-カスガソウイチ「赤い糸が繋がるあなたとキスがしたい。」ジーオーティー ISBN:9784814800896
話○ 抜○ 消小 総合○
長躯彼女×短躯彼氏の熱愛カップルはことあるごとに身体を重ねて連作3本+あこがれの年上女性に意を決し告白本編&恋人同士となった2人の甘い日々続編+独立短編6本。絶賛恋愛中男子女子が両者気持ちをぶつけ合いきつく抱き合ってともに昇りつめてゆくさまをホット&スウィートにつむぎ出す作者これが記念すべきファーストコミックスだ。
この人のことを最初にそれと認知したのはもう7、8年くらい前の旧体制「コミックホットミルク」(コアマガジン刊)での掲載作品がきっかけだったと思うが、明らかにいまのエロ漫画のメインストリームとは異なる独特の作風が強烈な個性を放っており驚いた記憶がある。しかしながら作品発表ペースはずいぶん遅く(のちに元来は同人活動メインの人だと知る)、このまま単行本化されることなく歳月のみが流れ去るのだと覚悟していたところ。しかしながら先ごろ新刊予定リストにこの人の名があり予想外のことに歓喜雀躍。発売日までジリジリ全裸待機しリリースとともに書店へ直行した次第。
流麗な描線と透明感あふれるトーンワークから生み出される砂糖菓子のごとき繊細なタッチがカスガソウイチ最大の特徴。前述したとおり業界の主流とはまったくタイプの違う絵柄で、ノーマルラヴ/ボーイズラヴ両刀の同人活動歴から女性の筆になるものとわかり大いに納得したものだ。とはいえ現在の少女漫画絵はそれはそれで別方向へ進化しているので、いわゆる「男が想像する典型的な少女漫画」的な作画と理解するのがよろしいかと。表紙絵のようなカラー原稿もよいが中身の白黒絵の方がいっそうハッキリその美点が浮き彫りになると思うので、この作家未体験の方々にはまず実際に手に取ってその真髄を確認してもらいたい。それがかなわなければ出版社提供の単行本情報ページでサンプル画像や各ショップ購入特典が確認でき、さらに著者公式ブログ内の告知記事では収録作一覧のほか発売にあたっての真摯な思いが述べられているので、本屋へ直行する前にぜひ閲覧しておくのをオススメ。
この華麗な筆致から生み出される女性陣はおおむねハイティーン~20代前半あたりの黄金世代で占められ、黒目がちのうるんだ瞳といつも上気したように赤みを帯びたほおが設定年齢以上に彼女らをあどけなく見せる(ついでに言うと男子諸君もみなやけにキュートです)。それなのに肢体描写はやけに肉感的で、ボンキュッボンのグラマラスな体躯(わずかに例外あり)ともっちりした質感の柔和なお肌が男子の情欲を激しくそそりまくるのですよ。
絵柄以上にカスガソウイチの独自性がいかんなく発揮されるのがそのストーリーテリング。巻末著者あとがきにおいて「いわゆる純愛が好き」と述べられているとおりベースは普遍的な1on1の和姦エロスなのだが、大仰なテーマ性や波瀾万丈の展開はない代わりに同級生あり年の差ありな彼ら彼女らの間で交わされる会話やその思いを吐露するモノローグの文体がやたらとリリカルなのだ。たとえば会えない時間が続く恋人の職場へ押しかけてきたヒロインが彼の股間へがっつき「全身で好きをぶつけに来たんだから 受け止めてよね」(「ミライチラリ」)、あるいは熱く結ばれたあとの平穏な炊事シーンでの独白「並ぶ二人分の体温 日常風景に馴染んでく」(「君色プリンセス」)。ともすればそれは妙に浮世離れして話し言葉というよりはむしろ現代詩めいたものに感じるのだけど、この独特の違和感が我々の生きている退屈で散文的な現実をひととき離れ精緻で人工的ですらあるウェルメイドな恋愛譚として心地よく受容することを可能とする。
大半は20ページ内外のそう多くない分量で日常パートもしっかり描かれることから濡れ場密度は平均的な水準とはいえ、ヒロインが陶酔しきったイキ顔をさらしたわわな肢体を大胆に使役するエロシーンはなかなかに扇情的。ド直球な愛の言葉を2人して過剰にばらまきながらタイトに抱き合い全身を分泌物まみれにしてハードに交合する光景に興奮しきりだ。多くの作品でピキピキちんこ&プリプリまんこがガッチリ噛み合う性器結合断面/射精断面図がフィーチャーされているのもうれしく、多幸感あふれる表情でステディな男子の熱い精を受け止め昇天する彼女らの痴態で我々も気持ちよくフィニッシュですよ。
お互い好きとわかっているはずなのに不安な気持ちを隠せず口にしてしまうけれど、言葉を交わし愛情を再確認すればたちまちラヴはあふれ出し自然に2人は口づけるのだ。着衣の下に息づく肢体を褥のもとあらわにしてビッグバストに指を這わせ下腹部の秘密の花園へ舌を這わせればたちまち甘い吐息が漏れはじめる。執拗な愛撫が続いたのちすっかり発情モードの彼女は自分から淫裂を押し広げ挿入をおねだり。辛抱たまらずシャフトをねじこみ激しく内奥を貫くたび全身を打ち震わせハートマークを四方八方へばらまいてこみ上げる快感にあえぐ姿を目の当たりにしていっそうエレクチオン。いよいよ感極まり自分からナマ中田氏を懇願するヒロインの恋人まんこの最深部めがけ最後に特濃ザーメンの奔流をお見舞いだ。
赤面必至のラヴワードがダダ漏れするなか白濁まみれでイキ狂う女子連中のナイスな艶姿をたっぷり堪能できる、純愛大好きっ漢にとっての聖典がまたひとつ爆誕。すばらしく完成度が高いとはいえ一般的なエロ漫画とはずいぶん作法の違う科白まわしや画面構成に初見の方はとまどうかと思うけれど、それを乗り越えればファンシィ&ラヴリィなマシュマロエロスの桃源郷が待ち受けているのだ。可能ならばもう少し執筆ペースを上げすみやかに2冊め刊行にこぎ着けていただきたいところ。収録作いずれも読んでる最中顔はニヤニヤ股間はビンビンだったが、なかでもメガネっ娘爆乳先輩と初めての夜を迎え彼女のムチツヤボディにおぼれまくり「花粉彼女」と、天然直球完璧超人先輩男子に告白されたおバカ後輩女子は彼と寸暇を惜しんでガチファック&連続膣内射精され放題の「恋との遭遇」でもってティッシュの在庫も枯渇。
0 件のコメント:
コメントを投稿