2019-11-04

本日のトワイライト・エクスプレス。

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-藍夜「カノジョのジジョウ」ワニマガジン社 ISBN:9784862696700
話○ 抜◎ 消小 総合○

ふとしたことから3姉妹は自分自身の恋人そっちのけで姉や妹の彼氏と関係を持ち連作3話+たびたび訪れてくる女教師に不登校少年はほのかに恋心を抱くも……本編&描きおろしショート後日談+独立短編5本。おのが肉欲に屈し想い人以外の男に抱かれて下品きわまりないアヘ顔見せつけながらよがり狂う女たちの浅ましき痴態を冷徹につづってゆく作者これが記念すべきファーストコミックスだ。なお作者名はこの表記で「あいや」と読ませます。
じつはこの作家についてはじめて知遇を得たのはワニ物件ではなくいまは出版形態の変わった茜新社のJK専門誌「コミック高」でのこと。駆け落ちカップルの逃避行を応援しているはずの老人が女の子を寝取るというとんでもない作品で驚愕するとともに「世のなかにはこんなにドエロいティーンズを描ける人がまだいたのか!」と蒙を啓かれたのを覚えている。衝撃も覚めやらぬまま薄い本などもあさってみたのだけど前述の商業作品を含め貧乳っ娘ばかりで「このお話のノリでビッグバスト女子を描いてくれたら最高なのになあ」とずっと思っていたらなんとあるとき快楽天に巨乳ヒロインを引っさげ初登場したものだから欣喜雀躍ですよ。以後掲載ペースは緩慢ながらも順調にストックはたまり、このたびついに念願の処女作リリースにまでこぎ着けてまことに善哉。
愛らしい笑顔ではなくどこかイッてる風で唾液など浮かべている発情フェイスの女の子を前面フィーチャーの表紙が初手から穏健イチャラヴ本ではなさそうだと脳裡にアラートを鳴らす。いくばくかのザックリ感を残しつつも端整な絵柄はあまりうるさくない量の描線を効果的に活かしたスタイリッシュなもの。エロ漫画というよりは美大漫研とかコミティアなどにいてもおかしくないタイプだ。いつものように収録作の初出を確認すると描きおろしパートを除き2017-19年にかけての快楽天掲載分をまとめた模様で筆致は安定。なお出版社提供の単行本情報ページおよび著者pixivアカウントの発売告知エントリから内容見本や一部ショップ購入特典を参照できるので、いきなり本屋へダッシュする前にそれらをチェックしておくのをオススメ。
この完成度の高いヴィジュアルでもって同人ではロウ~ミドルティーンのちっぱい女子をもっぱら描くのだけど、快楽天ではさすがに読者層を考慮して10代後半からアラサー附近までとヒロインの年齢を上方向へスライド。加えてバストサイズも明確に増量して(といっても爆乳作家多数のワニにあっては相対的にささやかな部類)おっぱい星人の俺大歓喜。一部貧乳さんも存在してますがこれだけみごとなパイオツを並べてくれれば文句などございません。日常パートではお日様のような笑顔を見せてくれる彼女らが濡れ場突入するや淫蕩なメスへと変貌しヨダレダラダラたれ流しながら全身全霊でイキ狂うのだから女の子ってやつはおそろしいです喃。
藍夜作品最大の特徴にして商業/同人問わず変わらないトレードマークがその不穏度100%のストーリーテリングだ。さすがに元コンビニ売り誌の快楽天掲載分だけに形だけは合意エロの体裁を整えるが、やっていることはほぼ9割方が寝取り寝取られの情欲地獄絵図。とりわけ実質的なタイトル・チューンに相当する冒頭連作「次女の事情」/「三女の事情」/「長女の事情」は、彼氏持ちの3姉妹がそれぞれ別の姉妹のオトコと寝てしまいあまつさえ恋人えっちより盛り上がるというスワッピングNTRトライアングルがゴリゴリ展開されており、運命の相手と結ばれ永遠に添い遂げるタイプのエロ漫画しか読みたくない人は絶対に近づいてはいけない劇薬でございますよ。その他の読み切り群も夫に内緒で若いツバメにハマるわ少年の恋した相手を目の前で実父に奪われるわ彼氏の上司のちんこにおぼれるわの壮絶な関係がカメラ・アイで冷徹に描かれる。セックスの快楽を前にすれば理性などたやすく脇へ除けひたすら刹那的な行為だけに没頭してゆくオンナという生きもののどうしようもない残酷性をこれでもかと読者の脳髄へ刻みこんでゆく作風は人によってはトラウマになりそうで心配。
むろんエロ描写も酸鼻きわまりない作劇に負けず劣らずの――いやむしろ輪をかけてハードコアなもの。1本あたり20-22ページのわりかしコンパクトな分量にもかかわらずけたたましい嬌声がまき散らされ大量の体液が飛び交いながらの浅ましい情交が無限にくり出され壮観だ。ことに全身汗みずくとなりヨダレや鼻水まで飛び散らかしながらだらしなくハート目アヘ顔を披露のえげつない絶頂描写は白眉で、擬音も淫語乱射も一緒くたに科白を叩きつけながらドプドプ膣内へ精液注がれケダモノじみた咆吼を発するヒロインの痴態でもって無限にシコれること必定。
好きでもない男の腕に抱かれ嫌悪と屈辱の表情をあらわにするもそれは最初だけ。執拗に敏感な部分を責めたてられ無理やり快感を引き出されるうちやがて期待と歓喜に満ちたメスの貌をあらわにしついには自分から挿入をおねだりするのだ。激しく内奥を貫かれるたびだらしなく巨乳を揺さぶり柔肉をキュッと締めつけながらめくるめく衝撃に全身を打ち震わせるさまはもはや本能のみに突き動かされる一匹の動物のごとし。四方八方へハートマークをまき散らし口元から唾液を垂れ流しつつしきりに種つけを懇願する彼女の願いどおり特濃ザーメンの奔流を2度3度4度とその淫乱まんこへめがけてお見舞いだ。
(当時)慎太郎シール誌へ掲載されたものとは思えない愛欲泥沼曼荼羅を遠慮なくくり広げた作者のチャレンジャブルな姿勢とそれを許した担当編集の広い度量に乾杯。そしてなんといっても「巨乳っ娘の出る藍夜作品が読みたい!!」という俺の切なる願いをかなえてくれたことに圧倒的感謝ですよ。コンビニ売りシバリから解放されたことで題材のチョイスも制約がゆるくなるだろうから、今後はいっそうリミッターを外したドエロく壮絶な藍夜ワールドを展開していただきたい。収録作いずれも息子がお世話になりまくって、三者三様NTR模様をくり広げる冒頭三部作はむろんのこと、不登校児のケアのはずがその父親の手で女の歓びを教えこまれたヒロインが幾たびも絶頂「ねぇ? 先生?」や、唯一寝取られ構図ではないもののワケアリ女子が欲望のまま子作りセックスに耽溺の「梔の花」など読ませて使える鉄板物件が目白押しで亀頭の乾くヒマもありません。

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