2018-04-02

本日の樽出原酒。

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-山崎かずま「少女神」コアマガジンISBN:9784866531618
話◎-○ 抜○ 消小 総合○

砂を噛むようなさびしい日々を過ごすヒロインはロリオタどもの神となり本編&巻頭フルカラー描きおろし後日談+真夜中の街角で売春志願の制服女子と出会った官能小説家は彼女を家に上げ本編&描きおろし後日談+夏休みの間だけやってきた無愛想な少女に少年は反感を抱きつつも惹かれてゆき本編&冬が来て2人は再会描きおろし続編+独立短編7本+フルカラーショート1本。硬軟自由自在の作劇と横溢するアイディアで思春期入りたて少女の純真だったりミステリアスだったり淫乱だったりの素顔を描き出す作者最新刊は黄色い楕円物件としての通算7冊めにして当社からの3rdコミックスだ。
この作家の存在を最初に知ったゼロ年代末ころはずいぶんマイナーな版元で細々と執筆していた印象だったのだけど、気がつけばいろんな出版社を股にかけ大量の原稿を送り出しさらには一般誌進出まで果たしてといまやいっぱしの大御所。最近の成年向け仕事はコアのコンビニ売り誌「コミックホットミルク」が中心となっており、今回の原稿もおもにそちらへ掲載の作品をまとめたものとなっている。そんなわけで前単行本「おとなのまねごと。」刊行からちょうど2年の歳月を経て待望の新刊がお目見え。
作品集のコンセプトをそのまま具現化したかのごとく神々しいニンフェットがきょとんとこちらを向いたカヴァーイラストはインパクト抜群。中身の白黒原稿もむろん表紙の雰囲気そのままにキュートネス&オサレ感を両立させた訴求力の高いタッチだ。前述したとおり大多数がホットミルク掲載分で1本のみコミメガαから持ってきた収録作たちはすべて2016年以降の原稿と直近のものばかりなので最新型山崎かずまの完成されたタッチを堪能できる。なお出版社公式サイト内の著者別紹介のほか、この作家自身がコミックス刊行のたび用意するやたらと詳細な発売記念特設ページで鬼のようにサンプル画像を見られるので、この作家初チャレンジの方は絶対そっちを見てから書店へgoした方がよいぞよ。
媒体によっては大人女性も描きこなす人だが今回は人外巨乳もの1本以外は10代入りたてからせいぜい中盤くらいまでの思春期ガールズ専科。必然的に体躯の方も華奢な手足にか細いトルソ、起伏の乏しいおっぱいと少女の記号がてんこ盛り。個人的にはメイド・イン・山崎かずまの微妙にもっさいボディラインのおっぱい女子が大好物なので今回ほとんど痕跡がないのはさびしいが、その部分を除けばいつもながらに各種の属性をもれなく散りばめた個性豊かな造形だのクルクルと表情を変えるキャラたちのコケティッシュな魅力だの、この作家ならではのたしかな存在感のある女の子たちが逐次投入されるさまにご満悦。
山崎かずま漫画でもっとも傑出した点はなんと言っても驚異的なまでに引き出しの多い作劇。慎太郎シール誌物件ゆえ強姦輪姦凌辱調教方面へ行くことこそないが、砂糖菓子丸かじりの甘々ラヴから重たい背景をひそませる愛まで、なんてことない日常ありSFティックな展開あり、底抜けのスラップスティックも描けばしっとり叙情派ストーリーもつむいでとおよそどんなタイプの物語も描きこなすことができる。ことにスウィートななかにもどこか切なかったり悲しかったりとほんのりダーク風味を混ぜこんだ複雑なトーンのラヴ模様をやらせると天下一品で、その読み口はエロ漫画というよりは上質の恋愛小説を脳みそのなかでゆっくり反芻するかのような趣。今回はことさら傾向を絞ることはしていないがどちらかというとシリアス寄りの作品が多い印象で、その意味では心に微妙な引っかかりを残すお話の多かった前作の路線を踏襲しているといえようか。
もちろん抜き物件であるからには実用性の追求もおこたりなく、1本あたり20-24ページと平均的な容量のなかにも濡れ場にはたっぷりと尺を取る。プレイ自体はなんの変哲もない1on1のシンプルな肉体言語の応酬となるが、ベッドのなかで組み敷かれたちんまい肢体がやがて愉悦に打ち震え朱を帯びてゆくさまがなんとも扇情的なのだ。ほとんどが成年男性×少女の組み合わせとなり体格差がきわ立つのもさらなる背徳感をかもし出しちんこ的にグッド。その歳でまだしちゃいけないイキ顔さらし未成熟な子宮へたっぷりと白くねばつく液体を注がれ昇天の天使たちのあどけなくも淫猥な痴態にティッシュの消費量もうなぎ登り。
背伸びしたがるお年ごろのおにゃのこはいきなり差し出される暴れん棒にもひるまず果敢にご奉仕チャレンジだ。そのまま先走り汁をお口で受け止めこんどはゴロリとベッドへ転がされ股間をパックリご開帳しレッドスネークカモン。大人ちんこの侵入に負けじと狭隘な膣内をキュッと締めあげるさまは早くもビッチとしての大成を予感させる。いつの間にか自分から激しく腰を使い覚えたての快感に全身をのけぞらせながらあたり一面へハートマークを乱射する彼女のティーンエイジまんこめがけ最後に特濃ザーメンの奔流をお見舞いだ。
少女たちの無垢だったりしたたかだったりの素の顔を見せつけられ野郎どもはうろたえたり振り回されたりしながらもたまらなくいとおしい存在としてそれを受容してゆくたしかな愛の物語をたっぷり摂取しなんだかセンティメンタルな感動を味わえる1冊。その一方でたまにぶちこまれるとことん頭の悪い(ホメ言葉)ドタバタエロもまた心地よいので、両者の適度なミックスを今後ともお願いしたい。このたび収録のお話たちのなかでは、どこかワケありなウリ志願の少女と関係を結び彼女の境遇を知るなかでたしかな絆を築いてゆく「うらはら」/「うらはる」連作と、人類存亡の危機から救われた関西弁同級生男女がどこか間の抜けた掛け合いを演じつつもガッツリイチャラヴの「2190プロジェクト」が私的フェイヴァリット。

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