-牡丹もちと「学校でイこう!」ワニマガジン社 ISBN:9784862694874
話○ 抜○-△ 消小 総合○
クラスの人気者巨乳女子と彼女になにかとイジられる根暗メガネ男子とのハイテンション熱烈ラヴ本編/友人たちも熱気にあてられガチファック続編&全員呼び出し食らって巻末描きおろしショート+独立短編9本。華麗かつダイナミックな筆致でもって性春弾ける全力バカギャグエロスを読者の脳裡に叩きこむ壮絶なギャップがなんともシュールな作者これが記念すべきファーストコミックスだ。なお今回は本来GW突入前に発売の本を遅延レヴュウしていることをあらかじめおわびしておく。それとペンネームはこの綴りで「ぼたもちと」と発音すればよろしいようだ。
時代の最先端をゆく絵柄の執筆陣ばかりを取りそろえる業界のトレンド・リーダーたる快楽天系列各誌のなかでもひときわいま風のタッチな執筆陣がそろうのが「COMIC快楽天BEAST」。そんな誌風を反映しBEAST発のニューカマーたるこの人も見るからにキャッチーな絵ヅラだ。しかしながらいざページを手繰りはじめてみればいきなりはじまる奇怪な雰囲気に驚くこと請け合い。
先に触れたように2017年現在のエロ漫画シーンにあって流行ド真ん中を突っ走るブリリアントな筆致が牡丹もちと最大の特色だ。普遍的なアニメ/ゲーム系の絵柄をベースにシャープネスとオサレ感をふんだんにブレンドした派手派手しいヴィジュアルは万人を惹きつけずにはおれない。事実早いうちから掲載誌の表紙イラストを任されたりもしてその華やかさには定評のあるところ。2015年から直近までのBEAST執筆分を収録と新しめの原稿ばかりでクオリティも高値安定だ。ワニマガ単行本でいつもそうであるように版元公式サイト内のコミックス情報ページでサンプル画像および各ショップ購入特典の確認が可能なので、作者に関する予備知識のない方はまず一瞥を。
このたび登場の女性陣はハイティーンから20代中盤附近のゴールデンエイジ。制服JKに女教師さん、看護師やキャリアウーマンなど定番どころをひととおり取りそろえ(まあ宇宙人なんて変化球も投入してますが)。すっかり巨乳ヒロインの殿堂と化した快楽天系列出身とくれば当然のごとく描かれるのは頭身高めボンキュッボンのモデル顔負けグラマラス体型女子ばかりで、着衣ではとうてい隠しきれない特大ヴォリュームの双丘が魅惑のトーンワークに彩られながら激しく自己主張するさまは壮観。とはいえ顔パーツの配置はリアル寄りなのにフェイス全体としてはどことなくあどけない感じに見えるのがちょっと不思議。あと抜きとは直接関係のない話だが、こういう絵柄の作家だとたいてい相方たる野郎側は健全安全無個性タイプになりがちなところ、むやみに性格描写が濃かったり性癖に変な味つけがなされていたり独特の存在感を放っているのが興味深い点だ。
そしてなんといっても牡丹もちとの独自性が最大限に発揮されるのがそのストーリー面。物語全体のトーンとしてはオーソドックスなラヴコメ基調なのだが、キャラクターたちがみなテンションド高めで異様に空回ったりリミッターなしに暴走する人格の持ち主が男女ともえらく多いのだ。普遍的なイチャラヴでさえむやみに浮かれはしゃぐ彼ら彼女らの高揚ぶりが暑苦しいほどに伝わるのに、一部あるギャグテイストの作品では悪ノリぶりが制御不能になるレヴェルでもはや実用性を阻害しかねないほど。たとえば無防備な富豪若妻が行きつけの自動車整備工場で働く青年とアヴァンチュールをくり広げる「人妻MIDNIGHT」では濡れ場のエロワードすべてが自動車用語に置き換えられ(おっぱいはエアバッグだし精液はガソリンですよw)、ボンクラ美術部員連中の口車に乗せられ顧問女教師が彼らと乱交突入の「ダ・ヴィチン・コード」だとそれがアート関係の語彙に成り代わるといった具合。いずれも最終的にはさわやかにオチがつき恋愛ものとしてきちんと収束するとはいえ、こんなアホまる出しのネームを押しこんだ作者もそれを通した編集もたいしたもの。
1本あたり平均20ページ弱とそんなに余裕のない分量ながらエロシーン密度は意外と高く(しかも前述のバカ話三昧をやりつつである)、牡丹もちと特有のむやみにゴージャスな作画のアシストもあり使い勝手は良好だ。コッテリ濃厚なトーンのお肌にたっぷりまぶされるテラテラの体液がはじけ飛びながら汗だく汁だくファックにいそしむヒロインズはハート目で淫語マシンガン連射とまことに猥褻でよろしい。ちちしりまんこをことさら強調するアングルをこれでもかと多用し擬音やアヘ声の奔流がにぎやかに行き交うムチャクチャ情報量の多い画面が読み手の勃起中枢を効果的にドライヴ。
人の話を聞かないテンパリ娘と全力で勘違いしまくりの暴走野郎とのラヴ・アフェアはほほえましくもひたすらアホ全開。愛の言葉を交わすのも超高BPMでせわしなく豪華絢爛ボディへダイヴインしもちもちお肌の間食を堪能しながら即座にいきり立つ怒張を蜜壷めがけロックオン。たわわなビッグバストの谷間に顔をうずめつつ下腹部は粘膜どうしの真剣勝負にいそしむのだ。タイトに抱き合い激しく腰を使うたびトロトロのイキ顔さらし四方八方へハートマークをまき散らしのぼりつめてゆく彼女のドスケベまんこの最深部へ白くねばつく飛沫を怒濤のごとく叩きつけようやく長きにわたる性の饗宴もフィナーレ。
2017年最新型のタッチでとびきりキュートなおっぱい女子てんこ盛りという部分までは他のワニマガ作家陣と共通ながら、物語パートでの途方もないハジけぶりと湯水のごとくわき出るバカアイディアの奔流とが唯一無二の個性を発揮。どのオハナシも相当な割合でギャグが乗っかっているのでエロにお笑い要素が入るのを嫌う方には不向きだが、そのへんに耐性があるのならちんこのお供として過不足ない働きをしてくれる。ちなみに自分が一部抜き評価をダウンさせたのはそこがネックだったのではなく、最後外出しで終わっちゃうオハナシがいくつかあって膣内射精原理主義者たる俺としては慟哭せざるを得なかったがゆえ。このへんはよほどの必然性がなければすなおに中田氏エンドにしてもらいたかったところだなあ。ともあれ快楽天BEAST物件としてはきわ立って個性的なのは間違いないのでいちどは体験してみることを強くオススメ。このたび収録のものでは、すべての単語をカー用品がらみのネタに置き換えた科白まわしのキテレツ具合に雑誌掲載時から笑い転げた「人妻MIDNIGHT」がネタ的に、関西弁巫女っ娘が自分ちの神社へ参詣に来た童貞柔道野郎と妙ちくりんな勘違いの末なぜか結ばれて……の「八つ袴村」が息子の慰安的にマイフェイヴァリット。
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