2020-08-16

今週の無伴奏混声合唱。

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-ひげなむち「あそばれスタイル」ワニマガジン社 ISBN:9784862697257
話○ 抜◎-○ 消小 総合○

奔放な姉と堅物な妹と2人それぞれの性愛のカタチ連作2本+独立短編7本(うちネーム交換企画による他作家原作作品1本)。流されるまま背徳の関係を持ち刹那的な肉欲に耽溺しては子宮の奥へ大量の白濁を注がれイキ狂うキュートガールズ&レディースの猥褻すぎる行状をヴィヴィッドに描き出す作者最新刊は通算5冊めのコミックスだ。
いまではあまり想像のできないことだけど、10年ほど前の「COMIC快楽天」は総合エロ漫画誌というよりはだいぶ熟女/人妻寄りの路線を採っていて、それゆえに青い果実スキーの自分はそのころ定期購読をしていない。しかしながらちょうどこの作家が登場し誌面に定着したあたりからヒロインの年齢層がだいぶ若くなったのを覚えている。そんなわけで童顔巨乳大好きっ漢ならマストバイのこの人も現在はすっかり同誌の大黒柱。執筆ペースも堅調で、2017年末に上梓された前単行本「桂さんちの日常性活」からおよそ2年半の歳月を経ての新作リリースである。
デビュー当時も2020年のいまでも、鋭利な部分がいっさいない柔和なタッチはどちらかというと快楽天執筆陣にあっては異質の存在。コテコテにトーンを効かせまくった濃口の画面に慣れきった身にはシンプルに見える画面処理だけど、それでいて微妙な表情変化だとかお肌が体液で濡れそぼつ様子などが過不足なく描かれるのだからやっぱりこの人の表現力は卓越したものがあると思う。前作刊行直前から今年前半にかけての快楽天執筆分と収録原稿も近作ばかりゆえ筆致も安定。いつものように出版社公式サイト内の単行本情報ページで内容サンプルを確認できるので、ひげなむち初心者の方は手はじめにそちらのチェックをば。
前作では女子のお歳がやたらとアップしていたけれど、この新刊では制服女子中心の従来路線へ回帰。そう言いつつキャリアウーマンだのミドルティーンだの上下方向に変化球も用意して抜かりなく各方面へ配慮だ。附随しておっぱいサイズも基本巨乳ながら並クラスの方も数名いてこちらも多様な嗜好に対応する。誰もがほっこり愛らしい丸顔のそんな彼女らがいざ本番突入すると突如メスの顔をさらけ出し快楽享受にえげつなく没頭しまくるのだからたまりませんね!
続きものメインだった前の単行本から読み切り主体(唯一の連作もそれぞれ独立した作品として読める)へシフトし、そのぶんこの作家特有のねっとり執拗な「ナガサレ」ネタの破壊力は薄まった感じ。そうは言っても恋人持ちヒロインは浮気するわ純情カップルはアプリ調教で間男の侵入を許すわ乱交グループから逃亡した女子はあっけなく元サヤだわの道徳破壊シチュがズラリと並ぶさまはさすが天性のアモラル作家。とくに愛があるわけでもない相手にあっけなく身体を許しインスタントな関係に耽溺してしまうオンナの本能をあけすけに描き出すこの光景こそひげなむち漫画の真骨頂でございますよ。あと快楽天の企画で同じ雑誌で描いている「きい」の切ったネームで漫画を描いたものが1本存在しているのだが、こちらは正直それほどピンとこなくて、やっぱりひげなむちという人は絵も話も完全に不可分でありセットでの個性なのだなあと思った次第。
一見ファンシィな絵柄でありつつもねっとり濃厚かつ執拗なまでの連続膣内射精描写がデフォルトというこの作家の濡れ場描写はまさに珠玉。1本あたり20-24ページの比較的タイトな容量のハンディをものともせずガツガツとナマ中田氏&トロトロアクメ顔披露の黄金コンビネイションでどこまでも押し切るパワープレイにぼくらの股間もエレクチオンしまくりだ。とりわけほおを紅潮させだらしなく各種体液をたれ流しながらの幸福感に満ちたイキっぷりを見せつけつつ下品な音を立てて膣内深く濃厚ザーメンを流しこまれるフィニッシュシーンの悪魔的な破壊力はひげなむち唯一無二の強力な武器であり、強者ぞろいの快楽天執筆陣のなかにあっても常にトップグループでいられるゆえん。
最愛のあの人とは違う男根を押し当てられながら言葉巧みに言いくるめられて彼女はいつしか抗えずに下腹部の秘密の花園をオープンしてしまう。ゆっくりとねじこまれるシャフトの感触に一瞬とまどうも激しい抽送を開始されてたちまち目前の快楽のとりこ。狭隘な膣内を乱暴に押し広げられてはハードに腰を使われるのにシンクロして瞳をうるませだらしない嬌声を恥も外聞もなく周囲にばらまき続けるのだ。せめて避妊だけは……という最後の理性も突き抜けるかのごとく強烈な性の愉悦に押しのけられ、ついには自分から膣内射精を懇願してはリクエストどおり大量の特濃孕み汁を子袋の許容量いっぱいにぶちまけられてフェイナルアクメ。
長編作品がないぶん墜ちてゆく過程をじっくり堪能したい向きには欲求不満が残るかも知れないが、ワン・アイディアを活かしたお手軽背徳エロスをサクサク摂取できる今回の新刊は、ひげなむち入門としてはむしろ格好の物件かと。個人的にはあまりにもヒロインの平均年齢が上がりすぎた前作から10代メインに戻ってくれその意味で福音。巻末著者あとがきでいささか不穏な発言を述べているのが気になるところだけど、引き続き誰もマネのできないひげなむちワールドを展開していただきたい。こちらに収録のお話たちいずれも包皮が発火するほど愚息を活用しまくったけど、初々しい彼氏彼女の横合いから催眠アプリの力でこっそりまんこ横取り「Sweet Time」と、サッカー部マネジが敵情視察ついでに相手校男子と濃厚中田氏ファックの「One for all!」が本作中の私的ベスト案件。

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