISBN:9784887746411
話○-△ 抜○ 消小 総合○
子供が生まれず婚家で針のむしろ状態のヒロインに義弟がよこしまな企みを吹きこみ不義密通子作りセックス前後編+依頼に応じどんな女でも寝取ってカップルを破滅させる主人公の華麗な活躍連作2話(未完)+独立短編1本。貞淑な奥さまを最愛の旦那から奪い去り身も心もとりこにさせてしまう背徳の裏切りを特大ヴォリュームでお送りするこちらは作者記念すべき処女単行本だ。
総体としてはオールラウンダーながら強いて分類すると年少系よりはアダルトさんを得意とするこの出版社はそっち向けの逸材をどしどし発掘し送り出しているのだが、10代女子スキーで昨今とみに熟女ネタ苦手の自分はどうしてもそうした執筆陣とは疎遠になりがち。しかしながらこの作家については先になん冊か薄い本を購入し、萌え萌えとはいかないまでもわりかしキュート寄りの造形をする人なのを知っていたので露骨な拒否反応なくお試し買いすることができた。とはいえ人妻ものはどっちかというと不得手なジャンルなのでビクビクしながらのチャレンジですよ。
オーソドックスな一般青年誌系のタッチでスッキリとまとまったヴィジュアルは泥くささ皆無の端整なもので、ガチ2次元オタから実写にも親しんでいる一般ピープルまで幅広く受容できそうなタイプのそれ。残念ながら収録作の初出明記がないが、著者あとがきの記述と雑誌バックナンバーとを突き合わせてみると2015年から直近の夢幻転生掲載分を収録のようで作画は当初から高値安定だ。なおTI恒例の詳細な単行本情報ページからサンプル画像の確認や1話試し読みが可能なので、ぞんだ未体験の方はまずそちらをチェックすべし。
この滑らかな筆致から生み出される女性陣はむろんタイトルどおりのワイフ専科で、愛する夫に甲斐甲斐しく仕える身持ちの堅い奥さま勢ぞろいだ。いまだ初々しさを残す元アイドルから同僚と結ばれ幸せいっぱいの女教師、義母にいびられつつも夫とはラヴラヴの美人妻、ダンナと娘と3人でお手々つなぎハッピーなスポーツママさんなど多種多様な人妻ヒロインズはみなさん巨乳巨尻のダイナミックボディを標準装備で、そんな蠱惑的な彼女らがあっけなく奸計に屈し間男との情欲の坩堝へと堕ちてゆくのだからたまりませんね!
あからさますぎるコミックス表題を裏切ることなく、物語はいさぎよいまでにNTRストロングエロス一辺倒。これだけ路線が明確だと寝取り寝取られ大好きっ漢にはこのうえないごほうびだし、逆にアンチNTR君はタイトルだけで速攻回避できるしとよいことだらけ。エロ業界においては定番中の定番な題材だけにストーリー展開はどうしてもテンプレティックになりがちではあるけれど、定石をきっちり踏まえカタストロフへ向けて周到に盛り上げてゆく手腕は新人らしからぬ達者なものだ。またNTRものとしてこの作家に特徴的なのは、いわゆるコキュ(寝取られ男)の悲哀をオミットすることなくすべてのお話に挿入してくること。ヒロインが間男に寝取られているのをダンナや彼氏が最後まで気づかない、もしくは決定的な場面をわざと回避することでNTR感を薄れさせ口当たりよく読ませるという演出はしばしば見られることだが、ぞんだ作品はそうした救いを拒否し愛する女房が他人のものにされてしまったという亭主として最大級の屈辱を真正面から突きつける。別の男の種で孕まされ、全身を拘束されるなか営みを見せつけられ、情交の現場がDVDで映し出され……夫は自分自身のではないちんこの上で一心不乱に腰を振りだらしなく絶頂する妻の姿にただひたすら慟哭するのだ。
1本あたり30~50ページにもわたる長大な容量を利して濡れ場はコッテリ濃厚&ガッツリド迫力。夫への愛情あふれる貞淑な奥さまをすっかり肉欲の獣へと変貌させダンナ以外のイチモツに服従を誓わせるに至るまでの一連のシークエンスを微に入り細に入りみっちりとスケッチ。奇抜なプレイや特殊な器具が登場するわけではないが、それだけにおのが男根だけを武器に人妻を堕としてゆく絶大なるちんこパワーの威力が前面に押し出される。またヒロインを心身とも掌握し制圧したその帰結としての膣内射精シーンはことのほか力強く、子袋いっぱいに白濁がぶちまけられるその瞬間を大ゴマ使っての結合断面図フィーチャーにより読者の脳裡へダメ押しだ。それらを時間経過とともにくり返しくり返し描写し、行為のたびに彼女らの心から夫の存在が薄れ間男のそれに成り代わって上書きされてゆく周到な仕掛け。
道ならぬ営みを忌み恐れおののく女たちも執拗に敏感な部分を責めたてられ幾度となく精を放たれるうちいつしかタブーは薄れ刹那的な快楽に身を任せはじめる。いまや良人以外のサイズを覚えこまされ異なる味に慣れ親しんだ女陰も意に反し歓喜の雄叫びだ。たわわな肢体を存分にまさぐられ内奥を怒張で貫かれてビッグバストをブリブリ揺らしながら下品きわまりないアヘ顔をお披露目。ついには夫の目の前ではしたなく淫語まき散らし別の男へ絶対服従の誓いを口にしてはまたしても大量のザーメンを人妻まんこの最深部に叩きつけられここにNTRミッション完遂。
当初の連載予定が頓挫したらしい巻末連作「寝取り屋本舗」はいろいろおもしろくなりそうな伏線が放棄されもったいなく思ったが、それを糧にして執筆した以降の作品はずいぶんと練られた展開になっていてキャリアの蓄積はムダでなかったのだなと感じる。個人的には他媒体で描いているようなティーンズものも読みたいけれど、どうやらTIではこの路線で突っ走るようなのでよりいっそうエグくエロいやつをお願いしたい。このたび収録のものでは、ママさんバレーヒロインがかつて犯された男の手で再び貞節を踏みにじられ幸福な奥さま/優しい母の顔をドスケベビッチへと変貌させてゆく寝取られプロセスを淫靡かつダイナミックにつむぎ出す「再壊」がマイフェイヴァリット。
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