2018-10-25

今宵の敗北乙女。

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-chaccu「聖女の献身」キルタイムコミュニケーション ISBN:9784799211915
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

想い人である勇者にかけられた呪いに従い嫌悪する男に日々抱かれるヒロインはやがて自分の意志とは裏腹にめくるめく快感に目覚めて……表題作長編8話&描きおろしエピローグ。清純そのものの少女がいつしか肉欲のとりことなり身体までセックス専用に作り替えられド派手に絶頂するに至る凄惨かつ壮絶な転落譚を一大スケールでお送りする作者最新刊は通算7冊めのコミックスだ。
まずまっ先におわびしておかねばならないが、すでにこの業界で10年以上にわたる活動を続けるいっぱしのヴェテラン作家であるこの人について自分はまったく知識がない(なにせこの筆名で「ちゃっく」と読むのだとたったいまわかったばかり)。というのも検索してみたところメインの執筆先が雑誌ではなくテーマアンソロジーなので、以前からそうした媒体とは無縁な性分ゆえその存在に気づかなかったのだ。そんなわけで経験豊富な漫画家ながら俺にとっては初見ゆえ以後トンチンカンな記述がもしあってもどうかお許しを。
今回不見転で購入する理由にもなったキュート&キャッチーなカヴァーイラストがまずは我々を熱烈歓迎。中身の白黒原稿も表紙の印象どおり端整なアニメ/ゲーム系の絵柄で、なんら破綻のない描線と淡泊すぎずうるさすぎずの適切なトーンワークがたしかなキャリアの蓄積を感じさせる。描きおろしパートを除き当版元のテーマアンソロが初出となる収録作たちは2016年以降の最新原稿ばかりで品質の高さは折り紙つきだ。例によって異様なほどに浩瀚なKTC公式サイト内の新刊情報ページでサンプル画像がたっぷりおがめるので、近所に見本が立ち読みできる書店のない方でもチェックは容易。
巻末著者あとがきを読むとふだんはエロゲや小説のコミカライズ連載を手がけているようで既刊案内にはその手のタイトルがズラリと並ぶのだが、本作はそんなこの人初挑戦となるオリジナル長編とのこと。過去作と同様にいかにもキルタイムっぽいファンタシー風味の物語ではあるものの、原作なしでイチから壮大なストーリーを構築せんとする強烈な意欲が前述あとがきや各種設定画から横溢しておりナイスだ。
剣と魔法が支配する世界のとある王国、魔物の攻勢に遭うなかひとりの勇者が立ち向かう。そして常に最前線に立ち戦う彼に寄り添い傷つく兵士を癒して回る聖女・ララリィ。2人はまたお互い深く愛する仲でもあり、闘いが終わり平和を迎えたのちの将来を誓い合っていた。そんな彼らに相対した魔王は勇者に邪悪な呪いをかける――「己の愛する女性が己のもっとも嫌悪する男性と性交することでしか強くなることができない」。かくして勇者が勇者であるためにララリィは愚劣なこの国の第三王子・ピグスンと交わる恥辱を受け入れその清純な肢体を日々蹂躙されるのであった……というわけでいわゆるNTR凌辱調教が世界平和のためにあくまで当事者の意思で執り行われるという非常にえげつない基本設定を考えついた時点で作者の勝ちですね。蛇蝎のごとく嫌う相手に自分のオンナが毎日抱かれ肉体を開発されてゆくこの屈辱! しかしそれを選んだのは勇者と聖女2人自身なのだ。究極の矛盾に葛藤し身もだえしながらもララリィは前後の穴を犯され勇者の目の前でイカされて愛する人以外のちんこで絶頂する。ついにはよこしまな魔術で肉体改造までされどこへ出しても恥ずかしい一人前のビッチへとモデルチェンジした彼女は大勢が見守るなだらしないアヘ顔さらしなん度も膣内射精されてはその都度昇天し続けるのだ。さらにchaccuはようやく戦が終わり平和を迎えた世界とその後の彼らとを描くエピローグにおいてもういちど悪魔的なトゥイストを効かせたのち物語を締めくくる。この最終盤におけるララリィの独白を目の当たりにしてこの手の作品にはそれなりに耐性のできている自分も思わずゾッとさせられましたよ。もちろんその詳細についてはみなさま自身で読んでのお楽しみ。
純真無垢な少女がドスケベビッチへと堕ちてゆくその一部始終を頭からシッポまでみっちり充填のエロシーンは質量とも充実でティッシュがなん箱あっても足りないほど。1話あたり24-28ページのそれなりに潤沢な分量の大多数が濡れ場に費やされ、聖女ララリィが多種多様な恥辱にさらされ各種の責めシチュのもと無理やり性感を開発され続ける光景を活写だ。華奢な体格につつましいお胸をお持ちだった彼女もパツキン日焼け肌に淫紋まで附与されいつの間にか巨乳化させられてすっかりそこらのギャル同然ですよ。ちんこなしでは生きられない淫蕩なケダモノに造り替えられゲスい王子の男根に永遠の忠誠を誓いながら受胎確実の孕ませ汁を子宮の奥へ際限なく注ぎこまれ続ける壮絶なセックス曼荼羅が読み手の股間をダイレクトドライヴ。
ド直球なヒロイン寝取られをしかしながら物語のなかでみごとに合理化し彼ら彼女らがその境遇を甘受する苦渋の決断へと至る作劇の冴えと、純真な聖女を淫蕩な牝犬へとメタモルフォーゼさせてゆく多彩な性戯の数々を怒濤のごとく積み上げたストロングファックとの両輪花咲く力作だ。個人的には無理に外見をギャル化させなくてもと思いもするけれど(ゆえに実用性評価を一部マイナスした)、セックスのなんたるかも知らない女の子がすっかりハート目アヘ顔炸裂淫乱ビッチへ変身するさまはたしかに股間にハードヒットしますね。予備知識ゼロでの無謀な挑戦だったけど、今後はぜひchaccu作品を継続的にチェックしていきたい。

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