2018-09-29

今週のサーヴィス・パック。

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-荒田川にけい「おひさまはまわる」ワニマガジン社 ISBN:9784862695833
話○ 抜○ 消小 総合○

世界のどこかで懸命に生きる少女たちをきつく抱きしめ愛を交わして短編10本+巻末描きおろし漫画/ミニ後日談。ワールドワイドを舞台に据えふんわり繊細な筆致でもって発展途上ガールズの性の目覚めをときに甘くときにビターにつづってゆく作者これが記念すべきファーストコミックスだ。なお筆名はこの綴りで「あらたがわにけい」と読み下せばよろしい模様。
創刊以来ずっと購入している当版元唯一のガチ成年誌「コミックゼロス」はなんどかの転機を経験しつつもすっかり業界に定着。体制は変革しても常に新戦力の投入をおこたらないのがポリシーで、ワニ社内でも誌面の代謝は速い部類。そんな同誌に数年前から載るようになったこの人もゼロスでは明らかに異端ながらその特異な作風で初手から独特の存在感を放っていた。そこから順調にストックもたまりこのたび無事初単行本リリースとはまことにめでたい。
表紙を彩るパステル調の淡い色合いとちんまり柔らかなフォント遣いはこの界隈にありがちなAVパッケージさながらのドギツいカヴァーイラストとは対極に位置する。ページを手繰り出てくるモノクロ絵もまた同様に繊細なタッチで、細めの線をあまり情報量を詰めこまず這わせた柔和なラインがまことに美しい。日ごろ抜き特化のギトギトなエロ絵ばかりを見慣れた身には新鮮ですな。さっそく巻末の初出一覧をチェックすると、最古の作品が「COMIC快楽天XTC」掲載分のほかは2016-18年にかけゼロス誌上に発表されたもの。巻末描きおろし漫画のようにわざと筆致を変えているもの以外はおおむね安定した作画で、表紙に惹かれての衝動買いも安心のデキだ。いつものように出版者公式サイト内の単行本情報ページでサンプルを閲覧できるので、心配性の貴方も大丈夫。
後述するストーリー構成にも関連して、登場する女の子は地球上のあらゆる場所から選りすぐりの美少女たち。コーカソイドだったりモンゴロイドだったり肌や瞳の色に多少の差異はあれど、みなさん天使さながらの優美で愛らしいニンフェットぞろいでまことに眼福ですよ。大半がロウティーンと思われる彼女らは当然華奢な体躯とささやかな胸部とを標準装備で(わずかな例外あり)、折れそうな手足や肉付きの薄いお尻などコンパクトボディの魅力を全力で振りまくさまに好事家も興奮しきり。
全作独立の読み切り集合体となる多彩な物語たちはひとつだけ一貫したルールがあって、それがヒロインの外国人設定なのだ。必然的にオハナシの舞台も日本へ北欧美少女が滞在している体の1本を除けば遠い海の向こうのどこかとなり、いくつかの特徴的なアイテム――民族衣装だの命名規則だの特産物だの――によりおおよそどの国にあたるかが判別できる仕掛け。作者の趣味の問題で大半が欧米でその他アジアが数カ所と偏りはあるけれど、多くの読者の想像力もアフリカの奥地や絶海の島嶼などには及ばないのでこれはこれでよろしいのでは。世界津々浦々でなにげなく生活している異国少女たちが愛に目覚め肉欲を知りオンナへの一歩を踏み出す、そんな心身の成長の過渡期にたたずむ彼女らの揺れる胸の内を叙情豊かに描き出し白眉。それはけっしてオールハッピーのバラ色ではなく、ときとして残酷な現実やアモルフな心情との相克であったりもするのだけど、だからこそそんな障壁に対し真摯に相対する女の子たちのけなげなアティテュードが尊くまたいとおしいのですよ。
明確にストーリー主導型の構成のうえ全作20ページ以下のタイトな分量で濡れ場はけっして潤沢ではないけれど、エキゾティックな雰囲気のなか無垢な少女たちが初めての悦びに開眼してゆくさまを訥々とつむぐさまはなかなかに淫猥。未使用もしくは開通したての狭隘な蜜壷をゴリゴリ押し広げながら容赦なく白濁を注ぎこむ光景はその牧歌的なタッチとのギャップもあり非常にクるものがある。その歳でまだしちゃいけないイキ顔さらしちんまい肢体を打ち震わせながら未曾有の快感に目覚めてゆくヒロインの艶姿で自慰表明もはかどりまくり。
無邪気に笑う子供の顔を早くも一人前の女のそれへと変貌させながら彼女らはその小さな身体を男の目前にさらけ出す。おずおずと男根をお口に含みたどたどしい舌遣いでのご奉仕に辛抱たまらず先走り汁を発射だ。休むいとまなど与えずこんどは細腰を抱え上げ屹立したままの怒張をワレメへとあてがってその奥へゆっくりインサート。激しく腰を突き上げるたび瞳はうるみほおを紅潮させながら小刻みな嬌声をもらす少女の初々しい反応にいっそうエレクチオン。男の体躯に固くギュッとしがみつきながらいままさにファーストアクメを迎えんとするヒロインの異国情緒まんこめがけ最後にザーメンの奔流をお見舞いだ。
コッテリ濃厚作画でもっておっぱいブルンブルン&問答無用ナマ中田氏連発という昨今のトレンドとは対照的な、ふんわりと綿菓子のようにソフト&スウィートな感触が我々の殺伐とささくれだった心を癒してくれる一服の清涼剤。しかしながら物語のそこかしこに現代世界のシビアな情勢を想起させることも忘れない巧みな作劇はこの作品がメルヘンワールドではなくまさに21世紀のリアルを描いているのだと知覚させてくれる。いまのこの界隈の潮流とは一線を画したこの才能を商業誌へ引っぱり出してきた編集の慧眼に感服するとともに、なによりもすべて舞台設定を違えヴァラエティ豊かな少女たちのささやかな性愛のドラマをおのおの異なる形で描き出した作者の豪腕に乾杯。どの作品も興味深く読み大いに発電させてもらったが、なかでも短躯巨乳っ娘が経営不振の雑貨屋維持のため不本意にも我が身を提供の「ナナさんの背比べ」と、長い冬の寂寞を兄との交合で埋める少女は街の青年たちにも身体を許して「オーロラひめのシルエ」でもって包皮も灼けるほどにマイサンを活用。

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