- 夜天月「奥まで愛して。」富士美出版 ISBN:489421668X
成年向け名義処女作短編全11本。一般ではファンタシー系ばかり描いている印象だったのだがエロではオーソドックスに現代日本もの。
体裁は1話完結もしくは2話連作だけどそれぞれの登場人物たちがリンクしているのでこうして単行本でまとめて読むとおもしろい。大ヴェテランだけありそのへんの仕掛けの巧みさはたいしたもの。成年向けというよりはレディコミの匂いを濃厚にただよわせるものではあるが性交描写も想像していたよりはずっと実用的で、これでもう少しエロ総量が増せばいうことなし。
とはいえ90年代どころか80年代マニア系のそれを思わせる時代がかった絵柄がなんといっても受容のさいの最大の障害となろう。表紙・裏表紙の彩色のセンスとか中身のモノクロ絵のトーン処理とかがいかにもエロゲ世代以前というか。個人的にはティーンズくらいのキャラならまだいいけど年齢が上がるにつれて厳しくなるかなーという感じ。このへんは場数をこなしていけば改善されると思うので今後に期待しよう。
それにしてもまさかこの人がエロ漫画に流れてくるとは想像もできなかったよ。厦門潤がいきなりエロをやり出したとき以来の衝撃。
- 神嶋竜矢「フリップ×フラップ」茜新社 ISBN:4871828271
オール短編全8本。ちょっとなつかしめのアニメ系の絵柄でお話的にはひたすら明朗快活、1本だけ輪姦ものがあるがあとは後味すっきりラヴコメぞろい。
フィニッシュは必ず中田氏で膣内断面描写もちりばめてと抜きツールとしてなかなか。あとやけに女子キャラの八重歯率が高いのでそちら属性の方はぜひ。
表紙がどうにもやる気なくて購買意欲を殺ぐのと個人的な地雷要素となるケモノ耳やふたなりを混ぜられたのでいまいち評価が低めだが、どう話を転がしても絶対にダークにならない独特のほのぼの感はこの人の魅力だ。
あとはどうしても1世代前っぽく見えるタッチをいま風に改良していけばいいのではなかろうか(つっても今日は2世代前っぽい人を先に出してしまったけど)。
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