-天乃一水「聖堕陰陽」海王社 ISBN:9784796410403
話○ 抜○ 消小 総合○
禁欲を旨とする宗教系学園理事長の娘にして新任教師であるヒロインはある少年との出会いから信念が揺らぎはじめさらに恐るべき真相が明るみに出て……長編7話+両親の離婚で血のつながらぬ妹と生き別れになった主人公は美しく成長した彼女と数年後に再会したのち彼女の毒に飲みこまれてゆき前後編。無垢な聖女は底知れぬ快楽の深淵へと堕ちてゆき、か弱き少女はその本性を徐々に現して……女たちの鮮やかな豹変ぶりをカメラ・アイで冷徹にえぐり出す作者最新刊は抜き物件としての通算11冊めにして本レーベル発の第3弾コミックスだ。
きわめてシャープな作画でものされる頭身高めビューティーズがあられもない痴態をさらけ出すスタイリッシュな作風でならす人。いっときずいぶん熟女専科になって購入を躊躇していた時期があったのだけれど、昨今はまたティーン女子が増え再びマイサンがお世話に。そんなわけで同じ海王社より去年初頭に上梓された前単行本「子宮遊戯」から少々間隔は空いたものの新刊リリースの報を受け速攻ゲットですよ。
いくばくかのザックリ感を残しつつも端整につむがれた一般青年誌系の絵柄は駆け出しのころの不安定さも解消されすっかり洗練された。とりわけ本作は当社刊行の電子配信誌「サイベリア」の直近執筆分ばかりであり、最新型天乃一水の瀟洒なヴィジュアルを堪能できる。出版社提供の単行本情報ページには残念ながらサンプル画像がないので見本チェックは直接店頭へおもむくしかないものの、収録作一覧と簡潔にして要を得たあらすじが記載されているので購入の一助にはなるはずだ。
本作コンテンツは前半部の長編作にして実質的なタイトル・チューン「聖女×調教×覚醒」およびうしろの前後編「蜘蛛の棲む家」からなる2パート構成。底抜けのバカエロからおどろおどろしい暗黒エロスまで幅広く描きこなす人ながら、今回の路線は明確に後者オンリーだ。ファム・ファタールたる義妹の魔力にからめ取られ引き返せない畜生道へ邁進する「蜘蛛の棲む家」の壮絶な読後感もさることながら、純潔教育による人材育成を執り行う学園を舞台に創始者子弟の母娘を巡る愛欲の狂気をヴィヴィッドにつむぎ出す「聖女×調教×覚醒」の、複雑に入り組んだプロットとエロ漫画的お約束を敷衍しつつ華麗に魅せるヒロインの転落劇、そして驚天動地の結末まで息もつかせずページをめくらされる仕掛け。学園理事長令嬢にして処女懐妊から産まれた「聖女」神凪有栖(かんなぎありす)はある日転校してきた少年・斑目うつほ(まだらめうつほ)と出会う。やがて無垢な有栖を欲望のまま犯したうつほは以後たび重なる調教をほどこし、彼女は未曾有の快楽を引き出され新しい自分に目覚めてゆくのだが、じつはその淫蕩はすでに昔日手にしていたものであった――てなわけで以後の波瀾万丈の物語はぜひみなさま自身の目でご確認を。前作では壮大すぎて尺足らずだったストーリーも収まるべきところにまとまり完成度がグッと高まった。オハナシの素材は比較的ベタなアリモノの集積ではあるけれど、それらを手際よく構成しヒロイン転落譚としてウェルメイドに落としこんだプロのお仕事に乾杯。
長編/前後編とも導入からしばらくはストーリー主導で若干じれったく感じるのだけど、待望のヒロイン本番からは堰を切ったようにストロングファック回数無制限。前作のような人体改造系の鬼畜プレイこそないものの、神聖なる学び舎や礼拝堂で人目をはばかりセックスに没頭する涜神の行為にゾクゾク。新興宗教系の学園なのにヒロインの着衣は明らかにキリスト教のシスター姿で、神に仕える身を強引に押し倒し背徳のを所業を強いるほの暗い悦びをヴァーチャルに実感できるのだ。天乃一水謹製の大柄で優美なプロポーションを誇る女性たちが滑らかな肢体を汗みずくにしながらしどけなく乱れ、ビッグコックを下のお口で美味しく飲みこみながら瞳をうるませ法悦の態で絶頂のワンダフルな光景で自慰表明もはかどりまくること必定。
忌み嫌っていた肉欲の悦びに強引に目覚めさせられた聖女は反動で曇りなき笑顔を娼婦さながらの妖艶な貌へと変えすっかり肉棒のとりこ。禁欲の教えに背き2人だけの秘めごとに我を忘れる彼女の完璧な裸体に汚れた体液を塗りたくる。メリメリ音を立てながら突きつけられる怒張の衝撃に体躯を打ち震わせすっかりメスのツラさらして動物そのままの痴態をさらけ出すさまが淫猥でたまらない。幾度となく子宮に体液を受け入れるうちやがて真実に目覚めたヒロインは運命のパートナーとともに果てのない欲望の坩堝へと進んで堕ちてゆき……。
読後感ドンヨリの本格ダークエロス満漢全席であり以前描いていたようなオフビートなノリの作品とはいくらか様相は異なるものの、聖なる存在を穢す邪悪な愉悦をたっぷり味わい君のなかの悪魔もほくそ笑むこと間違いなし。最近では別名義でのお仕事も開始しているので、そちらも含め次回は短いインターヴァルでの新作刊行を期待したいもの。この長丁場で抜き担当ヒロインが実質2人しかいないので彼女らを気に入るかどうかが本作評価の勘所となるが、個人的には清楚なシスター姿で涜神ファックにいそしむ「聖女×調教×覚醒」主演の神の娘・有栖さんも、出会う男すべてを甘美な罠にかけてゆく「蜘蛛の棲む家」ヒロインたる魔性のJK・初音(はつね)たんも両方美味しくゴチになりやした。
0 件のコメント:
コメントを投稿