2018-09-11

本年度の激甚災害。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
-カエデミノル「コットンひゃくぱーせんと」ティーアイネット ISBN:9784887747036
話◎-○ 抜○ 消小 総合○

日本全国津々浦々で花も恥じらうニンフェットたちはその華奢な体躯を想い人の前で押し広げ短編全7本。キュートすぎる方言ガールズがちんまいボディをハードに使役しながらその狭隘な子宮に膣内射精され放題のワンダーランドを精緻きわまりないヴィジュアルとともにお届けの作者これが記念すべきファーストコミックスだ。
当版元の看板雑誌「COMIC夢幻転生」はいわゆる総合エロ漫画誌ではあるものの、従来は年長グラマラス系ヒロインが登場する率がわりかし高かったように記憶している。しかしながらここ1、2年はにわかに変化が起こっていて、以前は明確にマイノリティだったロリものがまだ傍流とはいえグッと存在感を増し単行本も続々とリリースされているのだ。今回評価の俎上に載せるこの作家も表紙をひと目見てわかるとおりの本格つるぺた系であり(いまだ密林リンクが生きているのが信じられない)、夢幻転生を定期購読していない俺は果たしてどんな世界が広がっているのか興味津々ですよ。
そんなわけで胸部フルフラットで頭身のえらく低い魅惑のょぅι゙ょがぼくらをお出迎え。ただ表紙絵だとかなりリアル寄りの絵に見えるけど、中身のモノクロ原稿はもう少しディフォルメが効いた感じだ。といってもいわゆる漫画ティックな造形とは距離があって、かなり細い線ながらメリハリのある独特のタッチから生み出されるそれはほのかにアートの匂いすら感じさせるもの。それこそ往年の「COMIC LO」(茜新社刊)なんかに載ってておかしくないリリカルな味わいが……と思いググってみたら本当にLO掲載分が一部に含まれていると知り心底ビックリ。この出版社にはめずらしく収録作の初出記載があるのだが、夢幻転生および故「BUSTER COMIC」以外に誌名なしで掲載号のみ記されている3本がそれにあたるようなのだ(そう書いてくれればいいのに)。ともあれ執筆時期が2012-18年と相当ワイドレンジなわりに作画の新旧差は少なく、当初からこの作家がある程度完成形だったことがわかる。なおTI単行本には必ず用意されるコミックス紹介ページからサンプル画像および試し読みへのリンクが参照できるので、カエデミノル初体験の方はぜひいちどチェックをば。
この非常にセンシティヴな筆致でものされるヒロイン連中はもちろん期待を裏切らずロウティーン限定仕様(一部人外さんも存在しますが)。黒目がちのきらめくような瞳が印象的な彼女らは頭でっかちで手足の細っこい完全無欠のおこちゃま体型であり、当然のごとく胸部の起伏はきわめてなだらか。そんななかでもトルソはまるっきり寸胴というわけではなく腰が軽くキュッと締まっているのがたいそうエロっちくてよろしいですね。
カエデミノルならではの独自性がもっともきわ立つのはそのストーリーテリングにおいて。掲載誌こそバラバラだが構図としては普遍的な1on1のラヴ・アフェアで最終的には相思相愛の2人が甘やかに結ばれる鉄板のシチュだ。しかしながら舞台をすべて日本の田舎に定め、7短編すべて違う土地でドメスティック・ジャパンの情緒も豊かに恋愛模様をくり広げる彼女らもまた全作ネイティヴ話者の監修をあおいだという濃密なお国コトバを操りご当地感を大いにアピール。冒頭から神戸/北海道/高知/長崎/広島/岩手/長野と辺縁地帯をめぐりながら幼なじみだの行きずりの出会いだの逐次投入される地方色豊かな少女たちとセンティメンタルな愛のハーモニーを奏でるさまはどこか浮世離れしたおとぎ話めいた趣もあり。物語世界すべてが明朗快活というわけではなくそこには男女それぞれに鬱屈した気持ちを抱えていたり逃れられない宿痾に苦しんだりのダークサイドも垣間見えるのだが、けっしてバラ色の人生でないからこそ最愛の人とのかけがえのない逢瀬が彼ら彼女らの心に安寧をもたらし次への一歩を踏み出す勇気を与えるのだ。
2人想いあう気持ちを確認する儀式としてのエロシーンは1本あたり24-32ページの潤沢な分量もありなかなかに充実。相方の大部分が年長男子ということもあり大人ちんこをその壊れそうに細い身体へ強引にねじこんでゆく構図はなにやら犯罪めいてなんとも背徳的。カヴァー下の異様に浩瀚な作品解説にあるとおり着衣エロが主題のひとつとなっていて、単行本タイトルが示唆するとおりのいかにも子供用らしいプリティな肌着を身につけたまま布地のすき間からシャフトをぶちこみガツガツ交合にいそしむのだ。前述の方言っ娘設定はここでも興奮を励起せしめるのに格好のアシストとなっており、素朴な訛りでエロワードを乱射しつつ初めてのセックスにかすかな恐怖とあふれる羞恥に思わずギュッと抱きついてくる少女のほのかに上気した肌の体温を感じながらたっぷりと白濁をそのコンパクトな子宮へ流しこむに至るまでの一連のシークエンスを古き良きニッポンの原風景とともに満喫。
無邪気な子供の顔は愛を意識しステディな彼と対峙することでにわかにオンナの貌へと転じ、やがて少女はみずから着衣をはだけ素肌を晒して肉欲の営みへといざなうのだ。滑らかな肢体のすみずみに舌を這わせられいつしか禁断のタテスジへとそれは到達しほおを紅潮させながら甘い吐息をもらす。ピッタリ閉じた秘密の花園にも蜜があふれ出し準備万端となったところでいよいよたぎる剛直をインサート。彼女らの小さなお尻へ指が食いこむほど強烈にホールドをキメながら全身を抱え上げ激しく抽送をくり返し、未曾有の快感にまだしちゃいけないイキ顔さらしながら華奢な四肢を打ち震わせるヒロインのロリまんこの最深部へ問答無用ナマ中田氏フィニッシュだ。
ガラス細工のごとく磨き抜かれた作画とそれにふさわしく感傷的でロマンにあふれる作劇との幸福なマリアージュが読者を魅了する逸品。おそらくはコンテンポラリーな時代設定のはずなのに21世紀のいまでは失われたノスタルジーを随所に感じさせる独特の空気は他に代替品の見つからないカエデミノルならではの魅力だ。どう見ても量産の利かなさそうなタイプなので2冊め刊行まではずいぶん待たされそうではあるけれど、それだけの価値は充分にあると思える才能のきらめきをみなさまにもぜひ堪能していただきたい。収録作いずれもとびきりいとおしい少女たちの息遣いを疑似体験させてもらえたが、なかでも我が地元たる北海道の酪農家を舞台に最愛の義妹とのひさびさの逢瀬で熱く激しく身体を重ねる「少女サルベージatオーバーオール」と、中上健次作品がモティーフの、高知の曖昧宿で働く少女へ自分が実の兄と明かすことなく禁忌と知りながら精液を注ぎこむ「れでぃかすてら」がことのほかお気に入り。

0 件のコメント:

コメントを投稿