-下平十子「従属! 蹂躙!! SEX!!!」ティーアイネット ISBN:9784887746909
話○ 抜○ 消小 総合○
抗えない運命に屈し清純な体躯を白濁で汚される少女たちの受難劇連作シリーズ5本&うち1本ショート後日談。すべてをあきらめた空虚な瞳でされるがまま子宮で精液を受け止め続けるヒロインたちの荒涼たる光景をセンティメンタルにつむぎ出すこちらは作者記念すべきファーストコミックスだ。なおペンネームはこの表記で「しもだいらとおこ」と読み下す模様。
自分はこの出版社の雑誌を定期購読していない代わり単行本の方はわりとまめに買っているつもりなのだけど、じつはこの新刊を手にする予定はなかった。もとより予備知識皆無のこの新人作家の処女作を購入するきっかけとなったのは、刊行直前の各種宣伝やツイートで流れてきたいくつかのコマがえらく興味をそそるものだったせい。だもんで急きょ通販サイトに注文を入れ発売を待機したわけですよ。
のっけからアングラ系AVもかくやの激しいフォント遣いにおどろおどろしいトーンの表紙が目を惹く。しかしながらページを手繰り出てくるのはその第1印象とはやや乖離した、一般青年誌系の端整かつ硬質な絵柄だ。巻末著者あとがきによればTIが誇る大人気エロ漫画家・赤月みゅうとのアシスタント出身とのこと。ただ師匠のタッチとはずいぶん雰囲気が違うし、駆け出しの作家ということもありいささかラフな作画ではある。ときおりハッとするように美しいコマも出てくるので、今後の精進次第で安定感が備わればと期待。なお例によって出版社公式サイト内のコミックス詳細ページでサンプル画像の確認や1話試し読みができるので、いきなり衝動買いするのが不安な方はそちらを閲覧したのち購入可否判断を下すのがベター。
今回我々を桃源郷へといざなってくれるヒロイン連中は年のころミドル~ハイティーンの制服女子専科。ただ最近ではめずらしくあからさまな巨乳/爆乳描写のない現実的なバストサイズのおにゃのこばかりで逆に新鮮。そんなわけで体躯の方はきわ立ってアピールするものではないけれど、印象に残るのは彼女らがこちらへ向ける強い意志を帯びた瞳だ。それは状況により怒りだったり悲しみだったり驚きだったり諦念だったりさまざまだが、漫画のコマから現実世界の我々まで深々と突き刺さるかのようなその眼光はひどく読者の心をかき乱してならない。
えらく即物的な単行本タイトルに対し、当版元の看板誌「COMIC夢幻転生」掲載時のそれは内容に則しなにやら叙情すらただよわせるナイスなもの。互いの関連性は皆無のオムニバス構成ながら「彼女は従属する」と銘打たれつむがれる5つのストーリーはいずれもやるせなくほろ苦い。不即不離のいい関係を築いていた少女の裏の姿を知ってしまった少年/継父に性的虐待を受け続けるヒロインはその毒牙が妹にまで延びているのを知り/借金苦にあえぐ父を助けるため中年男にその身をゆだねる少女/交通事故で最後の夏を逸した野球少年たちの夢の後始末/尊敬する剣道部の先輩に対する少年少女それぞれのアプローチ……いずれも信じていたものに裏切られ、あるいはむき出しの悪意に直面したヒロインたちの底知れぬ絶望を容赦なくえぐり出してゆく。彼女らに相対する野郎どもときたら極悪非道の人でなしぞろいで、弱みにつけ込み速攻で襲いかかっては問答無用レイプ中田氏三昧の悪鬼さながら。わずかばかりの善意の少年たちは徹底的に無力/無能な存在として描かれ現実世界ではなんの影響力も持たない屈辱に慟哭するのみ。かくも凄惨な物語をそのまま受容するのはかなりハードルが高く、ご親切にも帯へ「※心へのダメージが大きい作品です」と注意書きが記されているので、甘々イチャラヴなどを希求する向きはすなおに忠告を聞き入れるのがよろしいかと。
必然的にくり広げられる行為は凌辱一辺倒で、ここはコミックス表題が率直に内容を指し示している。1本あたり40ページ内外の特盛りヴォリュームを存分に活かし、女の子が意に沿わぬ相手にその肉体を好き放題に蹂躙され容赦なく精液を注ぎこまれる無残な強姦輪姦満漢全席をたっぷりとお届け。お話の趣向によりタイマンラヴから3Pに乱交とシチュも意外に豊富で、ただただ苦痛にあえぎ屈辱に身もだえする少女らが単なる性欲処理の道具として体よく使い倒される一連の光景を活写する。
絶対に逆らえぬ境遇のもと抵抗の術をすべて奪われて少女は無理やり着衣を剥がされしなやかな肢体をベッドへ投げ出されて男たちのよこしまな欲望の贄となるのだ。いきなり口腔の奥へ怒張を突きつけられご奉仕を強制させられたのち先走り汁を発射されその苦さに涙する。休息など許されずすぐさま下腹部を開かされ濡れてもいない淫裂へ問答無用でシャフトを挿入されまたしても苦悶。粘膜も破けようかという勢いで内奥を貫かれ、せめて避妊をとの叫びも届かず長い時間をかけ大量の孕み汁を子袋いっぱいに仕込まれて今日も肉便器としての夜が更けるのだ。
精神的にも肉体的にも退路を断たれひたすら隷属を強いられる少女たちのあきらめにも似たうつろな表情がせつなくもエロっちい、なんともビターな後味の作者デビュー作。独特の雰囲気はあれど未完成品のそしりは免れない作画や堅さの目立つ女体、そして現代エロ漫画に必須な性器結合/射精断面描写の乏しさなどまだまだ課題は山積だけれど、当初からこれだけ明確にストーリーの骨格を確立しセンティメンタルな趣すらかもし出す作劇はたしかに光るものあり。とにかくこの1冊でその存在をくっきり脳裡へ刻みこんだ自分としては大いに応援していきたい所存。収録された物語たちのなかでは、父が再就職する代償として勤務先社長の慰みものとなる少女とそれを目撃した弟は……の「彼女は従属する~俺の姉ちゃん~」がねっとり執拗な中田氏ファックで義憤に駆られつつ抜きまくりですよ。
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