今期の露地栽培。

-秋「背徳ビッチ」海王社 ISBN:9784796411110
話○ 抜○ 消小 総合○

それと知りながら禁忌を犯す甘美な悦楽にオンナたちは打ち震え短編9本+巻末モノクロイラストギャラリー。手慣れた筆致でもって青い果実から熟れ熟れ奥さままで多種多様なヒロインズがはしたなさすぎるトロ顔披露し連続絶頂のワンダフルな光景を大量供給の作者記念すべき初単行本だ。なお検索がいかにもやりづらそうなこのペンネームは特別のヒネリなしに「あき」と読み下せばよろしい模様。
前世紀末～ゼロ年代初頭までは紙媒体の雑誌も発行していたこの出版社だが昨今はすっかり電子専門。だもんでそっち方面にまったくうとい自分は申しわけなくも当社発の新人はそろって予備知識ゼロなのだけど、こちらはネット上の発売一覧でその表紙にグッと惹かれお試し買いしてみた。ちなみに出版社提供の単行本情報ページで収録作一覧と作品解説が、作者pixivアカウントの発売告知エントリでサンプル画像をおがめるので、初見の方はそれらを確認ののち購入可否を判断すべし。
前述したように購入のきっかけはおそろしく訴求力の高いおっぱいまろび出しカヴァーイラスト。さっそくページを手繰って出てくるのも表紙の印象どおり適度にディフォルメを効かせたキュートなアニメ基調の絵柄。細く柔らかめの描線を用いたまるっこい輪郭の親しみやすい作画はエロ漫画というより一般青年誌のラヴコメなどでもやっていけそうな雰囲気。個別の初出明記はないけど巻末著者あとがきによれば最古のもので2015年秋配信分とのことで、そこから直近作までこの人最新型のタッチを味わえる。
このラヴリィな絵ヅラはいかにも10代女子を描くのに最適なそれに思えるのだけど、登場するのはそればかりでなくオネーサマだの人妻だの年長組もチラホラ。ただそうした大人女性もルックス的にはJKでも通るくらいあどけない造形なのでやはり熟女大好きっ漢にはまったく不向き。このへんの微妙なミスマッチは編集サイドから人妻等のテーマ縛りを指示されたからのようでなるほどと得心。一方でお歳の上下を問わず肢体描写は明確にグラマラス系で、ドドーンと景気よく美麗ビッグバストが盛りつけられたその魅惑の造形は童顔巨乳スキーの俺の期待どおりでありジャケ買い大成功ですよ。
コミカルなラヴ模様から2度と引き返せない情欲の隘路まで物語傾向も多彩ながら、全体としてはダークエロス多めの配分。大半は編集側から主題の提示がありそれに沿って作品構築をするスタイルのようで、NTRだの痴漢だの触手だのシチュそれ自体はやや陳腐ながら起承転結しっかりしたお話運びと手慣れた演出技法を用いストーリー構築は達者。まっさらの新人でこれほど漫画制作が巧みなのも不自然だなとググってみたら、商業活動こそ駆け出しとはいえ同人では二次創作を長いこと手がけていてじつはキャリア豊富。いまでも執筆の主軸は薄い本へ置いているようでこっちへの露出は一種の顔見世興行なのかも。いずれにせよウェルメイドな作劇で女子連中の快楽堕ちプロセスをじっくり堪能できること請け合い。
1本あたり18-26ページと分量にはずいぶんバラつきがあるけれど、物語パートをある程度お約束頼みにしたぶん結果的にエロシーンへリソースを多く割けて濡れ場密度は高い部類だ。ここでも現代エロ漫画必須のアヘ顔や性器結合断面など効果的なテクニックを自在に操る匠の技を発揮する。さらに人妻食いや痴漢堕とされ系などヒロイン転落ものでは彼女らが強気な口調とは裏腹に愛してもいない男の手管に屈し未曾有の快感に身も心も支配されてゆくさまをじっくり執拗に描いており白眉。彼女らの内心の葛藤と抵抗は圧倒的なまでに強烈な性の悦楽に塗りつぶされ、やがてわずかばかりの理性まで喪失してハート目さらし幾たびも昇天のだらしない痴態をお披露目するに至る。
夫以外のちんこや見ず知らずのディックを容赦なく蜜壷へ打ちこまれ激しく抵抗するもやがてエロメスの本性を引き出されいつの間にかその顔は犯される幸福で満面の笑み。滑らかな肢体を乱暴に揉みしだかれ敏感な部分をしつこく刺戟されては呼吸を荒げ四方八方へアクメヴォイスをまき散らす。目にも口からもハートマークをあふれさせ日本語があやふやになり出したら彼女らの絶頂もすぐそこ。もはや脳髄までセックス漬けの彼女らの淫乱まんこの最深部へ滝のごとく白濁の奔流を打ちこまれたその刹那、貞淑なヒロインは獣のごとき情欲の僕へと堕ちてゆくのだ。
事前の予想よりお話/エロともずっと完成度が高くて、従来この人のことをまったく知らなかったおのれの無能を深く恥じた次第。ただひとつだけ納得いかない点があって、せっかく無類に扇情的な性器結合断面描写ができるのになぜか発射シーンでそれをわざと見せない構図が頻出するのがじつにもったいなく涙ちょちょぎれる。放出直前まで粘膜ウネウネをねっとり実況中継してくれるのに射精の瞬間それが隠されて思わず「なんでやねん逆やろ!」とブチ切れしたことも多々。そんなわけでまことに勝手ながら次回作ではドプドプ中田氏フィニッシュのその場面こそ透過図ドアップでフィーチャーしてもらえれば抜き評価は青天井でございますよ。収録物件のなかではやはり人妻よりティーン主演作の方が私的実用性に優れ、痴漢にわざとつきあうフリして告訴のはずが本気ファックにおぼれ最後は大量の男根を飲みこみJKイキ狂い「痴漢専用車両」と、ひと気のない夜の公園で大胆露出の現場を目撃されたヒロインが公開アオカンで絶頂の「夜の息抜き」で大いにヌキヌキ。