2018-02-07

今週のイカ天キング。

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-GEN「リバーシブル・マインド」クロエ出版 ISBN:9784908099472
話○ 抜○ 消小 総合○

おぼこい真面目っ娘とドスケベビッチ、2つの異なる人格が同居するヒロインは片方のやらかした行状のせいで日々トラブルに巻きこまれ……長編7話+独立短編2本。華麗でキャッチーな作画を武器に波瀾万丈のラヴロマンスから問答無用ガチレイプまで多彩な物語をお届けのこちらは作者通算6冊めのコミックスにして本レーベルからの初見参だ。
はじめに深くおわびしておかなければならないのだけど、自分はすでに既刊5冊を数えるこの実力派作家に関しつい最近までまったく予備知識を欠いていたのである。だもんで最初はこの人のことを当版元の看板誌「COMIC真激」発の新人だと思い単行本を購入したのだ。それが注文到着後にググってみたらじつはゼロ年代後半から複数の出版社でお仕事し漫画のみならずゲーム原画や1枚絵まで手がける経験豊かなクリエイターなのだと知り驚愕。自分が常時チェックしていない媒体ばかりでキャリアを積んでいたとはいえおのれの無知っぷりに汗顔の至り。そんなわけで実績充分のヴェテラン作家なのに当稿が初レヴュウとなった次第ですよ。
すっぱだか女子の爆裂おっぱいを全面フィーチャーの訴求力高すぎる表紙/裏表紙がさっそく我々を熱烈歓迎。中身のモノクロ原稿もおおむねカヴァーの印象に準ずる端整なアニメ/ゲーム系の絵柄だ。目鼻立ちくっきりの顔立ちや斜線の入れ方などその描写はちょっとなつかしい雰囲気で、なるほどたしかに絵描きとして長い経歴を持つ人なのだと納得。初出を見るとすべて真激掲載分ながら執筆時期が2012-17年とやたらワイドで、加筆修正がほどこされているとはいえ新旧差はわりと明瞭だ。とはいえ最古の作品からタッチの基調はすでに完成形で極端な違和感はない。なお出版社提供の単行本情報ページおよび作者pixivアカウントの発売告知エントリで内容サンプルをたっぷりとおがめるので、店頭での見本閲覧が不可能な環境の方は先にそちらのチェックを。
このソフィスティケイテッドな筆致から生み出される女性陣は年のころハイティーン~20代前半あたりの黄金世代。いくらか乳サイズに差異はあるけれど総体としてはスラリとした頭身高めのトルソに大ぶりのおっぱいが附加されたグラマラス系の肢体描写だ。メイン級のヒロインにはエロ漫画購買層の最大公約数的需要にマッチした正統派の黒髪ロング大和撫子タイプが多いので世間へのアピールも万全。そんな彼女らが濡れ場ではこぞってド派手な痴態を披露するのだからたまりませんね!
本作コンテンツは大まかに2パート構成で、冒頭からの実質的なタイトル・チューンに相当する長尺もの「STG(stories of tangle gender)」、および後ろの短編2本「RPG(rape playing game)」/「ACT(acme catering train)」から成る。この凝ったネーミングはじつのところお話の内容までもほぼ敷衍するスグレモノの表題なのだが、それについては実際に読んでのお楽しみ。ただ今回は普遍的な輪姦ネタである読み切り作2本はまず措き、長編連載「STG」についての説明にリソースを割く。
夜の公衆便所で大勢の男たちを相手に女ひとり全裸でまんこをおっ広げ幾多の男根を飲みこみ精液まみれ。春華(はるか)と名乗る彼女は金さえ払えば好きなだけセックスさせてくれる正真正銘のビッチだ。夜明けまでただれた行為に没頭した春華の体躯が全員の前でいきなり変化し、それまでとはうって変わり羞恥にほおを染め遁走する。自宅へ戻った彼女は蓮っ葉な口調も影をひそめその生真面目な言動はまるでカタブツ学級委員長さながら。そう、夜は春華として活動するヒロインが昼間活動する本来の姿は引っこみ思案で奥手なOL・秋穂(あきほ)。というわけで清楚な秋穂/淫乱な春華の二重人格が周囲にもたらす騒動をベースに、秋穂の想い人である同僚男子・小手川(こてがわ)とのいっこうに進展しない関係を春華が手引きし結ばれる顛末、小手川に抱かれながらもきっかけが秋穂本人でなく春華の人格であったことに葛藤するさま、そして奔放な春華の撒いた種がもたらすとんでもない災禍などを経て彼らの恋物語は思わぬ決着を迎えるのだが……その詳細については貴方自身の目でご確認を。
春華/秋穂ふたつのキャラクターで体型さえも変化するひと粒で2度美味しい仕様を存分に活かし濡れ場は豪華絢爛。1話あたり20数ページの平均的な容量ながら、GEN特有のダイナミックなコマ割りや緻密なエロパーツ描写からなる非常に密度の濃いファックシーンが続々と読者の脳裡に供給されて勃起中枢の昂ぶりはとどまるところを知らない。加えて短編2本や冒頭長編中盤では情け無用のハードな輪姦がくり広げられ、前後の穴のほか乳首やヘソにまで怒張をねじこまれるのみならずフィストファックまでをも展開の凄惨な情景をフィーチャー。ピキピキちんこvsぷっくりまんこのド派手な肉弾戦がくり広げられるさまを大量の性器結合/射精断面図をバックに従えつつクライマックスへと邁進し、子袋の許容量いっぱいに特濃ザーメン斉射のフィニッシュへと到達。
その豊満な体躯を誇示するかのように見せつけ挑発する淫乱モードでも、恥じらい震えながらそっと最愛の男子に寄り添う清楚モードでも、いざ褥に横たわればその肢体をフル活用し快楽享受に没頭するのだ。完全無欠のゴージャスボディを男の手にゆだねながら敏感な部分を指や舌先で刺戟されたちまち秘密の花園を蜜であふれさせる。濡れそぼったそこへゴリゴリとシャフトをねじこまれ粘膜どうしの摩擦運動をスタート。暴れん棒全体を柔肉の襞が覆いキュッと締めつけながら蠕動をくり返すうち彼女も法悦の態。汗と涙とヨダレまみれのイキ顔を見せつけながら四方八方にエロワードを拡散だ。ニチャニチャ音を立てつつ自分から結合部をこすり上げてはビックバストをブリブリ揺らし未曾有の快感に全身を打ち震わせる。いよいよ感極まり執拗に膣内射精を懇願する彼女のリクエストにお応えし、おぼこ/ドスケベまんこの最深部めがけ白くねばつく液体を怒濤のごとく注ぎこみ性の饗宴もようやくフィナーレ。
作画/作劇とも非常に手慣れたものであり、かつGENならではの一貫したスタイルができあがっているまさにこれぞプロのお仕事。同じような輪姦ものと見せかけつつも異なるアプローチで魅せる後半短編2本もナイスだが、やはり対照的な2つの人格をそれぞれ日常パートにも密接に絡めつつ、ときにコミカルにときに真摯に、肉体だけの交わりも真心通じあう愛の交歓もヴァラエティ豊かにくり広げつつみごとにハートウォームな大団円へとつなげる「STG」の壮大なスケール感に圧倒された。これまでこの作家のことにまったく無知だったおのれの不明を深く恥じつつこんどはぜひ継続的にその足跡を追いかけたい所存。

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