今季の大逆転勝利。

-inono「校内売春」茜新社 ISBN:9784863497085
話○ 抜○ 消小 総合○

密かに想いを寄せる清楚な同級生女子が生活苦のため身体を売る現場に遭遇し主人公の心は千々に乱れて前後編+独立短編5本。ロリロリフェイス&むっちりボディの萌え萌えハイスクールガールズが滑らかな肢体を大胆にさらしゴリゴリ膣内射精され放題のワンダフルな光景をどこかほの暗い物語に乗っけてお届けの作者当名義でのファーストコミックスだ。ちなみにペンネームの発音は綴りどおり「いのの」と読ませます。
当版元の女子高生専門誌「COMIC高」期待のニューカマーと思いきや、じつはこの人相当なヴェテラン。本人もべつに隠し立てなどしていないしWikipediaに項目まであるので早々にネタを明かすと、「鈴木しげる」の名で平成ひとケタのころにはすでに活動を開始しておりコンスタントに単行本も出していた。その後商業エロ漫画からは遠ざかり同人誌やCG集、はたまた一般誌にも作品を掲載したりと手広く執筆していたものの、数年前から高に参戦しこの業界へ華麗なるカムバックを果たした波瀾万丈のキャリアの持ち主。そんなわけで処女作ながらすでに大御所の貫禄ですよ。
表紙/裏表紙で明らかなように、柔和な描線で描かれる丸っこいラインの作画が特徴的。加えてカラーでもモノクロでもまるで全身にワックスを塗りたくったかのごとき艶っぽいテクスチャがinonoのトレードマークだ。ゼロ年代はとくにCG集での活動が目立っており、その時のスキルの蓄積がこの独特の画面処理につながっているのだろう。茜新社の悪癖で収録作個別の初出明記がないが巻末ですべて高掲載分と明かされていて、であれば直近数年以内の最新原稿ばかりでありクオリティは高値安定。なお出版社提供の単行本情報ページでは書誌データしかないが、著者pixivアカウントの発売告知エントリでサンプル画像と各ショップ購入特典が確認できるので、そちらを参照し絵柄をチェックしたのち本屋へ向かうのをオススメ。
JK専門誌物件なのだから必然的にヒロインはハイティーン専科となるが、ルックスは童女さながらのあどけない顔立ちでもっと年少に見える。それでも昔はさらに瞳が大きくフンワリした造形ゆえティーン以下でも通りそうな雰囲気だったので多少なりとも年齢に応じ描き方をマイナーチェンジしたようだ。一方首から下はド迫力おっぱいに安産間違いなしのビッグヒップが組み合わされた超絶グラマラスボディでこちらは大半の大人がスゴスゴ引き下がる恵体ぶり。それなのに下腹部はまたしてもちびっ娘ティックにたてすじが1本引かれるというじつにアンバランスな肢体描写がなんともたまらんです喃。
そんな彼女らが投入される物語世界はそのソフトな感触にふさわしい甘口エロスで……と言いたいところだけど、実際は多くの作品が人間の心の闇をいやが応にも見せつける真逆のタイプ。仕事を取れなくなった町工場経営の父を助けるため級友に平気で身体を売る少女/痴漢される少女を救うはずが彼女のたぎる性欲に翻弄される男子/大事に見守っていたたった一人の女子部員の純潔が闖入者になすすべなく蹂躙され/引き離されて暮らす姉弟の切ない交歓……。さすがに身体改造やらリョナやらのえげつない趣向はないし数本は軽いノリのお話もあるけれど、絵柄からの先入観で安易に手に取るとヤケド必至。加えてヒロインの窮状に対し傍観者とならざるを得ない構図に男性主人公を置き彼の怒りや無力感といったものを切々とモノローグでつづる系のシチュがモリモリ投入され読者たる我々のハートもますます煩悶。
作品傾向がダーク寄りなだけにプレイ内容もだいぶ殺伐としたアトモスフィア。1本あたり20-28ページと分量に幅はあるものの、女子連中がそのたわわな肢体を好き勝手に犯されたっぷり精液を子宮へ注がれるに至る光景を初手からじっくりねっとり展開する。お顔を凌駕する勢いのエクストララージバストが乱舞し肉厚のスリットから愛液だの黄金水だのが派手にまき散らされるさまを惜しみなく披露だ。いまどきの成年向け物件にはめずらしく性器結合/射精断面描写がほぼ皆無なのがある意味黎明期からの古参作家らしい部分だが、それを除けば現代エロ漫画の濡れ場演出技法はひととおり備わっていて自慰表明もはかどりまくり。
清純そのものの少女はしかしながら奸計に陥れられその豊満な肉体を白日にさらすハメとなる。雄大な双丘を乱暴に揉みしだかれ前人未踏の肉ヒダへ強引に指先を差し入れられてはあどけない顔を紅潮させ無理やりメスの顔をさせられるのだ。執拗な愛撫に辛抱たまらず盛大に潮を吹き、そのままそれを潤滑液代わりに怒張の侵入を許す。激しく腰を使われるたびユサユサと特大おっぱいが揺れ全身汗みずくになりながら四方八方へ甘ったるい嬌声をばらまく彼女の痴態にいっそう興奮。全身をビクつかせながら昇りつめてゆくヒロインのJKまんこめがけ最後に粘度の高い白濁をたっぷりとプレゼント。
ゆるふわ系のラヴリィな作画でキュートネス炸裂の童顔巨乳っ娘がモリモリ登場するのに、その印象とは対照的に理不尽な境遇のもと体躯を男どもにゆだね幾度となく精液注がれまくりの壮絶なお話運びが主流派という強烈なギャップに脳みそクラクラ。さすがに帯コピーでしつこくダーク志向であることを訴求しているのでイチャラヴ好きがあえて地雷を引くこともないとは思うけれど、この掛け値なしのアンマッチを問題なく楽しめる剛の者にのみ推奨したいところ。個人的にはそれよりむしろ大好物の射精断面図がなかったりフィニッシュは意外とあっさりしていたりという部分がもの足りなく感じたので、次作以降はこのへんのブラッシュアップを期待。このたび収録のお話たちのなかでは、純真無垢に見えた同級生が事情ありとはいえさまざまな男たちに身体を許しイキまくる光景を無力な男子が歯ぎしりし見守る「放課後・堕ちた天使」前後編と、こちらはうって変わりノーテンキ風味な先輩男子×後輩女子のほのぼの屋上ファック「うさぎは発情期」がえがったですな。